サザエさん一家とともに1年を通した行事の楽しさを再発見

節分(豆まき)原画 制作年不明 (C)『長谷川町子美術館』。
節分(豆まき)原画 制作年不明 (C)『長谷川町子美術館』。

長谷川町子が描いた作品を通して、行事の歴史や由来、意味を紹介していく本展。四コマ漫画の『サザエさん』を中心に、短編漫画の『別冊サザエさん』や絵本『サザエさんとおまつり』の原画と関連資料など、初公開作品を含む約220点が展示される。

サザエさんと12カ月を巡る中で、季節の移り変わりや行事の持つ楽しさを感じられる構成となっている。

「サザエさん」原画(部分)初出1958(昭和33)年3月3日「朝日新聞朝刊」(C)『長谷川町子美術館』。
「サザエさん」原画(部分)初出1958(昭和33)年3月3日「朝日新聞朝刊」(C)『長谷川町子美術館』。

学芸員の長澤有記さんは「長谷川町子が描いた『サザエさん』の漫画や絵本を通して、行事の歴史や由来、意味もご紹介する展覧会です。中でも2章『サザエさんと巡る12か月』では季節の移り変わりや行事を楽しむ磯野家の様子を漫画や資料でひと月ごとに紹介しており、磯野家の一年をじっくりとお楽しみいただけます。また、絵本の一場面『たなばたさま』も展示室内に立体再現しています」と、見どころを語ってくれた。

新年にふさわしい、1年の行事の楽しさを再発見できそうだ。

「サザエさん」原画 初出1956(昭和31)年4月19日「朝日新聞朝刊」(C)『長谷川町子美術館』。
「サザエさん」原画 初出1956(昭和31)年4月19日「朝日新聞朝刊」(C)『長谷川町子美術館』。
『サザエさん』第27巻表紙原画 1959(昭和34)年(C)『長谷川町子美術館』。
『サザエさん』第27巻表紙原画 1959(昭和34)年(C)『長谷川町子美術館』。
姉妹社絵本『サザエさんとおまつり』より「たなばたさま」原画 1952(昭和27)年 (C)『長谷川町子美術館』。
姉妹社絵本『サザエさんとおまつり』より「たなばたさま」原画 1952(昭和27)年 (C)『長谷川町子美術館』。

企画展関連プログラムやグッズも見逃せない

展覧会期間中なら誰でも参加することができる、長谷川町子が描いた木に桜のシールを貼るイベント「サザエさんと満開の桜の下でお花見を」が『長谷川町子記念館』2階ロビーにて開催。

また、2月22日(土)11時~・14時~にはワークショップ「折り紙で作ろう ワカメとカツオのひな人形」が同館2階ロビーにて開催される。定員は各回8名(要予約・電話にて受付。詳細や申し込み方法は決まり次第HPにて告知)。

このほか、購買部(ショップ)では、企画展に合わせて1枚ずつ選べるポチ袋や柚子マーマレードなど、季節を感じる新商品が登場。喫茶部(カフェ)では、銀座の老舗珈琲店の豆を使った深煎りコーヒーをはじめ、町子の好物を使ったメニューをそろえている。企画展の余韻を楽しめる工夫が凝らされているので、ぜひ立ち寄ってみてはいかがだろう。

開催概要

企画展「サザエさんと12か月の行事」

開催期間:2024年12月7日(土)~2025年3月23日(日)
開催時間:10:00~17:30(入館は~16:30)
休館日:月(ただし1月13日・2月24日は開館)・12月26日(木)~1月3日(金)・1月14日(火)・2月25日(火)
会場:長谷川町子記念館 2階 企画展示室(東京都世田谷区桜新町1-30-6)
アクセス:東急電鉄田園都市線桜新町駅から徒歩7分
入場料:一般900円(800円)、65歳以上800円(700円)、大学生・高校生500円(400円)、中学生・小学生400円(300円)
※身体障害者手帳などの手帳をお持ちの方とその付添いの方は( )内。
※美術館・記念館の両館観覧可。

【問い合わせ先】
長谷川町子美術館☏ 03-3701-8766
公式HP https://www.hasegawamachiko.jp/memorial-museum/

 

取材・文=前田真紀 画像提供=長谷川町子美術館