モダンで清潔感があり、女性も入りやすいラーメン店
市川駅南口を出たタワーズイーストの向かい側にお店はある。黒壁に赤がアクセントのスタイリッシュな外観が目印だ。
店の前には椅子が6脚。7人目以降で待つ人は、歩道の車道側に並んで待っている。平日のランチタイムはもちろん、土日はオープン前から20人以上の長蛇の列になることもあるそうだ。
店内は、カウンター席が10席のみだ。席の間隔は広く、接客も丁寧で、女性が一人で入っても居心地が良い。
学生やサラリーマン、家族連れやシニアなどと年齢層は幅広く、7~8割がリピーターだ。
店内に入ったら、券売機でメニューを選ぶ。定番メニューは、味噌ら~麺、胡麻味噌麺、納豆入りの辛鬼味噌麺、汁無し担々麺の味噌系の四種類と正油ら~麺がある。
限定メニューは、平日の味噌ら~麺、土曜の濃厚煮干し味噌ら~麺、日曜の特濃海老味噌麺があり、週替わりで展開している。
こだわりの素材を使用しているが、値段は1000円前後とリーズナブルだ。
今日は一番人気のあけどや味噌ら~麺1100円をいただくことにした。
濃厚な味噌ラーメンはゆず生姜で味変を!
あけどや味噌ら~麺は、トッピングがたくさんのっているのが特徴。海苔、味玉、炒め野菜に岩中豚のひき肉が入り、ネギ、コーン、チャーシューとボリュームたっぷり。
味噌の風味に野菜の甘さが重なり、箸が進む。
味噌スープはまろやかな口当たりだ。仙台味噌、秋田味噌、西京味噌などの5種の味噌と野菜や果物も入った味噌ダレに、隠し味はマスカルポーネ。濃厚でクリーミーな味噌スープは、やみつきになりそう。
スープがよく絡んだ中太のちぢれ麺は、食べ応え十分だ。
トッピング直前にバーナーで炙る自家製チャーシューは、香ばしく、ホロホロっととろける。
5~6時間じっくり煮込んだ味玉は、味がしっかり染みていて、とろ~りと黄身が流れてくる絶妙な半熟加減。黄身が溶けだしたスープも甘みが増して旨い。
濃厚な味噌スープを堪能したら、別皿のゆず生姜をスープに混ぜて、味の変化を楽しんでほしい。
味噌スープにキリッとしたゆず生姜が加わると爽やかな味になり、最後の一滴までスープを堪能できる。
ごま好きなら見逃せない胡麻味噌麺
胡麻味噌麺850円は、ごま好きな方にぜひ食べてほしい一品だ。一口目は、口の中にごまの風味が広がり抜群のインパクトがある。
マー湯がかかった風味が豊かな味噌スープは、辛味の少ない担々麺のようだ。
極太な自家製メンマはしっかりと味が染みていてコリコリと良い食感。刻んだ大葉が入ったネギはシャキシャキとしていて、アクセントが効いている。
胡麻味噌麺は女性からの注文が多いそうだ。テーブルの上のごますり機で、さらにごまを追加するのもおすすめだ。
常連客の心を掴み続ける限定メニュー
店主の夏目亘さんは、『ラーメンパンケ』(八千代市)や、『拉麺阿修羅』(船橋市)などで修業し、『拉麺阿修羅 颯』の店長を経て、2013年6月に『ら~麺あけどや』を開業。修業したお店の経験をもとに、独自メニューを考案している。
店名を考えたのは、当時2歳の娘さん。オープンする前、店名がなかなか決まらず悩んでいる時に、「どんな名前がいい?」と娘さんに聞くと「あけどや」と即答。笑って聞き流したけど、その言葉がなかなか頭から離れなくなったという。意味のない言葉を、さまざまな顔を持つ店ととらえ、全ての味に手を抜かず「あけどやは何を食べてもおいしいよね」と言ってもらえるようにしたいという願いを込めて命名したそうだ。
オープン当初から続く期間限定メニューの開発には、力を入れていて、歴代の限定メニューは200種を超えているそうだ。例年登場する夏のビシソワーズ風麺や、冬の渡り蟹を丸ごと使ったトマト麺は、遠方から通うお客さんの姿も。定番メニュー、限定メニューともに、細部にまでこだわりオリジナルティにあふれていて、何を食べてもおいしい。
「お客さんに喜んでほしい」、それが夏目さんのメニュー開発の原動力だ。
取材・文・撮影=濱田美枝