独自の視点で揃える和食器
店舗は深川資料館通り商店街のシックな装いのマンションの1階にある。ごはん茶碗や湯飲み茶碗、箸置きや豆皿などの陶器類のほか、日常使える漆器類など、さまざまに取り揃えている。
店主の柴田優子さんは、和食器専門店勤務の経験をもつ。そこで培ってきた器の知識を活かし、百貨店にはラインナップしていない独自の視点で選んだものを取り扱っている。
ご自身も下町育ちということもあり、「いつか店をもつなら、この界隈!」と思っていたという。「ここは、深川八幡祭の御神輿が通る場所で、当日は店を閉め、水かけ祭りに参加するんですよ。こういう楽しみも、下町に出店した魅力の一つですね」と話す。
日本各地へ買い付けに
柴田さん自身が、美濃焼で知られる岐阜県多治見市や、愛知県常滑市、京都府京都市など、全国各地の焼き物の産地へ直接買い付けに行って、仕入れているのだそうだ。
商品を見てみると、作家の作品もあれば、小さな工房のものもある。一つひとつ手作りのため、同じ模様でも小さな違いがあり、それもまた手作りの陶器の味わい。描かれる模様も伝統的なものからモダンなものまでと幅広く、「ときめき!」を感じるアイテムに目移りしてしまう。
ピピッ!と直感を感じたら手にとって
陶器というと、日常遣いには少しハードルが高いように思うが、この店で販売するものは、手入れも難しくない物が多い。陶器の扱い方や洗い方なども、柴田さんに聞けば、何でも教えてくれる。
「まずは、かわいい! ステキ! と思う物を手にとっていただきたいですね。器には手仕事の良さや四季を感じる物も多いので、楽しんでいただきたいです」と話す。
かく言う私も、お気に入りの急須を壊したばかり…。店に入ってまず目に止めたのは急須棚。「アッと! あの急須! 」と、キュンと心をつかまれて、買って帰ったのであった。
『青葉堂』店舗詳細
取材・文・撮影=千葉香苗