地元の方々が大切に育てたゲンジボタル

東京都福生市では、初夏の風物詩である「福生ほたる祭」を6月1日(日)に開催。今回で60回目を迎える歴史あるイベントで、第1回目が行われたのは1966年。「界隈は多摩川や玉川上水などが流れ、当時はもっと自然が豊かでホタルがにぎやかに飛んでいたそうです。大勢の人にホタルの光を見てもらいたいと町会のお祭りとして始まりました」と教えてくれたのは福生市シティセールス推進課の住友さん。

60年以上の時を経て都市化の進行とともにホタルの数が減少している中で、1973年にホタルの生息を保護する施設としてほたる公園が開園。園内に養殖ドームを構え、地元有志からなる「福生ホタル研究会」が毎年ゲンジボタルの幼虫を大切に育てている。「養殖ドーム内だけでなく、公園内の小川にホタルを放してできる限り自然環境に近い環境で丁寧に育てています。祭りの前後1週間ぐらいは公園内でホタルが飛んでいる姿を見ることができますよ」と住友さん。歴史あるほたる祭やホタルを保護していきたいという地元の方々の強い思いによって「福生のホタル」は有名になり、市内外から多くの人々が訪れる。

住宅地の中にあるほたる公園。小さい子供連れでも歩きやすいよう整備されている。
住宅地の中にあるほたる公園。小さい子供連れでも歩きやすいよう整備されている。

ホタル観賞とさまざまな催しを楽しもう

イベント当日は辺りが暗くなると、ほたる公園でホタル観賞を楽しめる。「福生市はこの時代に東京の自然が多く残っています。電車で行けて都心からのアクセスも良いので、ぜひホタルを見に来てください」と住友さん。混雑を回避するため、ほたる公園に入るには福祉センター前の本部テントで配布される整理券が必要だ(19時20分~、19時40分~、20時~、20時20分~の全4回。各回200枚前後配布予定で、なくなり次第終了)。20時30分~21時の間は整理券がなくても入ることができる。

また、ほたる公園周辺のせせらぎ通りでは飲食のケータリングカーが23台並び、かき氷や唐揚げといったお祭りグルメが味わえ、福生第三中学校では吹奏楽部による演奏や市民団体のダンスなどのステージも楽しめる。今回から福祉センター敷地内で子供向けの縁日が加わるほか、本部テント横では「福生ほたる祭」オリジナルのミニはんてんも販売される(200個限定、700円)。明るいうちはさまざまな催しを楽しみつつ、都会ではなかなか見られないホタルをこの機会に観賞しよう!

せせらぎ通りには「福生ドッグ」を含む23台のケータリングカーがズラリと並ぶ。
せせらぎ通りには「福生ドッグ」を含む23台のケータリングカーがズラリと並ぶ。

開催概要

「第60回福生ほたる祭」

開催期間:2025年6月1日(日) ※荒天中止
開催時間:15:00~21:00
会場:ほたる公園(東京都福生市南田園3-9-1)ほか
アクセス:JR青梅線牛浜駅から徒歩12分、JR五日市線熊川駅から徒歩7分

【問い合わせ先】
福生市シティセールス推進課☎042-551-1740
URL:https://www.city.fussa.tokyo.jp/sightseeing/osusumeevent/hotaru/1018488.html

 

取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供