お口の恋人的なお菓子メーカーから出ている「Rミー」や「Bッカス」が、めっぽう好きだ。そのまま食べるのもいいのだが、これをホットミルクに入れると、身も心も温まるホットチョコレートがうまい。板チョコに入っているレーズンはマグカップの底に沈んでいて、スプーンですくってつまみのごとく食べる。これは、もはやホットチョコレートのラムハイでは。
いや待て、「全てをハイにする」を手がけるものが、ホットチョコレートに焼酎をいれていないとは。これはハイにならねば。
「全てをハイにする」とは??
「全てをハイにする」は、自粛期間中の“買い出し”を楽しむために思いついた遊びだ。「何に焼酎を入れると美味しいか」を考えながら、スーパーやコンビニへ行き、オリジナルの「〇〇ハイ」を作る。この遊びによって少し視点を変えるだけで、いつもの売り場が輝いて見える。どこへ行くのも立派な散歩。身も心もハイになれるのだ。
「全てをハイにする」の基本ルールは以下。
ルール①焼酎に入れたら美味しそうなもので割って飲んでみる
ルール②食べ物を粗末にしない
一年に一度のチャンスに、最高のハイを
いつものごとく用意するものは3つだけ。個人的に甘すぎるものは苦手なので、チョコレートはカカオ70%のビターなタイプを購入した。
チョコレートを買うついでにいつも行く酒屋に顔を出すと、売り場にバレンタインコーナーが作られていた。お兄さんに声をかけ、チョコレートにあう焼酎を選んでもらうことにする。「芋焼酎合わせてみたいんですけどねぇ」と話しかける私の顔は、ワクワクしすぎて異様にニヤケていたはずだ。そして酒の話を聞けば聞くほど、ニヤニヤが止まらないのだ。マスクがあってよかった。
というわけで、焼酎は甲類焼酎、芋焼酎、栗焼酎の3種類でチャレンジする。
バレンタインチューハイの作り方
牛乳を鍋で沸かすのも面倒なので、チョコレートを入れて電子レンジでチンする。濃厚な味わいにしたいので、チョコレートは心配になるくらい多めに入れてしまおう。一気に混ぜると分離してしまうので、何度かにわけて電子レンジにかけ、溶かし入れるのがいいだろう。
そこに焼酎を加えて……
できた!
ホットチョコレートは何杯も飲めないので、お猪口にわけて焼酎違いで飲み比べる。もう注いだときの香りだけで、心が酔っ払ってきた。たまらん。
ベストではない……甲類焼酎
甲類焼酎をいれたホットチョコレートは、飲んだ瞬間にツンとくる。焼酎の刺激がチョコレートの香りやビターな風味を邪魔して、飲めなくはないけれど……。お猪口サイズで十分かな。
芋焼酎とチョコレートは相思相愛
フルーティな芋焼酎とホットチョコレートは相性抜群! カカオを追いかける華やかな香りにうっとり。ビターなチョコレートが芋焼酎のほんのりした甘みを引き立てて、味わいのバランスもいい。存在感もあって、スイーツを丸々食べ終えたのと同じくらいの満足感だ。
栗焼酎は合わないワケがない
栗焼酎は、少量だと栗の香りがカカオの香りにやや負け気味になるので、焼酎を多めに。甘くまろやかな後味がホットチョコレートのやさしい味わいに重なる。違和感がなさすぎて、するっと飲んでしまう。これ、焼き菓子が合いそうだなぁ。
おやつに飲むなら芋焼酎、寝る前に飲むなら栗焼酎といったところだろうか。
そも、バレンタインとは
バレンタインは美味しいチョコレートを食べる日だ(他のルールは知らない)。酒飲みの美味しいものといえば、酒or酒のつまみでしかない。ホットチョコレートは、焼酎なら黒糖焼酎や麦焼酎(麦チョコみたいになる)にも合うし、他のお酒ならラム酒、ウイスキーなど割と何にでも合う万能ドリンク。皆様にもとっておきのシャレた一杯を楽しんでいただきたい。
<おまけ>
酒屋のお兄さんが飲んでもおいしい味醂が絶対合うというから、買ってしまった。確かに濃厚で甘くてイケる。これはお酒っぽい味が苦手な人も飲めてしまう、危険なドリンクだ。
※わざわざいうのもどうかと思ったが、今回の記事は麗しの国生様に愛を込めて執筆した。
撮影・文=福井 晶