テーブルをさりげなく彩る陶磁器『POTPURRI』

店の立ち上げ前からブランドを支える濱野泰吉さんと、スタッフの海老真理さん。内装は、デザインスタジオ『HAJIKAMI』が手がけた。
店の立ち上げ前からブランドを支える濱野泰吉さんと、スタッフの海老真理さん。内装は、デザインスタジオ『HAJIKAMI』が手がけた。

岐阜県瑞浪市の窯元に約9年間勤めた岡見宏之さんによる同名ブランドの直営店。デザインから制作まで自社で行っており、岐阜や東京の工房で焼き上げている。色使いや形、質感はシリーズによってさまざまで、北欧的なものもあれば日本的なものも。「POTPURRI」ブランドの器のほか、小池葉月さんによるイラスト雑貨、多治見市で生産している姉妹ブランド「masamura craft」の器なども取り揃える。

「波」という意味の「Våg(ヴォーグ)」シリーズは曲線が美しい。
「波」という意味の「Våg(ヴォーグ)」シリーズは曲線が美しい。
手前のカップやプレートは、日本の文様刻印技法「印花」を取り入れた「Stamp(スタンプ)」シリーズ。
手前のカップやプレートは、日本の文様刻印技法「印花」を取り入れた「Stamp(スタンプ)」シリーズ。
緑のタイルは自社工房で焼いたもの。「織部」という伝統色だ。
緑のタイルは自社工房で焼いたもの。「織部」という伝統色だ。
POTPURRI Frost プレート1650円~。マットな質感が不思議な印象。内側はよく見ると白ではなく薄いグレーやピンク。
POTPURRI Frost プレート1650円~。マットな質感が不思議な印象。内側はよく見ると白ではなく薄いグレーやピンク。
POTPURRI Våg コーヒーカップ1650円・プレート1100円~。カップとソーサーはあえて別の色で組み合わせても。カップの持ち手は大きく握りやすい。
POTPURRI Våg コーヒーカップ1650円・プレート1100円~。カップとソーサーはあえて別の色で組み合わせても。カップの持ち手は大きく握りやすい。

『POTPURRI』店舗詳細

住所:東京都江東区白河2-1-2/営業時間:11:00~12:30・13:30~19:00(土・日・祝は通し営業)/定休日:月/アクセス:地下鉄半蔵門線・大江戸線清澄白河駅から徒歩2分

日常が楽しくなる作家アイテム『ondo STAY&EXHIBITION』

松木さんを中央に、左からスタッフの小林和佳さん、石渡陽奈さん。
松木さんを中央に、左からスタッフの小林和佳さん、石渡陽奈さん。

大阪と東京を拠点に活動するデザイン会社が運営するギャラリー兼ショップ。絵を中心とした展示、自社で制作した作家とのコラボアイテムやセレクト商品の販売を行っている。「ポストカード1枚からでも、気軽に絵や作家さんの作品を日常に取り入れてもらいたい」とギャラリーマネジャーの松木カオリさん。気負わず手軽に購入できるような小冊子や生活雑貨も多数あり。

自社制作の作品集は、作家それぞれの個性に合わせてデザインしている。
自社制作の作品集は、作家それぞれの個性に合わせてデザインしている。
古民家を改装したギャラリー兼販売スペースはほっとする空間。
古民家を改装したギャラリー兼販売スペースはほっとする空間。
COQ textile 靴下 みずたまりの散歩道2640円。北海道のテキスタイルデザイナーによるシースルーの靴下は、サンダルと合わせても。
COQ textile 靴下 みずたまりの散歩道2640円。北海道のテキスタイルデザイナーによるシースルーの靴下は、サンダルと合わせても。
「森優/てぬぐい」1430円。心地よい浮遊感のある絵が素敵な森優さん手ぬぐい。鮮やかなオレンジと、爽やかな水色の2色展開。
「森優/てぬぐい」1430円。心地よい浮遊感のある絵が素敵な森優さん手ぬぐい。鮮やかなオレンジと、爽やかな水色の2色展開。

『ondo STAY&EXHIBITION』店舗詳細

住所:東京都江東区清澄2-6-12/営業時間:12:00~19:00/定休日:展示会期に準じて休/アクセス:地下鉄半蔵門線・大江戸線清澄白河駅から徒歩3分

ちょっと特別な日本のいいものを『WOLK』

豊村さんの後ろには、鎌倉の喜利具(きりぐ)さんによる山葡萄かご、漆芸家・本間健司さんの漆椀などが並ぶ。
豊村さんの後ろには、鎌倉の喜利具(きりぐ)さんによる山葡萄かご、漆芸家・本間健司さんの漆椀などが並ぶ。

昔から各地の雑貨店を巡るのが趣味だったという無類の雑貨好きの店主・豊村昭子さんが営む。「手が届くいいものを提供したい」と、店内には、豊村さんが作家に直接コンタクトを取り、時には工房へ赴いて仕入れたという品々が整然と並び、店全体にどこか凛(りん)とした雰囲気が漂っている。「まずは自分の足元から」との思いで、日本の作家が日本の素材で作った品を多く取り扱っている。

一カ所にたくさん商品を置くと豊村さん曰く「目がすべる」ため余裕ある配置に。
一カ所にたくさん商品を置くと豊村さん曰く「目がすべる」ため余裕ある配置に。
宮島工芸製作所の新型杓子ほか。
宮島工芸製作所の新型杓子ほか。

『WOLK』店舗詳細

住所:東京都江東区常盤2-14-9/営業時間:12:00~18:00/定休日:火(月も休の場合あり)/アクセス:地下鉄半蔵門線・大江戸線清澄白河駅から徒歩3分

サステナブルでハイセンスな革雑貨『MAKOO』

「CO₂削減のためリサイクルレザーは一度に大量発注するなど、サステナブルな物作りを追求している」と壽さん。
「CO₂削減のためリサイクルレザーは一度に大量発注するなど、サステナブルな物作りを追求している」と壽さん。

紙のようにも見える素材の正体は「リサイクルレザー」。軽くて洗うこともできるというから驚きだ。手がけるのは、10代から欧米に渡り、帰国後はファッション業界に身を置いてきた壽(ことぶき)真琴さん。廃材で作品を作るストリートアーティストの影響を受け、2006年から“3R”に結びつく物作りをスタート。牛革の端材を粉砕し天然ゴムを混ぜ、新たな制品に。本来ゴミとなるものに価値を与えた。

制品はどれもデザイン性が高く、老若男女が使える。
制品はどれもデザイン性が高く、老若男女が使える。
内と外がつながっているようなスタジオ兼店舗。
内と外がつながっているようなスタジオ兼店舗。
Roll bag2万4200円。洗える素材だから多少雨に濡れても大丈夫。スマートフォンは防水ポケットにどうぞ。
Roll bag2万4200円。洗える素材だから多少雨に濡れても大丈夫。スマートフォンは防水ポケットにどうぞ。

『MAKOO』店舗詳細

住所:東京都江東区平野1-4-12 TAKAHIBLDG 1F/営業時間:12:00~19:00/定休日:不定/アクセス:地下鉄半蔵門線・大江戸線清澄白河駅から徒歩6分

自然と真摯に向きあったからこそ生まれた生活用具の数々。『Babaghuri(ババグーリ)』

天井高で開放的な店舗空間が広がる。
天井高で開放的な店舗空間が広がる。

清澄白河庭園のそばを流れる仙台堀川沿いにあり、2つの元倉庫をつなげてリノベーションしたコンクリート造の建物が目を引く。

『Babaghuri』は、ドイツ人のデザイナー、ヨーガン・レール氏がセカンドラインとして2006年に立ち上げたブランド。陶器や銅、銀などを使った皿や茶碗などの生活用具、天然木を切り抜いた家具など、ライフスタイルを演出するアイテムが並ぶ。洋服やタオルは、手紡ぎ手織りの草木染めコットンを用いたり、アクセサリーには水牛や店名の由来にもなっている瑪瑙(めのう)を用いるなど、一貫して天然素材で作り続けている。

価格が高騰し良質な素材を手に入れることが困難になったチーク材や、成長・再生の期間が短く、周りの植生を飲み込んでいく害がある孟宗竹などを使用した家具も必見。その質感の良さに魅了される。

インド・グジャラート地方で採取される瑪瑙を使ったアクセサリー。左からかんざし3万1900円、指輪各3万800円。
インド・グジャラート地方で採取される瑪瑙を使ったアクセサリー。左からかんざし3万1900円、指輪各3万800円。
家具は1点ものだ。スツールは木をそのままくり抜いて造られており、年輪を模様として活かしている。
家具は1点ものだ。スツールは木をそのままくり抜いて造られており、年輪を模様として活かしている。

『Babaghuri(ババグーリ)』店舗詳細

住所:東京都江東区清澄3-1-7/営業時間:11:00~19:00/定休日:火/アクセス:地下鉄大江戸線・半蔵門線清澄白河駅から徒歩7分

布や毛糸製品が充実の雑貨店。『onnellinen(オンネリネン)』

鍋つかみやキッチンクロスなど生活小物も取り揃える。
鍋つかみやキッチンクロスなど生活小物も取り揃える。

店主の瀬良田(せらだ)さわこさんが、自らが海外で買い付けてきた、日本では手に入らないヴィンテージ布を使った小物や毛糸などが並ぶ。

「編み物や布小物作りは独学です。店を始めるまでは編み物なんてやっていませんでした。でも、仕入れの時に、これ、かわいい!という毛糸に出合ったのがきっかけで編み物の魅力を知り、毛糸も取り扱うようになりました」と話す。

オリジナルの編み物キットも販売しており、購入後、そのキットの編み方でわからない点を瀬良田さんに質問できるというのもうれしい。

秋から冬にかけて毛糸の種類や、編み物製品も増える。
秋から冬にかけて毛糸の種類や、編み物製品も増える。
大学生のお子さんがいるお母さんでもある瀬良田さん。
大学生のお子さんがいるお母さんでもある瀬良田さん。

『onnellinen(オンネリネン)』店舗詳細

住所:東京都江東区白河1-1-2-1F/営業時間:11:00~18:00/定休日:日・月/アクセス:地下鉄大江戸線・半蔵門線清澄白河駅から徒歩1分

日本各地で買い付けた、独自の視点で揃える和食器の数々。『青葉堂』

器に限らず、土鍋やお弁当箱など、品揃えは多岐にわたる。
器に限らず、土鍋やお弁当箱など、品揃えは多岐にわたる。

深川資料館通り商店街のシックな装いのマンションの1階にある。店主の柴田優子さんは、和食器専門店勤務の経験をもち、そこで培ってきた器の知識を活かし、百貨店にはラインナップしていない独自の視点で選んだものを取り扱っている。

ごはん茶碗や湯飲み茶碗、箸置きや豆皿などの陶器類のほか、日常使える漆器類などさまざまに取り揃える。美濃焼で知られる岐阜県多治見市や、愛知県常滑市、京都府京都市など、全国各地の焼き物の産地へ直接買い付けに行って、仕入れている。

「私がステキ!と思うものを仕入れています」と柴田さん。
「私がステキ!と思うものを仕入れています」と柴田さん。
美濃焼の「トルコ 青 櫛目 丸皿」3850円。トルコブルーの発色が美しい。
美濃焼の「トルコ 青 櫛目 丸皿」3850円。トルコブルーの発色が美しい。

『青葉堂』店舗詳細

住所:東京都江東区白河1-1-1-101 /営業時間:10:30~19:00/定休日:不定/アクセス:地下鉄大江戸線・半蔵門線清澄白河駅から徒歩1分

デザイン会社が営む、作り手と買い手の思いをつなぐ雑貨店。『ALL(オール)』

狭いながらも天井高を活かしたディスプレイは、商品の一覧性があって見やすい。
狭いながらも天井高を活かしたディスプレイは、商品の一覧性があって見やすい。

「±0(プラスマイナスゼロ)」や「MILESTO(ミレスト)」など、有名ブランドの製品デザインを手掛けるプロダクトデザイン会社「プロペラデザイン」が運営する。

お客様との接客で知り得た情報をデザイナーと共有し、相談しながらいろいろな商品プロデュースに活かしている。人気のリュックもその一つで、発売当初Lサイズのみだっったが、女性のお客様の要望により、メーカーと一緒に一回り小さいサイズを作った。

プロデュースした商品のほかに、インドシナ半島ラオスで、綿花栽培から手紡ぎ、天然草木染、手織りまですべての工程を行っているという、この店のオリジナルブランド「HITOHI」もあるので、注目を。

「MILESTO STLAKT」のMサイズバックパック1万6500円。
「MILESTO STLAKT」のMサイズバックパック1万6500円。
黄色が柔らかめオレンジ色が堅めの、野菜洗い丸まるブラシ各460円。
黄色が柔らかめオレンジ色が堅めの、野菜洗い丸まるブラシ各460円。

『ALL』店舗詳細

住所:東京都江東区白河1-4-16-1F/営業時間:13:00~19:00/定休日:日・月/アクセス:地下鉄大江戸線・半蔵門線清澄白河駅から徒歩3分

新機軸の理化学ガラス製品専門店。『リカシツ』

所狭しと並ぶガラス製品、学校の理科室を彷彿させる店内。
所狭しと並ぶガラス製品、学校の理科室を彷彿させる店内。

理化学ガラス製品および機器の老舗企業・関谷理化株式会社のアンテナショップとして2015年にオープン。大学や研究機関に供給している製品はもちろん、日常遣いできるオリジナル製品も販売する。

理化学ガラス製品は、耐熱性や熱衝撃に優れており、職人の手により自在に形を変える熱加工が可能だ。使いやすくした取っ手付きのビーカーをはじめ、ビーカーワイングラスや木製の試験管立てなど、理化学ガラス製品の枠にとらわれることなく、あくまで日常遣いできるよう工夫されている。

ビーカー取手付BK-7(500ml)各1870 円。
ビーカー取手付BK-7(500ml)各1870 円。
店を任されているのは、店長の関谷りかさん。
店を任されているのは、店長の関谷りかさん。

『リカシツ』店舗詳細

住所:東京都江東区平野1-9-7深田荘102/営業時間:13:00~17:00/定休日:不定(公式ホームページより要確認)/アクセス:地下鉄大江戸線・半蔵門線清澄白河駅から徒歩5分

取材・文=南雲恵里香(風来堂)、千葉香苗 撮影=丸毛透、千葉香苗