タブレット純

歌手・芸人

幼少時よりAMラジオを通じて古い歌謡曲に目覚め、思春期は中古レコードを蒐集しながら愛聴、研究に没頭する日々を送る。ラジオ日本『タブレット純 音楽の黄金時代』レギュラー出演中。週刊新潮「タブレット純 昭和歌謡 残響伝」連載中。

「風に吹かれて行こう」やまがたすみこ

やまがたさん16才のデビュー曲は、小6のときに作ったとか。懐かしく澄んだ牧歌的な風が、心を溶かしてくれます。

「回り道~今日は遅くなってもいいの」和田弘とマヒナスターズ

ぼくが小6の時に好きだった曲ですが、回り道の尊さは自分が恋愛した時に初めてわかった気がしました。

「星屑の町」三橋美智也

両手を回して……は汽車ぽっぽ? 指笛鳴らして……は汽笛でしょうか? なんだかいいなぁというこの感じこそ、歌謡曲であり、散歩のすべて。

「ロマンス」ガロ

川に沿った道のきらめき。何気ない風景のひとコマが、いつまでも心に残ることがあります。散歩はさりげない宝探しでもあるのかと。

「海の底でうたう唄」モコ・ビーバー・オリーブ

深海に漂う海月。夜道の散歩もまた、生きることと同じく、目的を持ったら最後、散歩ではなくなります。

「落葉の物語」ザ・タイガース

長い坂道の、落葉の丘に住むあの人。でもこの主人公は、その人にはもう会えず、憧れを落葉にそよがせて、歩みを散らせているだけのような……。

「涙のあとに微笑みを」ザ・テンプターズ

雨あがりの散歩道、露草の匂い……。止まない雨はない。散歩が教えてくれることの大事な一つかと。

「歩くのが好き」ザ・ポエッツ

歌声喫茶で出会ったという二人の青年による、たった一枚のシングル、そのB面曲。散歩道に見つけた、自分だけの優しい裏道。

「歩きつづけて」長谷川きよし

水銀灯に照らされた、この世の外へとつながる夜道。つないだ手の温もりだけが、生きていることのすべて。

「オーブル街」ザ・フォーク・クルセダーズ

伝説のバンド・シャッグスのメンバーによる有名曲のカバー。この曲のカバーってたくさん出ていますが、この人のバージョンがいちばん好きです。泣いちゃう。

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タブレット純の「散歩と音楽」とは?

Q.1 散歩はしますか?

はい、よくします。

Q.2 散歩をするのはどんなときですか?

ほとんど家にいないので、ふらふらしているのがそれならば、年がら年中散歩している気がいたします。

Q.3 好きな街や道はありますか?

知らない町を歩いてみたい(「遠くへ行きたい」)……知らない町に広がる道はみんな好きかも……。

Q.4 プレイリストのコンセプトを教えてください!

現実逃避をやんわり演出して、悲しみをカラフルにぼかしてくれるような、ぼくにとってそんな唄たちです。

初めての土地を散歩し、銭湯に立ち寄ることもしばしば。
初めての土地を散歩し、銭湯に立ち寄ることもしばしば。

構成=さんたつ編集部
『散歩の達人』2025年10月号より

物腰柔らかなキャラクターと、美しい低音の歌声とのギャップが魅力的なタブレット純さん。5歳から成人になるまで過ごしたという相模原市の旧・津久井町(現・緑区)を歩いて思い出を語ってもらった。聴こえてきたのはどんな哀歌か。『散歩の達人』2024年11月号掲載のインタビューに「【番外編】オフショットルポ」を加えた、Web限定ロングバージョンです!
音楽好きは散歩好き。……ということで、各ジャンルで活躍中の音楽の“達人”たちに、「散歩」のイメージにぴったりの楽曲をセレクトしてもらいました。いつもと違う音楽さんぽを楽しみましょう♪今回はRHYMESTER・宇多丸さんの散歩プレイリスト「『大人の迷子』新宿副都心編」をご紹介します。
月刊『散歩の達人』2025年10月号(特集:散歩は音楽)の企画「 散歩プレイリスト作ってもらいました!」にて、各ジャンルで活躍中の音楽の“達人”たちに、「散歩」のイメージにぴったりの楽曲をセレクトしてもらいました。連動企画として、『散歩の達人』・『さんたつ』編集部のメンバーが作成した散歩プレイリストをお届けします! プレイリストタイトル+作成者に続けて、セレクトした10の楽曲とその紹介文、最後にプレイリストのコンセプトについて掲載しています。季節の移り変わりを感じながら、主人公気分で、気長な散歩を楽しむ……テーマやコンセプトはさまざま。みなさんなら、どんなプレイリストにしますか?