山陽堂書店[表参道]

長年紡いできた信頼があたたかい「街の本屋」

螺旋階段のある印象的な構造。2階がギャラリーで3階は喫茶(不定期)。
螺旋階段のある印象的な構造。2階がギャラリーで3階は喫茶(不定期)。

代々家族で営む創業130年以上の老舗。1964年東京五輪のための道路拡張に伴い3分の1に削った建物で、限られたスペースだからこそ本のセレクトが興味深い。「何年前の本でもいいと思うものは置くようにしています」と林 美和子さん。お客さんの声をきっかけに本を仕入れたり、会話をもとにその人に合いそうな本をおすすめしたりすることも。ギャラリー展示や読書会・朗読会も開催する。

書店員のおすすめ

『ロマンスの辞典』(遊泳舎)

『悪魔の辞典』(遊泳舎)

「どちらも言葉をテーマに沿って再定義する辞典で、ジャケ買いする方も」(『山陽堂書店』の萬納優子さん、林さん)

『伊丹十三の台所』(つるとはな)

「食や物へのこだわりが詰まっていて、料理を作りたくなる1冊です」

『山陽堂書店』店舗詳細

住所:東京都港区北青山3-5-22/営業時間:11:00~19:00(土~17:00)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄各線表参道駅から徒歩1分

SPBS TORANOMON[虎ノ門]

綿密に編まれた棚で、視野が広がり興味も膨らむ

グッドデザイン賞を受賞した店内空間は、棚のデザインも個性的。
グッドデザイン賞を受賞した店内空間は、棚のデザインも個性的。

本と編集の総合企業が2020年にオープンしたこの店は、ビジネスパーソンに向けて“編集された”本屋。ジャンルごとではなく文脈を意識した配置に予想を裏切られることも多々、背表紙を目で追うだけで冒険のようだ。選書担当・杉本侑依さんの「好きなものにピンポイントでたどりつくのではなく、新しい興味に出会ってほしい」という狙い通り、目移りしたり発見したりする時間を満喫できる。

書店員のおすすめ

『Q&A Diary My 5 Years』(海と月社)

「質問に答える形式なので、日記を書く習慣がない方にもおすすめ。」(『SPBS TORANOMON』の杉本さん、田村結衣さん)

『新版 スヌーピーの 大好きって手をつないで歩くこと』 (主婦の友社)

「名著の新版。どこから開いて読んでもOK」

+SPBS TOKYO オリジナルハンドタオル

「雑貨もたくさんあります!」

『SPBS TORANOMON』店舗詳細

住所:東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー2F/営業時間:11:00~20:00(土・日・祝は~19:00)/定休日:不定/アクセス:地下鉄銀座線虎ノ門駅から徒歩8分

取材・文=中村こより 撮影=鈴木愛子
『散歩の達人』2023年12月号より