クロスバイクのサイズ

いわゆるママチャリや子ども自転車等では、24~27インチといったタイヤの大きさで自転車のサイズが区分されますが、クロスバイクを含むスポーツサイクルでは、フレームの大きさでサイズ分けがされています。

上記は世界最大の自転車メーカー、ジャイアントのクロスバイク「エスケープ R3」のHP掲載されているスペックになります。SIZEの項目に「370(XXS),430(XS),465(S),500(M)mm」と書いてあるのが確認できると思います。
()内のXXS~Mはメーカーが推奨する対応身長の目安です。そして、その左側に表記される●●●㎜という数値がフレームのサイズです。この数値はフレームのシートチューブの長さを表しています。

クロスバイクのフレーム各部のサイズ名称

A:シートチューブ長
B:シートアングル
C:トップチューブ長
D:ヘッドチューブ長
E:ヘッドアングル
F:ホイールベース
G:リアセンター長
H:ボトムブラケットドロップ
I:スタンドオーバーハイト
J:フレームリーチ

どの部分のデータを参考にしたらよいか

まずは上記画像の「A」の部分、シートチューブ長に注目です。
一般的に、スポーツ自転車はここの数値を基準にフレームサイズが設定されています。ただし、モデルごとにフレームの形状が異なるため、このシートチューブの長さが同じでも、サドルの高さやハンドルの位置などはそれぞれ微妙に違います。
ある自転車ではフレームサイズ500㎜がぴったりだったけれど、ある他の自転車ではフレームサイズ520㎜がぴったりだった、そういう事もありえます。
カタログなどに記載されているフレームサイズはあくまで目安であり、身長●●●㎝だからフレームサイズ●●●㎜と一概には言い切れないのです。

フレームの形状に左右されず、フレームサイズを見極めるには、ヘッド部分とシートチューブの延長線上を水平に結んだ距離。上の図の「C」にあたる部分の値(トップチューブ長)を参考にするといいでしょう。正しい乗車姿勢をとった状態で、ここの数値を計測しておけば、形状が異なるフレームの自転車でも適切なサイズを見つけやすくなります。

ただし、注意が必要なのはメーカーによって用意されるフレームサイズの種類はまちまちだということです。最大サイズから最小サイズまで小刻みにラインナップするメーカーもあれば、全部で2~3種類しか用意していないメーカーもあります。

ロングライドするならなおさら ショップで実車にまたがって確かめることが大切

165~175㎝(男性の場合)といった平均的な体格の人であれば、自分に合ったサイズが見つからないことはまずありませんが、身長が平均よりも極端に低い、あるいは高い人は少し注意が必要です。カタログやWEBサイトで適応身長を確認のうえ、ショップに出向いて実車にまたがってみましょう。

カタログやWEBサイトでぴったりのサイズがないからと言って、気に入ったデザインのクロスバイクをあきらめてしまわなくても、まだ道はあります。
スポーツサイクルは、サドルやステム(ハンドルバーと車体をつなぐ部品)を調整・または交換することで、乗車姿勢を微調整できるようになってるのです。

初心者のうちは、経験豊富なスタッフがいるショップで、実車にまたがりながらサドルの適切な高さなどを教えてもらうことをおすすめしますよ。

文=佐藤旅宇 写真=佐藤七海(編集部)