ワインリストには、ボトルワイン約100種類、グラスワイン17種類以上が並ぶ

扉を飾る店名看板。店名には、「ループ(つながり)」という意味があり、「酔っぱらい」というスラングでもある。
扉を飾る店名看板。店名には、「ループ(つながり)」という意味があり、「酔っぱらい」というスラングでもある。

蒲田駅から数分歩き、エレベーターで4階へ。扉を開ければそこは駅前の喧噪が嘘のような別世界。店の奥まで続く黒く長いカウンター、棚に置かれたワイングラスやワインボトルが照明に浮かび、シックでゴージャスな雰囲気をつくっている。

重厚感のあるカウンター。棚を飾るボトルやグラスがクリスタルな明かりを演出する。
重厚感のあるカウンター。棚を飾るボトルやグラスがクリスタルな明かりを演出する。

ワインはヨーロッパ産を中心に常時100種類以上のボトルワインを揃えているが、近年注目されているニューワールド(新世界)ワインにも力を入れている。ニューワールドワインとは、フランス、イタリア、スペインなど歴史のあるワイン生産国ではなく、アメリカ、チリ、オーストラリア、ニュージーランド、そして日本など、歴史が新しい生産国のワインのこと。また、化学肥料などを使わず無農薬でブドウを育て、ワイン製造時にも酸化防止剤などを使わないナチュラルワインなどもあり、品揃えはバラエティに富む。

グラスワインが17種類以上用意されているというのも「あれこれ飲みたい」「ボトルでは飲みきれない」という人にはうれしい。また、通常、グラスワインは100ccで提供されるが、50ccづつ別のグラスに分けて提供してもらうこともできるので、二人でシェアしながら飲み比べを楽しめる。

店の奥のテーブル席はグループ利用に最適。1席なので予約が望ましい。
店の奥のテーブル席はグループ利用に最適。1席なので予約が望ましい。

ワインはソムリエと相談して選ぼう

「常に気を配っていないと、数カ月経つと味が変わってしまう」と、管理の難しさを話す店長の小林さん。
「常に気を配っていないと、数カ月経つと味が変わってしまう」と、管理の難しさを話す店長の小林さん。

「ワインは水を使っていないのでアルコールの質が非常にいいんです。香りもワインによって違いますし、生産された畑、その年の気候によっても変わります。だから同じものが二度とできないのです。永遠に探究できる酒ですね」。店長であり、ソムリエでもある小林俊介さんのワイン愛は熱い。

この店では、ワインの好みをソムリエに伝え、相談しながらワインを選ぶといい。ワインが決まれば、ワインとの相性を考えた料理をすすめてくれるだろう。

ソムリエと相談しながらワインを選ぶのもワインバーの楽しみの一つ。チャージ500円。
ソムリエと相談しながらワインを選ぶのもワインバーの楽しみの一つ。チャージ500円。

この日、選んでくれたグラスワインは、写真左から、野生酵母で造った香りがキレイでしっかりした味わいのオルナックフレール プティシラー(赤)1000円、通常のカヴァ(スペイン産のスパークリングワイン)より熟成が長くきめ細かく味わい深いボイーガス ブリュット レゼルバ(スパークリング)900円、ノンフィルターでしっかり濁った旨みたっぷりのオレンジワイン、ピットナウアー マッシュピット(オレンジ)1400円。

ワインに合わせたソムリエが作る自家製料理も自慢の一つ

軽いオードブルのようなものから、しっかりした料理まで、料理も幅広く用意している。
軽いオードブルのようなものから、しっかりした料理まで、料理も幅広く用意している。

ワインに合わせた自家製料理も本格的だ。ソムリエの資格を持つフレンチ料理人の作る料理や厳選したチーズ、さらにハム、ソーセージ、テリーヌなどのシャルキュトリー(肉の加工品)なども楽しめる。

厚切りロースハムのグリル ~気まぐれ野菜のソース~1300円と、7種類以上揃う厳選したチーズからワインに合わせてソムリエが選んだおまかせチーズ3種盛り合わせ1600円。

酒よし、料理よし、雰囲気よし。とっておきの時間が過ごせそうな予感がする。

『Wine bar LOOPY』店舗詳細

住所:東京都大田区蒲田5-18-3 太陽ビル4F/営業時間:18:00~翌3:00/定休日:日/アクセス:JR・私鉄蒲田駅から徒歩3分

取材・文・撮影=塙 広明