ゲストカントリー第8弾では、ドイツを特集!
本のみならず、国外の出版社やアーティスト、ギャラリーが制作したアートブックやZINE(好きなものを自由な手法でひとつの冊子にまとめる新たなメディア)の魅力を発信する「TOKYO ART BOOK FAIR(以下、TABF)」の第14回目。
毎回1つの国や地域を取り上げるゲストカントリーシリーズの第8弾はドイツを特集する。日本でも高い人気を博すアーティストのステファン・マルクスやベルリンのアートブックフェア「MISS READ」、老舗出版社「Verlag der Buchhandlung Walther und Franz König」、世界一美しい本を作ると謳われる「Steidl」など、ドイツのアート出版を牽引する多様なブックメイカーたちが生み出した本を紹介していく。
プロジェクトマネージャーの東直子さんは「TABFでは『東京都現代美術館』周辺の本屋、ギャラリー、ショップ、レストランやカフェを紹介するネイバーズという企画を行っています。無料のレンタルバイクサービスも実施しているので、ぜひ街の周遊もお楽しみください。また、2024年はドイツ人のアーティスト、ステファン・マルクスのドローイングを施したオフィシャルトートバッグを制作しました。アートブックを読むカエルのモチーフは、彼が昨年TABFに参加した際、蛙のイラストをよく見かけたという清澄白河の街の印象と、清澄庭園にある松尾芭蕉の句碑『古池や蛙飛びこむ水の音』からインスピレーションを得たとのこと。清澄散歩とアートブックフェアのおみやげにぜひ!」と語ってくれた。
「坂本図書分室」や企業発のスペシャルブースも登場
『東京都現代美術館』で12月21日(土)より開催される展覧会「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」に先駆けた「坂本図書分室」による展示も注目したい。
「いつか古書店の店主になるのが夢だった」と語るほど、稀代の“愛書家”として知られた坂本龍一が2017年から準備を進めていた、自身の本を多くの人と共有するための図書構想「坂本図書」。2023年9月に、坂本龍一の所蔵していた本を読むことができる図書空間「坂本図書」が開館したが、外部出展は今回が初となる。今回の分室では、坂本龍一が晩年に愛した私物書籍の一部、実際に使用していた家具などの読書空間が再現されるほか、所蔵されている書籍と同タイトルの古書・オリジナルグッズも販売される。
坂本龍一がどのように本に向き合っていたのか。創作や思考の糧となった本の数々から、追体験できる。
このほかにもフリーマガジン『NOT FAR』最新号 #10を世界に先駆けて先行配布するNew Balance、クリエティブ・ディレクターとしてフランス人のクラリス・ドゥモリを迎えて新たな『花椿 2024年号 — CARE』を制作し写真展示をする花椿などの、スペシャルブースも登場する。
お気に入りの一冊との出合いを楽しむ、心躍る時間を過ごせそうだ。
開催概要
「TOKYO ART BOOK FAIR 2024」
開催日時:2024年11月28日(木)12:00~19:00(入場は~18:30)、11月29日(金)~12月1日(日)11:00~18:00(入場は~17:30)
会場:東京都現代美術館 企画展示室B2F、エントランスホールほか(東京都江東区三好4-1-1 )
アクセス:地下鉄半蔵門線清澄白河駅から徒歩9分・地下鉄大江戸線清澄白河駅から徒歩13分
入場料:一般1000円(オンライン事前予約制・発行手数料別途165円)
※チケットの発行手数料に別途165円が必要。
※当日券1200円も若干数あり(予定)。
※一部イベントは別途参加費が必要。
※チケット購入は https://www.ticketpay.jp/search/keyword=TOKYO+ART+BOOK+FAIR+2024より
【問い合わせ先】
TOKYO ART BOOK FAIR 事務局 [email protected]
公式HP https://tokyoartbookfair.com/
取材・文=前田真紀 ※画像は主催者提供