「魚を飲んでみませんか?」がコンセプト
エビや鯛を使ったラーメンで知られる青梅市『らーめん いつ樹』をはじめ、素材にこだわった超個性的なラーメンを展開する五ノ神製作所。「本来は捨てられてしまう食材(副産物)に付加価値を付けてラーメンにする」ということ心がけているという。この『鮮魚らーめん 五ノ神水産』は、鮮魚系を前面に押し出したラーメンが人気で、「魚を飲んでみませんか?」がコンセプトになっている。
インパクトがある銀ダラで作る風味の強いスープ
スープに使用する魚介といえば、かつお節や煮干しといった乾物だが、この店では銀ダラで作っている。店長の石井功二郞さんに聞くと「インパクトがある、新しいものを素材にしたスープを考えたところ銀ダラに行き着きました」と話してくれた。身や血合いが付いた銀ダラの骨のほか、焼いた中骨などを長時間煮込んだスープは、濃厚な銀ダラの風味と香ばしさがあり、今までに出合ったことのない味わいを生む。
石井さんは「魚の風味が強いため、万人受けするとは思いませんが、ファンも多く、はまってくれているようです」と話す。
銀ダラの西京焼きを飲んでいるような感覚
今回は銀だら西京味噌つけ麺900円を食べてみる。つけ汁は濃厚な見た目で、香りはまさに銀ダラの西京焼き! 飲んでみると、見た目に違わず銀ダラの風味、西京味噌の甘さと優しいコクが広がる濃厚な味わい。やや固めの太麺につけ汁がまとわりつき、一体になった味わいを感じられる。濃厚であるがために飽きてしまいそうだが、麺の上には三つ葉や大根、ガリがあるので、薬味として食べ進められる。つけ汁に入っているひと口サイズの鶏チャーシューも秀逸だ。
記憶に残る味わいの限定メニューも魅力的
旬の魚介類を使ったラーメンが定期的に登場する。サンマやブリ、シャケのほか、貝類や甲殻類など、実にさまざま。「どんな素材を使ったとしても、インパクトや素材感などを重要視して、記憶に残る味わいを意識しています」と石井さん。
毎月29日は「肉の日限定メニュー」も好評。牛・豚・鶏はもちろん、ジビエ系の肉を使ったラーメンもぜひ食べてみたい。
取材・文・撮影=速志淳