サウナ、ビール、ハイキングなど、いろいろな要素を組み合わせて特別な1日を

案内川沿いに立つ白い建物の2階にある。
案内川沿いに立つ白い建物の2階にある。

サウナは3階の「山 yama」と2階の「麓 fumoto」に分かれ、「fukurou」「musasabi」など高尾に住む動物の名前がついたサウナルームが全4種。森の闇をイメージしたシックな空間や、窓から山々の景色を楽しめるバレルサウナなど多彩だ。どれもフィンランドのサウナブランドHarviaのヒーターを備え、2階には水温・水深の異なる2種類の水風呂や温浴の浴槽も用意。ハイキング帰りの利用だけでなく、ここを目的に高尾まで足を運ぶサウナーもいるというのも納得の仕様だ。

3階テラスには露天風呂とバレルサウナが。
3階テラスには露天風呂とバレルサウナが。
2階のととのいスペース。
2階のととのいスペース。
ヒーター2台を備えるサウナルーム「musasabi」。
ヒーター2台を備えるサウナルーム「musasabi」。

現在は3階が女性用、2階が男性用だが、両方利用してみたいという声もあることから、入れ替え制にすることも検討しているという。

「サウナは男性専用の施設も多いのですが、ここは女性にも優しいというのもポイントです」と店長の小俣茉央さん。サウナは時間制だが、「ととのう時間を大切にしてほしい」と女性は30分延長無料だ。洗面所には最新式のドライヤーを用意するなど、細やかな配慮も光る。

さっぱりリフレッシュできたら、ラウンジで“サ飯”を味わおう。新たな高尾山名物を目指す看板メニューの釜飯は、体を動かしたり汗をかいたりした後の体が喜ぶ大満足の一品。また、同じ建物の1階に醸造所とタップルームがある『CRAFT BREWING』のクラフトビールも注文可能。フィッシュアンドチップスなど、ビールに合うおつまみがそろっているのもうれしい。

ラウンジで飲食のみの利用もOK。
ラウンジで飲食のみの利用もOK。
鮭いくらの山麓釜飯2420円。
鮭いくらの山麓釜飯2420円。

「サウナ、ビール、ハイキングなど、いろんな要素を組み合わせて特別な1日を過ごしてもらえたら」と小俣さん。高尾山の楽しみ方が、またひとつ増えたようだ。

住所:東京都八王子市高尾町2292/営業時間:サウナは11:00~19:00最終受付・食事は11:00~20:15LO/定休日:休業日はSNS等で告知/アクセス:京王電鉄高尾線高尾山口駅から徒歩3分

取材・文・撮影=中村こより
『散歩の達人』2025年9月号より

いにしえから信仰を集めてきた霊山であり、都心からすぐの大自然かつハイキングスポット、そしてミシュランガイドにも載った観光地。いくつもの側面があり、それぞれの目的でやってきた老若男女がごちゃまぜになって山道(参道)を歩く場所。複雑で、特異で、興味深い、その場所の名を高尾山という。この山が一体どんなところなのか、多面的な特徴をひとつひとつおさらいしながら、魅力をひもといてみたい。