ピエール瀧

1967年、静岡県出身。1989年に、石野卓球らと電気グルーヴを結成。音楽活動の他、俳優、声優、タレント、ゲームプロデュース、映像制作などマルチに活動を行う。
近著は『ピエール瀧の23区23時 2020-2022』(産業編集センター)。

乗り換えもある「こども列車」

ここ、すげぇ広いね。あそこに「こども列車」ってあるけど、あれに乗ったら入り口から端まで行けるの?

—— 途中、一回乗り換えてから端っこまで行きますね。

乗り換えがあんの!? めっちゃ広いじゃん! 列車が遊具ではなく、ちゃんと立派なインフラになってる(笑)。なるほど、入園自体は無料だけど、こども列車に乗るのは有料ってことね。ちょうど列車が来たから、早速乗ってみよう。ここは箱根感あるなあ。山を切り崩して作った感じっていうかさ。お、動いた!

ちゃんと途中に踏み切りもあるし、小学生が遠足できたら楽しいだろうね。テンション爆上がりだと思うわ。おじさんが単独で乗るものじゃないけど(笑)。

—— 実際、今日いくつかの学校が遠足で来てるみたいです。

ちょうどいいもんね。でもこの記事を読んでくれる人たちへの助言としては、やっぱ山なんで全体的に湿ってますし、ちょっと涼しい温度ですよ、っていうことかな。小田原駅から車で10分くらいなんだけどね。あ、子供たちが手を振ってくれている(笑)。結構遊具も揃ってるし、自転車の練習場とかいろいろあるんだ。しっかりした公園なんだね。で、冒険の丘駅に到着か。すごい、ちゃんと駅っぽい。うわー、そして違う列車が来た! ここで乗り換えるんだね。すぐ出るみたいだからとりあえずもう乗っちゃおう。小田急から箱根登山鉄道に乗り換えてる感じ。乗り換えスムーズ。これは反対側の出入り口まで行くの?

—— そうですね。ただこっちの列車は途中で降りられるところもあるみたいなんで、小田原城アドベンチャーってところの手前で降りてみましょうか。

OK。ここで降りるのか。運転ありがとうございました! いやーしかし、乗り換えってあんまりないよね。列車を走らせる、くらいはやってる公園ありそうだけど。そんでもうキッズがさ、そこかしこでめっちゃ楽しそうに遊んでるじゃんか。

—— あの谷が緑のゲレンデです。ダンボールとか、公園事務所で販売してたソリで芝ソリ滑りができます。

これはなかなかの急傾斜じゃない。いや、俺はやんないよ(笑)。なんか怪我しそうだもん。実家の近所の土手で、正月に土手滑りやることあるけど、規模はこの半分ぐらいなもんだよ。傾斜はこんなもんかもしんないけど、ここは距離が長い。高さも結構ある。

—— ではここはスルーして(笑)、小田原城アドベンチャーに向かいましょう。

攻めあがった先に広がるSASUKE的な絶景

うわー、これいいね!! 小田原城アドベンチャー。西洋風のお城とかは割と見かけるけどさ、ちゃんと和風の白っぽい飾りが付いてる遊具ってあんまりなくない? 「ほんものの小田原城をお手本にしたこどものためのあそびの城です。天守閣めざして攻めあがろう!」だって。攻めていいんだ(笑)。

—— 本丸御殿とか、天守閣とか、お城の構造もしっかり描かれてますね。

そうだよね。それじゃあ遠慮なく攻め上がってみよう。歴史上では、一応無血開城だったじゃんね。秀吉が一夜で城を作って威嚇してさ。ルートは「童」「武」「忍」の三つがあんのか。これはわんぱくだなあ。やっぱり「忍」かな。うわ、これは駄目だ、キツくて行けないルートだった(笑)

途中に本丸御殿の説明とかも全部書いてある。「江戸時代の小田原城には天守閣の前に本丸御殿がありました。本丸御殿は、将軍が京都などに行くときに宿泊するために作られたものです。しかし1703年に起きた元禄地震で壊れ、以後は作られませんでした。小田原城の殿様は二の丸御殿で生活をしていました」なるほどね……じゃあ、天守閣に攻め登ろうか。

—— これで、お城は陥落ですね!

だね。そして眺めは最高にいいわ! この遊具は上から見るとほぼパルクールっていうかSASUKEだね。タイムアタックしたら面白そう。これさ、複合遊具の中では過去最大じゃない? 冗談じゃなく、100人ぐらい同時に遊べると思うけどな。未確認だけど、関東随一の可能性高くない? 俺の中では少なくとも過去イチだよ。あと単純に小田原市の小田原城への愛が伝わる。小田原城を子供の頃から体感してもらおうぜっていう。子供にとっての真の小田原城はこっちだよ!

—— では来た道を戻りながら、他の遊具も見ていきましょうか。あの階段を上った丘の上、「ターザン広場」という名前の広場があって、いろいろ遊具があるみたいです。

あ、あれローラー滑り台だ! またケツが熱くなるかもしれないけど、一応滑っておこうかな。じゃあ下でカメラ構えておいて。うわ、速い速い速い速い!

謎にスピードがめっちゃ出たわ(笑)。あとはどんなアトラクションがあんの?

—— 「わんぱく橋」っていう橋がもう少し行くとありますね。

これか。これは、なかなかにわんぱくが過ぎる感じがする(笑)。でも思ったより作りはしっかりしてる。真ん中まで来るとちょっと揺れるな、それに結構な高さだわ。高いのが駄目な人はちょっと無理かもね。いやー、ここの施設はいいわ。食べるものは、途中にあった自販機でパンとか一応売ってたしね。

—— フードトラックの出店とかもあるみたいですね。

それなら、土日とかの人出が多くて必要な時には来ても大丈夫そうだわ。しかし、これで無料なんだね。電車に乗らなければ全然料金かからないわけだし。1日遊んだら子供クタクタになるよね、きっと。遊具も申し分ないぐらいあるし、面白い公園だったなー。本当にわんぱくな子が、ここでのびのび遊びそう!

こどもの森公園わんぱくらんど

わんぱく度 ★★★★★
小田原城Love度 ★★★★★
電車インフラ度 ★★★★

水飲み場:あり  トイレ:あり
自販機:あり  灰皿:なし

住所:神奈川県小田原市久野4377-1/営業時間:9:00~16:30/定休日:月・祝翌日の平日(月が祝の場合は開園)/アクセス:JR・私鉄小田原駅から「いこいの森」行き箱根登山バス約10分の終点下車すぐ

構成=カルロス矢吹 撮影=横井明彦
『散歩の達人』2025年2月号より

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