特産の深谷ねぎに感謝する祭り
ネギの生産量が全国トップクラスを誇る埼玉県深谷市。全国的にもその名が知られている「深谷ねぎ」は深谷市で採れるネギの総称で、数多くの品種が栽培されている。その特徴は、繊維のきめが細かく柔らかいこと、糖度が高く甘いことなどが挙げられ、旬を迎える12~2月頃は特に甘いと評判だ。そんな深谷ねぎの魅力をアピールすべく、毎年1月の最終日曜日に「深谷ねぎまつり」が開催されている。
「深谷市にはブランドの深谷ねぎがあるにもかかわらず、深谷ねぎに感謝するお祭りがないねという話から2013年に有志で立ち上げました。瀧宮神社で収穫に感謝して深谷ねぎを奉納すると同時に、境内で飲食も楽しめるよう『ねぎの市』を開催したのがきっかけです」と教えてくれたのは深谷ねぎまつり実行委員会の委員長・戸丸義之さん。
産地ならではの食べ方を体験できる!
年々イベントの認知度が増して来場者も増え、今回から会場を『アクアパラダイス パティオ』に移してより多くの集客を図る。イベントには3本の柱があり、1本目は前日に関係者のみで執り行われる「奉納の儀」。市内で収穫された深谷ねぎに祝詞をあげてもらい、深谷ねぎの豊作と感謝、そしてイベントの成功を祈る。
2本目が「深谷カルソッツ」。「カルソッツ」とは、スペインのカタルーニャ地方で冬から春にかけて食べられる料理名で、ネギを直火で焼いてソースを付けて食べるのが一般的。深谷でも昔から農家が泥つきのネギを焚き火やストーブなどでまるごと焼いておやつとして食べていたことから、「深谷カルソッツ」と称してこのシンプルかつ産地ならではの食べ方を来場者にも体験してもらうというもの。「旬の深谷ねぎは糖度12、3度と、ミカンと同じぐらいの甘さがある。焼き台を用意しているので、ぜひご自身で焼いて深谷ねぎの甘みや旨味を味わってもらいたい」と戸丸さん。
3本目の「ねぎの市」では、市内外の飲食店約40軒がネギを使った創作料理を販売するほか、深谷ねぎを使ったスパイスやソースなどの物販も行われる。創作料理のなかには、イベント名物の「ふっかちゃんこ鍋」や埼玉県のソウルフードとコラボした「深谷ねぎフライ」をはじめ、コロッケ、ハンバーガー、モツ煮、唐揚げなどさまざま。「深谷ねぎの香ばしさが味わえるクラフトビールや、凍らせたネギを削ったかき氷など他にはないグルメもあるので、頭の片隅に入れながら趣向を凝らしたグルメを楽しんで」(戸丸さん)。
そのほかにも、瀧宮神社で事前に祝詞をあげた「福ねぎ」の配布(被災地への義援金を目的に100円以上の募金をした人に1人1本配布、200本限定)や、農家・団体ごとのブースでは深谷ねぎの品種売りの販売も。「人間にとって一番寒い時期に、野菜は一番おいしくなります。今が旬の深谷ねぎをぜひ味わってください」と戸丸さん。ネギの街ならではの食べ方やグルメを堪能しよう。
開催概要
「深谷ねぎまつり」
開催日:2025年1月26日(日)
開催時間:10:00~15:00
会場:アクアパラダイス パティオ(埼玉県深谷市樫合763)
アクセス:JR高崎線深谷駅から無料シャトルバスで約10分
※会場の『アクアパラダイス パティオ』の駐車場は事前申し込み制で、すでに完売。車で来場する場合は『道の駅おかべ』または『深谷テラスパーク』からシャトルバスを利用
【問い合わせ先】
深谷ねぎまつり実行委員会 [email protected]
公式HP:https://www.negimatsuri.com/
取材・文=香取麻衣子 ※画像は深谷ねぎまつり実行委員会提供