浅草界隈の喫茶に新風を吹き込んだカフェ『Sensing Touch of Earth』【松が谷】
かっぱ橋道具街に2017年開店。地味な料理道具の問屋街にあっては異色で、現在の浅草カフェの先駆的な存在。間口は狭いが内部は広々、天井高く奥行きあるコンクリ打ちっぱなしのスタイリッシュ空間に圧倒される。コーヒーを通して自然に触れるという意味合いの店名に合わせ、巨大なシカ(ぬいぐるみ)やセミが配され、洗練された食器類と合わせてアートセンスが充満、ギャラリーにいるようだ。いち早くスペシャリティ豆でエスプレッソを提供、最近は季節のオリジナルブレンドで作るロングブラック、高級抹茶製のティラミスなどが好評。
『Sensing Touch of Earth』店舗詳細
浅草で日本全国の美味なるコーヒーを体験『TABI TO COFFEE Asakusa』【西浅草】
日本各地のこれぞという自家焙煎コーヒー店の豆を取り寄せ紹介する斬新なカフェ。看板メニューは「コーヒーフライト」。2、3、4種のコーヒー豆を選びさまざまな店の味を飲み比べ。カウンターの見本で豆を確かめる趣向も乙。最新式ドリッパーを使用して丁寧に味を引き出し、切り子グラスで提供するコーヒーは見た目も美しく、ワインのような繊細な味わい。コーヒー好きには至福のひと時だ。
『TABI TO COFFEE Asakusa』店舗詳細
近隣から進出、街のロビーのように使えるカフェ『WESTSIDE COFFEE ASAKUSA』【浅草】
浅草に先駆け高品質なカフェが続々誕生したお隣の浅草橋〜蔵前エリアにある、2020年開店の『WESTSIDE COFFEE』が今年9月、観音裏にコーヒー豆の焙煎所を兼ねた新店舗をオープン。小ぶりながら本店同様に果実感があってヌケのいい一杯をスタンドで味わえる。系列店『n COFFEE & BAKE』の焼き菓子も提供し、さっぱりめの味がコーヒーにマッチ。店名はオーナーの名前「西方」に由来するそう。
『WESTSIDE COFFEE ASAKUSA』店舗詳細
穏やかにこだわりの美学で持てなす大人カフェ『seihitsu』【千束】
店主・内山智喜さんが「幅広い世代のお客さまにゆっくり利用してもらいたい」と喧噪を避け、選んだ場所は千束の裏筋。カウンターメインのシンプルな店内は店名通り静謐(せいひつ)な気配がただよう。コーヒーは厳選した2種類の豆を使い分け、軽食類は優しい味わいのベジタリアン仕様。相性いいナチュラルワインもオススメで各種焼き菓子もおいしい。絶妙な距離感で話しかける店主の接客ぶりも魅力。
『seihitsu』店舗詳細
縁台感覚でカフェ・ラテの名品を賞味『UP TO YOU COFFEE』【松が谷】
国内で9度優勝、世界コンテストで3位の経験を持つラテアートの達人、奥平雄大さんの店。繁華街から離れているが国内外の客が足繁く通う。浅草はインバウンド客が多く、海外で暮らしていた頃を思い出す雰囲気があるのが気に入って店を開いたという。さすがのカフェラテ以外にもエスプレッソやハンドドリップも美味。狭い店だが細長い席に国籍不問で並んで座るのは、下町のノリで楽しい。
『UP TO YOU COFFEE』店舗詳細
どの店もそれぞれのコーヒー愛にあふれ、訪れる客とのコミュニケーションを大切にしていたのが印象的。宿泊施設が多く、モーニングタイムが外国人観光客でにぎわう光景も浅草ならでは(人気はエスプレッソ)。
エリアや時間帯によって異なる店の雰囲気を、個性あるコーヒーとともにぜひ味わってほしい。この街ならではの「新しい」コーヒーとの出合いが、そこにはあるはずだ。
取材・文=奥谷道草 撮影=井原淳一
『散歩の達人』2025年12月号より







