店舗フロアは『グラスロック』の2階と3階にあり、「知の森 –Forest of knowledge–」と名付けられた2階はジャンルを超えて過去、現在、未来をたどれる選書。問いが書かれた栞を片手に書棚を巡る「問い散歩」なる仕掛けもある。「面白そうだと感じるテーマに出合い、掘り出していくのが楽しい棚だと思います。本のセレクトショップのようなイメージですね」とは、店長の渡辺泰弘さん。
最も特徴的なのが、3階にある時間制の有料ラウンジ「magmalounge」だ。半個室のデスクのような〈FOCUS〉と思考を緩和する〈CALM〉の2エリアに分かれ、双方を自由に行き来することが可能。本から得たひらめきをもとに、集中・緩和のサイクルで創造性を引き出せるという設計なのだ。読書するもよし、仕事するもよし。心身を緩めてリラックスできる空間があることで、あらゆる思考や作業の一助になりそうだ。
当初は近隣のビジネスワーカーによる利用を主に想定していたというが、ギャラリーも併設し、周囲には飲食店も充実しているとあって週末もにぎわっているという。近年著しい進化を遂げてきた虎ノ門で、熱い知のマグマがふつふつとたぎり始めている。
取材・文・撮影=中村こより
『散歩の達人』2025年6月号より