ピエール瀧

1967年、静岡県出身。1989年に、石野卓球らと電気グルーヴを結成。音楽活動の他、俳優、声優、タレント、ゲームプロデュース、映像制作などマルチに活動を行う。近著は『ピエール瀧の23区23時 2020-2022』(産業編集センター)。

いやでもさ、すごい広さだよね、この公園

—— 突然ですが、「ファンキー!公園」は今回で最終回です!

OK ! 最終回も楽しく行きましょう! この海の森公園は江東区にあるってことでいいんだよね? どこの区の所有地になるか裁判してたよね、確か。

—— はい。“大田区とどっちのものになるんだ問題”ってのがありまして、その裁判の結果、江東区の公園となりました。この辺一帯が丸ごと埋立地なんですけど、この公園は2025年グランドオープン。その一角が、この前の東京五輪でカヌー・ボート・総合馬術の会場にもなりました。その辺りの歴史は、園内にある「ビジターセンター」という建物に全て書いてありましたね。

なるほど。いやでもさ、すごい広さだよね、この公園。駐車場から今立っている入り口まで歩いてきたけど、それだけでもう散歩としては十分な距離だったもん(笑)。

—— この公園だけで、「東京ディズニーランド」と同じ広さがあるそうです。地図がないと迷いそうだったんで、管理棟でもらってきました。見ながら歩きましょう。では、まず遊具がある「こども広場」から見てましょうか。

さすがにまだ新しい感じするね。お、ハンモックあるじゃん! それに遊具も見たことがないヤツばっかり。カヌー、ボート、馬がモチーフか。五輪でここを会場にやった競技ってことね。このシーソーも他では見たことないわ。どれも新しくて値段が高そうな感じ。このぐるぐる回るやつも珍しい乗り方だよ。座っても立っても乗れる。外向きで腰掛けてぐるぐる回るのって新しくない?

古(いにしえ)のグローブジャングルは内向きだったじゃん。遊具はちょっとしかないけど、どれも最新鋭だわ。さっきトイレものぞいてみたけど、全然汚れてなくてちゃんと綺麗だったし、お手入れされてるんだろうなって思ったよ。

—— 自販機があったんで、今のうちに水を買っておきましょうか。

そうしよう。この広さだと、なかった時のダメージがデカそうだから(笑)。非常時はライフラインにもなる自販機ね。もし地震があって液状化とか起きたら、来た時に通ったトンネルなんて使えないだろうからね。納得。じゃあ次はどこに行く感じ?

—— ここからグッと坂を上って、「つどいの草原」というエリアに向かいます。ここから1kmの距離ですね。

坂の向こうから犬を散歩させてる人が下りてきたよ。そうか、車で来てペットを散歩させるのには良い環境かも。この道の両端の森は人間の手で植樹したんだろうけど、種類も色々あるし、間引くところはちゃんと間引いてある。計画的にやってんだね。

—— 都民ボランティアによる本格的な植樹が始まったのは2008年からみたいです。

じゃあ18年かけるとこのくらいの森になるってことか。やっぱ無計画に珍しい木ばっかりズラズラ植えちゃダメってことよね。見慣れた木がいい間隔で続くもん。これはカシワか、スギはないのかな?

—— 花粉症の人へのケアとして植えてないんじゃないですか? 僕、スギもヒノキもダメで今朝から結構キツかったんですけど、この公園に来てからだいぶ楽になりましたもん。

へー! それは良い情報。俺は花粉症全然ないから分かんなかったわ。でもさ、果樹もほぼ見ないよね。やっぱあれかな、さっきから凄くカラスを見かけるから、ついばまれないように植えてないのかな。

—— ここのカラス、都心部で見るのと違って、みんな健康的な体つきしてますよね(笑)。

そうね。ていうかさ、このシロツメクサも「こんなにでっかく咲く?」っていうぐらい葉っぱも花もデカい。やっぱここまでノンストレスの環境だと、こんなに大きく育つんだね。とか話してたら、ここがその「つどいの草原」か。

とにかく広いわ、ただ広い! そしてこのゆるキャラは名前なんていうの?

—— 彼はですね、「うみのもりすけ」という名前だそうです。

まさかの和名! でもそれこそボーダーコリーとかを飼ってたらさ、ここで思いっきり遊ばせられるんじゃないかな。この広さ、東京なのに東京じゃないみたいだよ。

—— 「東の小山」という展望台があるんで、そこに行ってみます? そこが江東区内で一番標高が高い場所だそうです。

いいね、行ってみよう。「クロスカントリーコース」って書いてあるのは、五輪で馬術のコースになったところなんだろうな。

しかし本当にカラスの数が凄いね。ゴミ処理場が近いのもあると思うけど、カラスのバードウォッチングしたい人にはオススメの公園じゃない? 人間のいるところに餌を取りに行くとかじゃなくて、カラスのいるところに人間がやって来たっていう感じだもんね。カラス側にしてみると。

何もないかもしれないけど、良い公園だと思うな!

—— 着きました! ここが江東区の最高峰「東の小山」です。

では江東区の皆さん、今から見下ろしますよ。おお~、悪くないよ、ここ! 樹木の枝もちゃんと切ってあって、東京ゲートブリッジ方面がさっぱりと見える。

ここでお弁当食べたりするのは良いんじゃないの? まあカラスに気をつける必要はあるけど(笑)。この公園って、言っても東京23区内じゃんか。でもなぜか土地が余ってる感がある。23区内でそういう気分になる場所って珍しくない?

—— では最後に、「わいわい広場」に行きましょうか。ここから東に下ると、でっかい遊具があるみたいです。

あの遊具? すげえでかいじゃん! 滑り台もかなり長いし。矢吹くんちょっと上って滑ってきてくれる?

—— 了解です! うわ、上まで来ると結構な高さですね……。

—— じゃあ滑ります! アチチチ! スピードがかなり出るんで、敷いてあるローラーとの摩擦でお尻が痛いです(笑)。

なるほど、ケツに気をつけて滑れと(笑)。この公園、何もないと言えば何もないのかもしれないけど、俺的には良い公園だと思うな!

—— では瀧さん、連載の結びとして、読者の皆さんに一言お願いします。

まだまだ知られざるファンキーな公園はあると思います。ぜひ皆さんのお近くのとっておきの公園を探し当てて、ゆるゆるとお楽しみください。読者の皆さん、約4年間お付き合いありがとうございました!

『海の森公園』詳細

人工の森度 ★★★★★
カラス度 ★★★★☆
花粉症度 ☆☆☆☆☆

水飲み場:あり  トイレ:あり
自販機:あり   灰皿:なし

住所:東京都江東区海の森3丁目3-76/営業時間:10:00~17:00/定休日:無休/アクセス:東京臨海高速鉄道りんかい線東京テレポート駅から都営バス「海の森水上競技場」行き20分の「海の森公園」下車3分

構成=カルロス矢吹 撮影=横井明彦
『散歩の達人』2026年6月号より