妖怪に幽霊も! 浮世絵の中からさまざまなお化けが集まる
荒れ果てた屋敷に巣くう不気味な妖怪や、怨みを晴らそうと恐ろしい形相でにらみつける幽霊など、浮世絵に幾度となく登場してきたお化けたち。
本展は、妖怪や幽霊を描いた浮世絵約170 点(前後期で全点展示替え)が集まる“お化け展覧会”である。
お化けたちのラインアップも豪華。歌川国芳の代表作である『相馬の古内裏』をはじめ、歌川国貞や月岡芳年ら人気浮世絵師たちが手掛けた、妖怪やおどろおどろしい幽霊が大集合する。
一方、怖いだけでなく、楽しそうに踊る猫又や、人間のような表情をした河童、ゆるキャラのような不思議なフォルムをした謎の妖怪たちなど、かわいらしいお化けたちの姿も。観るほどに浮世絵の奥深さにふれることができる。
新たに収蔵された初公開作品38点もお目見え
これまでも妖怪や幽霊を題材とした浮世絵を紹介してきた『太田記念美術館』だが、本展では、新たに収蔵された作品38 点を初公開! 訪れたことがある人にとっても、新しいお化けたちに出会う楽しみがありそうだ。
『太田記念美術館』主席学芸員の日野原健司さんは、「お岩さんやお菊さんといった女性の幽霊や、河童や天狗といった妖怪など、皆さんがご存じのお化けがたくさん登場します。不気味な絵もたくさんありますが、浮世絵に登場するお化けたちはどこか愛嬌があります。気軽に楽しんでいただける『お化け屋敷』ですので、怖いのが苦手という方もぜひお気軽に。また、歌川国芳や月岡芳年といった、近年人気の浮世絵師たちの代表作もたくさん展示していますので、浮世絵好きの方にとっても見ごたえたっぷりです。」と、語ってくれた。
この夏、お化け屋敷と化した『太田記念美術館』に足を運んでみてはいかがだろう。
開催概要
「浮世絵お化け屋敷」
開催期間:2024年8月3日(土)~9月29日(日)※前期8月3日(土)~9月1日(日)、後期9月6日(金)~29日(日)
開催時間:10:30~17:30(入館は~17:00)
休館日:月(祝・休の場合は開館、翌休)・展示替え期間9月2日(月)~9月5日(木)
会場:太田記念美術館(東京都渋谷区神宮前1-10-10)
アクセス:JR山手線原宿駅から徒歩5分、地下鉄千代田線・副都心線明治神宮前駅から徒歩3分
入場料:一般1200円、高校・大学生800円、中学生以下無料
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/obakeyashiki/
取材・文=前田真紀 画像提供=太田記念美術館