『天狗湯』昔ながらの高い天井が気持ちいい!お湯と看板猫に癒やされる

銭湯絵師の丸山さんが描いた富士山。額に入れてあるので劣化が少ない。
銭湯絵師の丸山さんが描いた富士山。額に入れてあるので劣化が少ない。

待ち合いや脱衣所、そして浴室すべてが清潔で輝くようだが、建物自体は約50年前と古め。天井が体育館のように高い、昔ながらの銭湯様式だ。オススメはしっとりやさしいミルク風呂。ぬるめで長湯できる。「女性向けにいいかな〜と思ってたんだけど、自分で入ってみたら気持ちよくって」と話す店主。高円寺の『小杉湯』で初めてミルク風呂に入り、「コレはイイ!!!」と感じたそう。保湿成分が配合されていて、入浴後も肌のしっとり感が続く。

看板猫は3匹。写真はぐーちゃん。
看板猫は3匹。写真はぐーちゃん。

深風呂が43℃、ジェットバス・ミクロバブルバスが41℃、ミルク風呂が39.5℃、そして水風呂と4種の温度が楽しめる。すべて井戸水使用なので、とてもやわらかいと評判だ。深風呂は深さも十分で熱いため、長く入るのは難しい。そんなときは、ぬるめのミルク風呂と交互入浴するのがオススメ。身体の芯まであたたまるので湯冷めしにくいそう。
また、『天狗湯』のトレードマークといえば、暖簾(のれん)にも登場している3匹の看板猫たち。なんとグッズにもなっている。さんぽのついでにグッズのタオルを買って、ひとっ風呂も楽しい。

猫と天狗のイラストが入ったグッズも購入できる。天狗湯カラータオル各220円、天狗湯トートバッグ440円。
猫と天狗のイラストが入ったグッズも購入できる。天狗湯カラータオル各220円、天狗湯トートバッグ440円。

『天狗湯』店舗詳細

住所:東京都杉並区西荻南1-21-4/営業時間:15:45〜23:45/定休日:火・金/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩7分

『秀の湯』開放的な露天風呂と、毎日楽しめる日替わりの薬草風呂が人気

掃除に力を入れているという通り、清潔感が抜群。
掃除に力を入れているという通り、清潔感が抜群。

「温泉は、たまに行くところだから薄暗くてもいい。でも、毎日来る銭湯は、明るくないと」とは2代目店主である父の教え。浴室タイルの張替えを、3代目店主の久留島さん主導で行ったのは10年ほど前のこと。教えの通り清潔感のある美しい内装に仕上げた。露天風呂は5人ほどが入れる広さで、風呂の脇にベンチが置かれている。十分な広さがあるので空が大きく開け、開放感が抜群だ。薬草風呂は、曜日によって内容が替わる。金曜のコーヒー風呂以外は生薬を使うので、身体の芯まであたたまると好評。とくに、土曜の「萬喜湯(ばんきとう)」は唐辛子の効いたお湯で、身体はじんじん、風呂上がりも汗が出るほど。

炭酸泉の露天風呂。人気のお湯なので譲り合ってほしい。
炭酸泉の露天風呂。人気のお湯なので譲り合ってほしい。

併設のサウナは別料金で、貸しバスタオルが付いて260円。サウナの隣にシャワー、そしてその隣に水風呂、と導線もスムーズなのがうれしい。 水風呂はいつでもキンキンに冷えている、とサウナ愛好家にも評判だ。

現在サウナは、コロナ対策のため定員を設けている。
現在サウナは、コロナ対策のため定員を設けている。

『秀の湯』店舗詳細

『文化湯』広めの浴槽でのびのび!光を取り入れ、地下なのに明るさ抜群

西荻の静かな住宅地にある創業約70年、外観はスポーツクラブのような銭湯。浴室は地下にあるのだが、大きな窓から外光が入り、タイルの白さがまぶしい。地下にいることを忘れてしまうほど。なんといってもすばらしい点は、一つ浴槽なこと。いろんな温度のお湯を管理するため、最近は浴槽を区切っている銭湯も多く、一つひとつの浴槽が狭いこともしばしば。ところがこの銭湯は、昔ながらの一つ浴槽なので、先客が何人かいても、のびのびと手足を伸ばせるのだ。「ときどきは大きなお風呂に入りたい」という欲を満たしてくれる。

窓から入る光が本当に明るい。白いタイルがまぶしい。
窓から入る光が本当に明るい。白いタイルがまぶしい。
手前側がバイブラバス、奥の手すりあたりがジェットバス。
手前側がバイブラバス、奥の手すりあたりがジェットバス。

浴槽は一つだが、バイブラバスとジェットバスのエリアがある。手前は細かな気泡による振動でマッサージ効果があるバイブラバス。新陳代謝を促すので疲労回復にいいといわれている。奥側がジェットバスで、寝るような姿勢で入るためぼんやりしたリラックスタイムを楽しもう。

『文化湯』店舗詳細

住所:東京都杉並区西荻北4-3-10/営業時間:16:00〜24:00/定休日:月/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩5分

取材・文・撮影=ミヤウチマサコ

JR西荻窪駅を中心として北は善福寺川、南は五日市街道あたりまで広がるこの街。「西荻窪」という地名は1970年に廃止され現存しないが、“西荻(ニシオギ)”という街の存在感はむしろ年々増している。吉祥寺駅と荻窪駅の間に位置し、「松庵」など高級住宅地を擁するせいで、中央線の中では比較的上品なイメージで語られることも多い。しかし、ひとたびこのエリアを歩けば、上品などころかかなり個性的な地だということが分かるだろう。店主がそれぞれの哲学を貫く店と、それらを愛してやまない住民が集まる、けっこう熱くてヘンな街なのだ。