名古屋城『西の丸御蔵城宝館』

まず紹介するのは名古屋城である!

いや、名古屋城は熱いじゃろうと思うたそこのお主。

正解である。

名古屋はな、元々気温が高くなりやすいうえに海からの風で湿度も高くてな。

日ノ本でも有数の暑き所。

確かに名古屋城はなかなか暑いのじゃが、城内の各所に確(しか)と涼める場所があるのじゃ!

土産どころや飯どころは勿論であるが、こたび紹介致すのはここ、『西の丸御蔵城宝館』である!

ここはかつて名古屋城にあった米蔵を再現した建物で、名古屋城が所蔵する文化財を保管・展示する施設である!

皆は名古屋城が持つ重要文化財の数は知っておるか?

名古屋城には三つの門と三つの櫓が現存しておるで計六つ、と思う者もおるじゃろう。

それのみではない……!!

普段は大切に保管されておる本丸御殿に使われておった障壁画や天井・襖・障子が多数、重要文化財に指定されておるのだ!

その数なんと1047点。

とてつもない数であろう。

この他にも掛軸や手紙、衣や武器など実に多くのものを所蔵しておって、それが見られるのがこの『城宝館』というわけじゃな。

常設されておるものに加えて、入れ替わりで企画展や特別展が催されておる。

令和6年の夏、行われておるのは名古屋城振興協会所蔵品展『武具・甲冑』。

その名の通り刀や鉄砲といった武具と甲冑が多く集った展示となっておる。

籠の中にいながら使うことを想定して作られた李満弓(りまんきゅう)は他の場所では中々みることができぬ珍(めずら)かなるものじゃ!!
籠の中にいながら使うことを想定して作られた李満弓(りまんきゅう)は他の場所では中々みることができぬ珍(めずら)かなるものじゃ!!
現世でも鞄として人気が出そうな装飾の鉄砲の玉薬の入れ物。
現世でも鞄として人気が出そうな装飾の鉄砲の玉薬の入れ物。
火事が起きた折に着る装束なぞもあったぞ!
火事が起きた折に着る装束なぞもあったぞ!

この他にも江戸時代に日ノ本に持ち込まれたとされる空気圧で玉を打ち出す銃や、様々な掛け軸や書状、合戦の布陣図もある。

徳川家の城故に徳川殿ゆかりのものが多くあって、興味深いものばかりであった。

この展示は夏休みの子供たちへ向け、自由研究の題材となるようにわかりやすく解説もなされておるでな、まだ宿題が終わっておらぬ童たちよ。

名古屋城の『城宝館』に駆け込むのも一つの手であろう。この展示は9月9日まで。もうまもなく終いとなるで、赴くものは早めに参るがよかろう。

して、『城宝館』に訪れた折には城内を回遊しておる我らを見つけて、共に映し絵を撮ることも忘れるでないぞ!

突如現れる謎の球体!『名古屋市科学館』

次に紹介致すのは名古屋の街を歩いておると突如現れる謎の球体こと、『名古屋市科学館』である。

名古屋で涼しいといえばここじゃな!

『名古屋市科学館』は皆が普段あたり前に享受しておる科学について詳しく、楽しく学べる場所である。

現世の科学技術はもちろん、地球の歴史や生命のひみつなんかも学ぶことができて実に様々な知識を得られる場所じゃ!

恐竜の復元標本や、現世で使われる技術を楽しく身近に体験できる展示、そして9ⅿの人工竜巻を見ることも叶う。
恐竜の復元標本や、現世で使われる技術を楽しく身近に体験できる展示、そして9ⅿの人工竜巻を見ることも叶う。

中でも人気なのはマイナス30度の世界を体験できる「極寒ラボ」と、世界最大級で学芸員殿による生の解説で季節によって様々な話を聞ける「プラネタリウム」である。

どちらも大人気で「極寒ラボ」は整理券が必要故、まず整理券を入手した後に他の展示を見に行くが良い!

「プラネタリウム」は事前に“おんらいん”で買い求めることも叶うでそれが勧めである!売り切れることもあるので要注意じゃ!

して、『科学館』の魅力はもう一つ。

定期的に行われておる特別展じゃ!

それぞれに題目が決められて様々な展示をみることができるのじゃが。

此度催されておるのは特別展『毒』である!

毒というものは恐ろしいものとして忌避されるが、我らの生活において誠なくてはならぬもの、だそうなんじゃ。

毒を持つ生物や、毒と人間の関わり、いつから毒を活用しておったのかなど幅広く毒についての解説がなされておる。

実に面白き催してであったでな、皆にも足を運んでほしい。

この特別展は令和6年9月23日まで、『城宝館』の展示と合わせて足を運ぶも良いであろう。

終いに

此度は名古屋の観光地紹介をいたしたが如何であったか!

この「さんたつ」にあつらえ向きな話を久方ぶりに記して参ったわな。

此度紹介した場所は共に名古屋の市街地から近く実に行きやすい。

そして確と観光を楽しんだ後にはなごやめしを楽しんでいくが良い!

わしが先に記したなごやめし紹介もきっと役に立つであろう。

皆々、息災であるか。前田又左衛門利家である。夏のさなか、休暇中に名古屋に参る者も多くあろう。して、皆が名古屋旅行をするならば何を一番の楽しみとする?ちと考えてみてほしい。日本最大級の城郭、名古屋城。日本一大きな水槽とシャチやイワシのトルネードが見られる『名古屋港水族館』。日本一の飼育種類数を誇り、世界に名が広まっておるイケメンゴリラ、シャバーニ殿を擁する『東山動植物園』。世界最大級のプラネタリウムがギネスなる百科事典に登録され、大人から子供まで楽しめる『名古屋市科学館』。他にもたくさんの観光地があって、日本一の称号を冠する場所もたくさんあるのじゃ。観光地が少ないとも言われる名古屋じゃが、実はそんなことはない。 じゃが!やはり、名古屋に来るいちばんの楽しみは、なごやめし、ではなかろうか! 名古屋といえばなごやめし。普段名古屋城にて多くの観光に来た者たちをもてなしておると、なごやめしが一番の目的と申す者たちが多くおる。日ノ本の民は食が好きじゃからな!名古屋に限らず、旅といえば食を楽しむものであると考えておる者も多かろう。儂もこの連載にて様々な話を記してきたが、実はあまり触れていなかったでな、此度はなごやめしを皆に確と紹介いたそうではないか!! 儂も足を運んだで、写し絵とともに紹介するぞ!

取材・文・撮影=前田利家(名古屋おもてなし武将隊)