なぜフィルムカメラで撮る子供写真は難しいのか
私が使っているConta ariaはピント合わせがマニュアルフォーカスです。だから、「ピントを合わせるのが超大変」なんです。子供は動くし、じっとしてもくれないしでピンボケしてしまうことが多いです。
f値を高く設定してピントが合う領域を広げればいいのですが、「どうしてもf1.4で撮りたい」という謎のこだわりで（笑）10枚撮ってピントが合っているのはよくて半分くらいかなあ……。
オートフォーカスのフィルムカメラなら難しくない
フィルムカメラによっては、オートフォーカス機能が備わっているものもあります。私が持っているものだと、Canon EOS 1vという機種はそれが付いているので、ピントで失敗することはほとんどありません。
え、じゃあそれ使えよ….…。
という声が聞こえてきそうですが、やっぱり私はContax Ariaで撮りたいんです……。というのもCanon EOS 1vはまずとても大きくて重たいので、手首が痛い（笑）。そして何よりこのContax Ariaに装着しているCarl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4というレンズが名レンズで、すごくいい描写をするんです。
これまでNikon new fm2やFUJIFILM KLASSEなどなど何台もの35mmフィルムカメラを買ってきましたが、Contax AriaとCarl Zeiss PlanarT* 50mm F1.4の組み合わせが私的にはベストなんです。
デジタルではなくフィルムで撮影する理由
私が子供の写真をフィルムで撮りたいと思うようになったのは、デジタルでは感じられなかった「1枚1枚への思い入れ」を自分自身が感じるようになり、何気ない1枚の写真をとても大切に思うようになったからです。
デジタルだとたくさん撮るので、失敗もしないのですが「1枚」に対する思い入れはなんか薄くなってしまうんですよね……。
フィルムカメラだと、枚数をたくさん撮影すると「お金がかかる」ので（笑）同じ場所や同じシーンで複数枚撮影することはほとんどありません。なので、１回のシャッターに気持ちを込めます。だからか、シャッターを押したときの気持ちとかちゃんと覚えていて、出来上がった写真を見るとうれしい気持ちになります。
ピントが合っていないとちょっと悲しいのですが、いえ、ちょっとどころではなくかなり悲しいのですが….…（笑）、まあそれも思い出かな、と思っています。
映える場所なんて行かなくてもいい
子供を撮影するにあたって、最初は「映える場所とかで撮ったほうがいいのかなあ」と思っていろいろフォトスポットに行って撮影していたのですが、そういう写真は “人に見せるために撮りました感” を感じてしまって、インスタにアップするならいいかもしれないけど “思い出” としてはどうなんだろうと思うようになりました。それよりも写真を意識しない、純粋で何気ない時間を「ついで」に撮影するほうが、見返したときにすごく大切な瞬間を残せたような感覚があって、こういう写真を撮りたいなと思いました。
見返すと子供は寝癖だったり、顔になんかついていたりしますがね（笑）
ただ、そういうのが「私と子供の本当の日々」なのだろうと思います。
写真を人に見せるのが普通のことになっている今ですが、ちゃんと残したほうがいいものは、そういう「本当の姿」で、それは子供だけじゃなく友達とか家族とかも同じかなあ。
何気ない「本当の日々」を撮るために、これからもカメラを続けたいと改めて思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました！
取材・文・撮影＝カメラガールズ編集部
