TAROの空間感覚を体感する
キャンバスに留まることなく、歌舞伎の舞台をつくり、ディスプレイ空間をデザインし、野外広場を制作し、銀座の夜空にヘリコプターで絵を描き、池袋の駅前に巨大なクリスマスツリーを突き立て、万博会場に70mの巨像を屹立させた岡本太郎。
本展は、太郎が唯一手がけた建築物「マミ会館」を中心に、さまざまな空間を自在に表現の場に仕立てた岡本太郎の空間表現にスポットを当てた内容になっている。
事務局の黒田さんは「岡本太郎が手がけた唯一の建築《マミ会館》(1968)の1/40スケール模型をはじめ、太郎さんと空間のかかわりを証言する多彩な作品や資料をご覧いただけます。色とりどりの椅子や絨毯(じゅうたん)などの作品群で彩られた展示室で、その稀有な空間感覚をぜひ体感してください」と見どころを語る。
今はなき建築作品「マミ会館」の全貌に迫る
老朽化が進み、惜しまれながら解体された、東京都大田区の「マミ会館」(1968)。岡本太郎による居住空間機能を持つ唯一の建造物であり、“建築みたいなもの”ではなく、社会的な機能を物理的に担保した正真正銘の建築として、強烈な存在感を放っていた。
本展では、新たに製作した1/40スケールの『マミ会館』をはじめ、太郎と空間とのかかわりを証言する多彩な作品や資料が展示され、岡本太郎がデザインしたさまざまな作品とともに展示室を彩る。
展示室に身を置くことで、岡本太郎が放つ唯一無二の空間感覚が体験できるはずだ。
開催概要
「TAROの空間」
会期:2025年11月7日(金)~2026年3月8日(日)
開催時間:10:00~18:00(入館は~17:30)
休館日:火(祝の場合は開館)・12月28日(日)~1月4日(日)
会場:岡本太郎記念館(東京都港区南青山6-1-19)
アクセス:地下鉄表参道駅から徒歩8分
入場料:一般650円、小学生300円
【問い合わせ先】
岡本太郎記念館☏03-3406-0801
公式HP https://taro-okamoto.or.jp/
取材・文=前田真紀 画像提供=岡本太郎記念館





