ラスボス感MAX!仙台大観音【宮城】
仙台市北部、小高い丘陵地になっている界隈にそれはそびえ立っています。真っ白くどっしりした体躯の巨像「仙台大観音」です。
住宅地の中に佇むその姿は、現実とは思えないようなSF世界のラスボス感が満点。
その高さはなんと100m!日本では牛久大仏の次に大きな巨大仏です。
1988年から約2年もの時間を費やして作られ、100mという高さは1989年に仙台市が市政100周年を迎えたことにちなんでいます。
さらに、地下は21mまで掘られており、こちらは来るべき21世紀の繁栄を願っての深さ。
観音菩薩はあらゆる人々の願いを叶えるため、千手観音など33の姿に変身します。仙台大観音も、変身パターンの一つで、白衣(びゃくえ)観音という姿。
胎内(仏像の内部)には、螺旋階段とエレベーターが設置され登ることもでき、上層部からは仙台市の景色を一望できます。
さらに、胎内には100以上の仏像が並んでおり、じっくりと拝観することも可能。
外からも中からも仏教の世界を表現する仙台大観音、オススメです!
ウルトラマンとほぼ同じサイズ!南蔵院涅槃像【福岡】
京都や奈良への旅行計画を立てる際「京都 仏像」などと検索すると、歴史深い仏像が検索結果として並びます。一方で「福岡 仏像」と検索すると、最初に出てくるのが、福岡県篠栗市の南蔵院にある「釈迦涅槃像」です。
1995年の造立で、全長41m・高さ11mというサイズはブロンズ製の涅槃像として世界最大とされています。
涅槃像とはお釈迦様が亡くなった時の姿。人間は生きている限り欲求が湧いてきますが、亡くなってしまえばその欲求も消えます。
仏教はそうした煩悩から離れることを目指しているので、死は悲しい出来事でもありながら、悟りを得る瞬間とも捉えられているのです。
また、こちらの巨大仏の魅力は大きさだけではなく、はなはだしいご利益も!
実はこの像が完成した翌月、こちらのお寺の住職は宝くじで当選し、1億3000万円を手にしています!
それにあやかって、当選祈願に訪れる人も多いのだとか。
サイズもご利益もビッグな巨大仏、訪れてみてはいかがでしょうか?
電車から見えるあのお姿!大船観音【神奈川】
JR東海道線で大船駅あたりを通る際、線路脇の小高い山の中腹に、巨大な仏像の頭を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
それが「大船観音」です。珍しいのは、立っているわけでも座っているわけでもない、胸像であること。
初めは、超巨大な立像を作る計画だったそうですが、立地が不安定だったため断念し胸から上の姿になりました。
とはいえ、大船観音を前にして「胸から下がこの地中に埋まっている」という空想を膨らませてみると、とてもドキドキできます!
作ったのは、歌舞伎座の修復やザ・ビートルズが宿泊したことで有名な東京ヒルトンホテルの建築を手がけた吉田五十八氏。
そんな名うての建築家が関わり、今や大船のシンボルでもあるこの像ですが、建立までに様々な苦難がありました。
着工は1929年。しかし完成したのはなんと30年以上も経過した1960年でした。
その期間、世界恐慌による資金不足や太平洋戦争での人出や資材不足が続き、何度も工事がストップ。
それでも消えない観音像建立の情熱があって、現在もこうして大船の街を見守ってくれているのです。
海を見下ろす高台に!東京湾観音【千葉】
千葉県富津市、内房から東京湾を見下ろす高台に、真白な観音像が立っています。
立地と像の大きさによって、数㎞離れた場所からでもその姿を確認することができ、知らずに遠くから見ると「あれはなんだ!」という驚きになるでしょう。
こちら「東京湾観音」は、1961年に建立された高さ56mを誇る巨像。
第二次世界大戦中、材木商の男性が、人々の幸せが失われていく様子を目の当たりにし自宅も罹災したことから、世界平和を願って建立することを決意しました。
背後に回ってみると、無数の穴が空いていることがわかります。
これはのぞき窓。内部は324段の螺旋階段で登れるようになっており、それぞれの高さから外を覗くことができます。
また観音像の、腕や頭部からは外に出られるようになっており、大パノラマを一望することができます!
ただし、金網だけで保護され海風が吹く場所なので、高所恐怖症でない人でもエキサイティング以上恐怖未満のような感情に襲われることでしょう。
さらに、昨今でこの東京湾観音が静かな話題にもなっています。人気急上昇のグループ「新しい学校のリーダーズ」の曲「マ人間」のMVがこちらで撮影されたもの。
グループのファンでなくとも、東京湾観音の魅力にドキドキすることができるでしょう。
これがガチの浄土演出!牛久大仏【茨城】
日本一有名な巨大仏といえば茨城県の牛久大仏。ここであえて書く必要もないほど、メディアでもおなじみです。
そこで今回は、牛久大仏の特別な日についてご紹介しましょう。
それは、大晦日から三が日にかけて行われる修正会(しゅうしょうえ)と、8月にお盆の追善法要にあたる万燈会(まんとうえ)です。
この年に2回だけ、牛久大仏がライトアップされ普段の拝観では決して見られない姿を見ることができるのです!
ライトアップによって、高さ120mの牛久大仏が赤から黄色、黄色から青など七色に変化し、両脇のサーチライトとレーザー光線が夜の闇に光のラインを天空まで伸ばします。
この様子を大晦日に目の当たりにした私は「ガチで浄土じゃん」と思わず独り言をこぼしてしまいました。
さらには、ライトアップだけでなく巨大仏の横に、花火まで打ち上がります。目だけでなく、音でも楽しませてくれる世界観は、他では絶対に味わえないもの。
なお、花火は個人でも1発4000円で奉納することができ、打ち上げ前に奉納者の名前も読み上げてもらえるので、参加気分グッと盛り上げるには最高です!
見た目のインパクトだけで見るものを引きつける巨大仏。エンタメや観光としての入り口でも、ここから仏教の教えに触れたり、仏像の魅力や歴史に興味を持ってくださる人が増えれば幸いです。
写真・文=Mr.tsubaking