手書きイラストに吸い寄せられて……『三省堂書店 池袋本店』【池袋】

思わずじっくり読みふけってしまう。
思わずじっくり読みふけってしまう。

百貨店の地下から続いて両脇に書店が広がる通路は、駅構内さながらの人通り。「多くの人の目につく場所なので、ディスプレイもこだわっています」と岩本圭史さん。池袋エリアや西武線・東武線沿線に縁ある作家の作品は特に人気だとか。コミックコーナーの前面、スタッフが模写したというハイクオリティなイラストPOP は、著者もSNS で反応するなど話題だ。

児童書コーナーはレイアウトの工夫も光る。
児童書コーナーはレイアウトの工夫も光る。
通路の先に現れる新刊コーナーは頻繁に入れ替わりも。
通路の先に現れる新刊コーナーは頻繁に入れ替わりも。

『三省堂書店 池袋本店』担当者のイチオシ本!

『どうだ!埼玉うどん伝説!!』
永谷晶久/大空出版

埼玉愛にあふれ、歴史や文化も網羅するご当地うどん名店ガイド。

『あたらしいともだち』
かわじろう/マガジンハウス

短編集。作中では池袋ならぬ“とよぶくろ”の書店が登場する。

『三省堂書店 池袋本店』店舗詳細

住所:東京都豊島区南池袋1-28-1 西武池袋本店別館B1、書籍館B1・1F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄池袋駅直結

ゆったり見てまわれる装い新たな店内『旭屋書店 池袋店』【池袋】

特に力を入れている児童書のにぎやかな一角。
特に力を入れている児童書のにぎやかな一角。

2025年5月にリニューアルオープン。児童書の棚がポップなデザインになり、ベビーカーでも通りやすい通路の幅になるなど、楽しくやさしくパワーアップした。ファミリーだけでなく年配のお客さんも多いとあって、パズルやナンクロ、そして充実の「大人の塗り絵」コーナーも特に好評だそう。年末に向けて「池袋で一番売れるかも」という手帳の品揃えも楽しみだ。

怪談の棚には手作りフクロウが!
怪談の棚には手作りフクロウが!
ぬりえ本の棚。
ぬりえ本の棚。
常ににぎわう前面の話題書のコーナー。
常ににぎわう前面の話題書のコーナー。

『旭屋書店 池袋店』担当者のイチオシ本!

『パンどろぼうとスイーツおうじ』
柴田ケイコ/KADOKAWA

大人気絵本シリーズの最新作。店頭ではかわいいグッズも販売中だ。

『池袋怪談』
西浦和也 はおまりこ/竹書房怪談文庫

ご当地怪談シリーズの池袋編がついに登場。池袋を歩くなら必読?

『旭屋書店 池袋店』店舗詳細

住所:東京都豊島区西池袋1-1-25 東武百貨店池袋店7F/営業時間:10:00~20:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄・地下鉄池袋駅直結

訪れる人への気配りも欠かさない『くまざわ書店 ルミネ池袋店』【池袋】

女性向けエッセイは「ここまで揃えている書店はなかなかないのでは」と金井さん。
女性向けエッセイは「ここまで揃えている書店はなかなかないのでは」と金井さん。

「プラスアルファの接客ができるように心掛けています」と店長の金井文枝さん。「思いの先をよみ、期待の先をみたす」というルミネの理念も心に留めた細やかな配慮が光る。場所柄もあり人気の高い女性向けの本のほか、資格・検定のジャンルも充実。マネージャーさんがつくるやさしい字とデザインの手書きのポップは「これを見て買いました」という声もあるとか。

派手ではないのに目を引く手書きポップ。
派手ではないのに目を引く手書きポップ。
明るい店内。
明るい店内。

『くまざわ書店 ルミネ池袋店』担当者イチオシ本!

『愛するということ』
エーリッヒ・フロム/紀伊國屋書店

古典的名作の改訳版。この店舗で長年よく売れている一冊だという。

『涙の箱』
ハン・ガン/評論社

ノーベル文学賞を受賞した著者による、大人のための童話。

『くまざわ書店 ルミネ池袋店』店舗詳細

住所:東京都豊島区西池袋1-11-1 ルミネ池袋6F/営業時間:11:00~21:00/定休日:不定(施設に準ずる)/アクセス:JR・私鉄・地下鉄池袋駅直結

夜更けでもわざわざ行く価値あり!『山下書店 大塚店』【大塚】

裏社会系の人気は「地域性でしょうね」と出沖さん。
裏社会系の人気は「地域性でしょうね」と出沖さん。

有人営業の一般書店では日本唯一ともいわれる24時間営業で、新刊の発売日には日本で最も早く手に入る店として有名。近年特に人気が増して充実しつつあるのが、ダークな雰囲気を醸す裏社会系ジャンルの棚だ。ニーズに応えることを重視し、店長の出沖(いずおき)慶太さんいわく「作為的にならないよう気を配っている」ラインアップは、大塚らしさにあふれている。

過去の直木賞・芥川賞受賞作を揃えたコーナーが好評。
過去の直木賞・芥川賞受賞作を揃えたコーナーが好評。
雑貨の取り扱いも豊富。
雑貨の取り扱いも豊富。

『山下書店 大塚店』担当者のイチオシ本!

『沈黙の中世史』
後藤里菜/ちくま新書

著者が以前この店でアルバイトしていた縁でおすすめする歴史書。

『ぼんごのおにぎりおいしさのヒミツ』
右近由美子/朝日出版社

ご近所の名店『ぼんご』の公式レシピ本。店頭にもずらりと並ぶ。

『山下書店 大塚店』店舗詳細

住所:東京都豊島区北大塚2-14-5 KYビル1F/営業時間:24時間営業/定休日:無/アクセス:JR山手線大塚駅北口・都電荒川線大塚駅前停留場から徒歩1分

取材・文・撮影=中村こより
『散歩の達人』2025年11月号より