戦後、前橋を盛り上げようと始まった

戦後、市街地の80%が焼け野原になった群馬県前橋市。戦災からの復興と市民の活力や生きる希望を目指して1948年に始まったのが「復興祭」だ。翌1949年には「商工祭」、さらに1959年には「前橋まつり」と改め発展してきた。新春の「初市まつり」、夏の「七夕まつり」と並ぶ“前橋三大まつり”のひとつとして、多くの市民がこの祭りを心待ちにしている。

一番の特色は「市民総参加」と謳っていること。前橋市中心部だけでなく、周辺自治会でも協賛行事が行われ、この2日間は市内一円が祭りムード一色に染まる。華麗な祇園山車や神輿に加え、八木節踊り、和太鼓演奏、民謡踊り、市内小学生による鼓笛吹奏楽演奏、ステ―ジイベントなどのさまざまな催しが各所で行われ、まさに市民ひとりひとりが主役といった様子だ。

老いも若きも楽しく踊る「だんべえ踊り」

なかでも、市民のハートをがっちりとつかんでいるのが名物の「だんべえ踊り」だ。1995年に生まれた創作よさこい踊りで、『前橋音頭』をアレンジした曲に合わせて、前橋市の木であるイチョウの葉をかたどった鳴子を両手に持ち行進しながら踊る。「だんべえ踊りは子供から高齢者まで幅広い世代が踊りやすいようにつくられた前橋独自の踊りなんです」と前橋商工会議所の担当者。立川町大通りでは、踊り手が「そうだんべえ、そうだんべえ」の掛け声とともに楽しそうに踊り、観客も一緒に盛り上がる。

また、伝統ある祇園山車と子供みこしや、勇壮な大人みこしにも注目だ。「大人みこしでは15、6基ある神輿を掛け声とともに一斉に担ぎ上げる連合渡御が行われ、迫力満点です」(前橋商工会議所)。大人みこしの連合渡御は両日とも19時15分頃から。前橋市が熱気にあふれる2日間、ぜひ祭りに繰り出そう。

立川町大通りに全ての神輿が集結し、連合渡御が行われる。
立川町大通りに全ての神輿が集結し、連合渡御が行われる。

開催概要

「第76回前橋まつり」

開催日:2024年10月12日(土)・13日(日)
開催時間:10:00~21:00
会場:前橋市中心商店街ほか市内一円
アクセス:JR両毛線前橋駅から徒歩15分

【問い合わせ先】
前橋商工会議所☎027・234・5109
公式HP:https://maebashi-festival.jp/

取材・文=香取麻衣子 ※画像提供=前橋観光コンベンション協会