PENTAX17の主な機能・スペック
- レンズ:25mm(35mm判換算値37mm相当) F3.5(固定)
- フォーカス:オートフォーカス(BOKEHモードあり)
- フィルム:35mmフィルム(ハーフサイズ撮影)
- シャッタースピード:1/350秒〜4秒
- フラッシュ:内蔵(ON/OFF可能)
- 電源:3Vリチウム電池(CR2)
- サイズ:コンパクトで持ち運びやすいデザイン
手のひらサイズで、どこへでも一緒に
PENTAX17はとにかく小さくて軽い。バッグに忍ばせても邪魔にならないし、ストラップをつけて首から下げれば、いつでも撮りたい瞬間を逃さずにシャッターを切れる。お散歩フォトやカフェ巡り、旅先のスナップにぴったりのサイズ感。
フラッシュ内蔵で表現の幅が広がる
このカメラの好きなところは、フラッシュが内蔵されているところ。暗い場所や逆光でも、フラッシュを使えばしっかり撮影できるし、夜のストリートスナップや、ベタっとした硬い光をあえて使いたい室内撮影時にも◎。あと雪とか雨の日にもいいですよね。
ハーフサイズだからフィルムのコスパが良い
ハーフサイズフィルムの魅力は、1本のフィルムで撮れる枚数が通常の2倍になること。たくさん撮れるから、フィルムのコストを気にせず思いっきりシャッターを切れる。これはフィルム価格が爆上がりした今、とてもありがたいポイントです。フィルム初心者さんにも、たっぷり撮りたい人にもうれしいポイント。
ピント合わせはAUTO、BOKEHモードは少し難しい
PENTAX17のピント合わせはちょっと厄介。一眼カメラのように半押ししてピピっと合わせるオートフォーカスがない。リングを回して被写体との距離を選択して撮影するスタイル(=ゾーンフォーカス)。ファインダーの中にはピントが合っているかどうか、表示も出ないので、仕上がってみないとわからない怖さがある。
撮影モードはAUTO・P・夜・BOKEH・Bの5つ。
AUTOモードは、ゾーンフォーカスに関係なくピントが固定されているので、基本的にはピント合わせを気にせずサクッと撮れる。ただ、被写体から1m以上離れて撮影しなければいけないので、距離が近い被写体にはピントが合ってくれないのと、背景はボケないのが注意点。
AUTOモードはピントのダイヤル(ゾーンフォーカス)をどこに合わせてても関係なく、ピントが固定されている。一方で「P」モードはゾーンフォーカスが有効になる。なので1m未満の被写体にピントを合わせたい時には「P」モードを使う。さらに背景をぼかしたいときに使うBOKEHモードもあるけど、これはちょっとコツが必要で……。ピントの合う範囲がシビアなので、うまく生かすには練習が必要かも。とはいえ、一眼レフほどのボケ感が出るわけではないので、シンプルにパンフォーカスを生かしたスナップ撮影がこのカメラの真骨頂な気がしている。
仕上がりはザラッとしたフィルムらしさが残る
撮った写真を見てみると、思ったよりもノイズ感があるかも。でも、それがフィルムの味。スマホやデジタルのクリアな写りとは違って、その時の空気や雰囲気まで一緒に残るのがPENTAX17の魅力。ふんわりレトロな雰囲気や、どこか懐かしい空気感が好きな人にはたまらないはず。
PENTAX17のレビューまとめ
私の感想だと、PENTAX17は「『写ルンです』と、一眼フィルムカメラの間くらい」なポジション。「写ルンです」の、あのチープな雰囲気が好きな人には結構合うと思うし、一眼カメラの美しいボケ感が好きな人には向いていないかも。あるいは、世界の「動」を撮影する(たとえば動いている人とか、街の一瞬の表情とか、友達との楽しい時間とか、瞬発的に撮影する)場合は合っているかも。でも、静かに、丁寧に人や物を撮るのには合わないかも? という感想です。
・良いところ
- コンパクトで持ち運びやすい
- フラッシュ内蔵で撮影の幅が広がる
- ハーフサイズだからフィルムのコスパ◎
- フィルムならではの質感や雰囲気が楽しめる
・気になるところ
- AUTOフォーカスなのでピント調整が難しい場面も
- BOKEHモードはシビアで、思ったようなボケ感が出にくい
- ボケ感は一眼カメラの美しさのようなボケではない
私は旅行に行く時、普段からフィルムカメラを気軽に持ち歩きたい時、家族や友達との時間を残したいときに使っていこうかなと思っています。
PENTAX17その他の作例
取材・文・撮影=camell編集部