カウンターに立つのは、中田 絢(なかだ あや)さん。これまで町屋のバー、『ペンザンス』をはじめ都内各所でバーテンダーとして経験を積んできました。
数ある『3F』の魅力の一つは、プロの手によるさまざまなお酒を堪能できること。その日の気分にあわせて、1日を締めくくるための1杯に出合えます。
今や家飲みの定番となったハイボールも、バーテンダーによって異なる味わいに仕上がるもの。ウィスキーの比率や炭酸水の注ぎ方、温度管理など、作り方によって違いを楽しめる飲み方です。
また、季節のフルーツを使ったカクテルのほか、野菜や果物に漬け込んだお酒も提供しています。
1日の終りにバーテンダーの手によるおいしいお酒とともに人と語らい、自分と向き合う。
『3F』でしか味わえない、あなたの時間が楽しめます。
席によって表情が変わる店内
座る席によって雰囲気が変わるのも、『3F』の持ち味。窓際の席からは電車の往来を眺めることができます。
この席に座り、駅を眺めながら1日の疲れを癒やす常連客もいるとのこと。
廃墟をイメージしたという店内でひときわ目を引くのが、壁一面に描かれたペインティング。
自由で力強い筆致が印象的な作品です。
全面に描かれた赤い三角と、それを覆うように重ねられた水色、ピンク、黒などの曲線。
近づいてみると、ディティールに無邪気さや遊び心を感じられます。
絵は床にまで広がり、壁一面には収まりきらないアーティストの創造力が伝わってくるようです。
温かみと解放感が同居する、作品のルーツ
町屋で飲み歩いている人は、もしかしたらこの作風に見覚えがあるかもしれません。
『3F』は町屋バル『三角屋』の2号店で、『三角屋』の店内に描かれている作品と『3F』の壁画は同じアーティストによるものです。
作品を手掛けたアーティストは新倉孝雄さん(写真左)。
『三角屋』、『3F』のオーナーである湯原隼人さん(写真右)と旧知の仲の孝雄さんは、アーティスト活動をしながら駒沢公園そばの『喫茶nico』を営んでいます。この写真は『喫茶nico』25周年パーティーでの1枚。
なぜ筆者がこんな写真を撮れたかというと……信じられないような偶然なのですが、筆者は大学在学中に『喫茶nico』でアルバイトをしており、OBとしてパーティーに参加していました。
常連でにぎわうお店でありながら、初めてでも温かく受け入れてくれる。それでいて店内では解放感を味わえる。
店内に描かれたこれらの作品は、『三角屋』と『3F』 に共通する魅力を表しているように思います。
<店舗情報>
- 店名:Dining&Bar 3F
- Instagram: @diningbar3f
- 営業時間:19:00〜翌日5:00
- 定休日:なし
- 住所:〒116-0002 東京都荒川区荒川7丁目22−5 宝ビル 3階
- 電話番号:03-5604-9969
取材・文・撮影=荒川102