決め手は、画素・不自由・アスペクト比
中古の軽自動車1台くらいは余裕で買えそうな、このカメラをなぜ “即決”で買ったかといえば、決め手は1億画素というどこをどうクロップしても大丈夫そうな安心感と、レンズが変更できないという「不自由さ」、そして何より【アスペクト比をダイヤルで変更できる】ことでした。
まずこのカメラの特徴は、1億2百万画素であること。それ以前に使っていたFUJIFILM【GFX50R】は約5140万画素なので、同じ中判デジタルでも、ほぼ2倍。レンズ交換ができないコンデジの世界では、最高画素数なのではないかと勝手に思っています(真相はいかに)。
画素数が高いと何がいいのかというと、適当に広角で撮影しても後からクロップできること。画素数が高い方が、より狭い範囲をクロップしても、荒れないのです。
この画像の一部をクロップしたもの↓
また、最小F4のボケないところ・そしてレンズ交換ができない不自由さも、私にはブッ刺さりました。レンズ交換ができないカメラの方が、迷いが生まれなくていい。私は特に、カメラやレンズにはとことんお金を出してしまうお財布ゆるゆる人間なので、レンズ沼という沼にどっぷりハマっちゃう沼小僧なんです。
さらに、困ったらすぐボケに甘える自分の写真に心底飽き飽きしていた頃だったので、ボケないF4は完全にストライクゾーン。
この2つに加えて、さらに私の心を打ち抜いたのが、アスペクト比がダイヤルで変更できるということ。カメラの背面ダイヤルに、アスペクト比を変更できるダイヤルがあるんですよ。
実は私、ずっとフィルムカメラを使っていて、愛機であるRolleiflexの6×6の比率をはじめ、Makina67などの6×7の比率、それから懐かしのパノラマサイズなど、好きなアスペクト比がありまして……! その各アスペクト比が、ダイヤルで変えられるという機能は、まさに奇跡! 後から編集することもあったんですけど、やっぱり撮影時に設定したいじゃありませんか!!
写真は本当にアスペクト比で印象が変わると、思うんですよね。
6×6のアスペクト比・作例
6×6は断片的な切り取り方だったり、絵みたいな切り取り方が合うんですよね。好きだなあ。
6×7のアスペクト比・作例
一番好きかも? な6×7。正方形よりちょっとワイドなんだけど、正方形的かわいさもある、絶妙なアスペクト比。
パノラマのアスペクト比・作例
横に広いのもいいですよねえ。シネマティックな雰囲気になります。フィルム時代はパノラマでプリントするのが流行った時代もありましたよね。その時代を少し覚えているからか、とても懐かしく感じます。
もっと研究して、どんな切り取り方が合うのか、GFX100RF とともに深めていきたい。
余談ですが結構寄れるのでポートレートも普通に申し分ありません。めちゃいい感じに撮れます。
使ってみた感想は、本当に最高です〜!
特に撮影を仕事としているわけではないので、そう考えると私には高すぎるカメラだなとは思いますが……でも、心から買って良かったと思う! よく見切り発車で後悔する私だけど、今回ばかりは後悔しないです!
レンズの㎜数も含めて、自分には合ってるな〜と思える1台に巡り会えた気がします。高いけれど、おすすめ〜!
取材・文・撮影=camell編集部





