『ザ・キャピトルホテル 東急』はビートルズが泊まったホテルとして知られる。けれど当時は「東京ヒルトンホテル」と呼ばれていて、今とは名前も違う。そして建物も建て替えられているので、ビートルズが武道館ライブのために訪れた1966年とは趣も異なっている。

「東京ヒルトンホテル」は、日本初の外資系ホテルとして1963年に誕生。1966年6月29日、羽田空港に降り立ったビートルズ4人はこちらに移動し、会見を開いた。(写真は2003年ごろの外観)
「東京ヒルトンホテル」は、日本初の外資系ホテルとして1963年に誕生。1966年6月29日、羽田空港に降り立ったビートルズ4人はこちらに移動し、会見を開いた。(写真は2003年ごろの外観)

それでも、ビートルズを思い出させてくれるものがある。まずは、一階宴会場のロビーの壁に注目。かつての建物の宴会場「真珠の間」の壁を再現したもので「Memorial Wall(メモリアルウォール)」という名前がついている。「真珠の間」はビ−トルズが記者会見を行った、あの場所! ビートルズファンは興奮すること確実だ。

「お写真を撮りに来るファンの方もいらっしゃいます」と、マーケティング/広報担当の川邊美紗さんは話してくれる。

当時にしてもモダンだったろう幾何学模様は、今見ても美しいアート。ここで当時に思いを馳せると、ジーンとくる。
当時にしてもモダンだったろう幾何学模様は、今見ても美しいアート。ここで当時に思いを馳せると、ジーンとくる。

ほかにもビートルズにちなんだ場所があると川邊さんが紹介してくれたのが、「ザ・キャピトル バー」だ。こちらには、ビートルズが滞在した「プレジデンシャルスイート」に置かれていた壺が今も飾られていて、当時の雰囲気を味わうことができる。

ビートルズ以外にもこのホテルを数多くの有名人が訪れている。バーの中には海外セレブたちの写真も飾られている。さすが名門ホテルのバー。
ビートルズ以外にもこのホテルを数多くの有名人が訪れている。バーの中には海外セレブたちの写真も飾られている。さすが名門ホテルのバー。
ビートルズが部屋で和やかに過ごしている写真の中には、この壺が写っているものもある。ビートルズ4人の姿を知る、貴重な品だ。
ビートルズが部屋で和やかに過ごしている写真の中には、この壺が写っているものもある。ビートルズ4人の姿を知る、貴重な品だ。
当時のプレジデンシャルスイート。
当時のプレジデンシャルスイート。

「都心にありながらも豊かな緑に囲まれた空間で、ゆったりとおくつろぎいただけます。ぜひビートルズファンの方にも足を運んでいただきたいです」と川邊さん。名前や建物が変わっても、このホテルのおもてなしの心とゆったり流れる上質な時間は、ビートルズが訪れた当時と何ら変わっていない。

取材・文・撮影=半澤則吉 写真提供=ザ・キャピトルホテル 東急

住所:東京都千代田区永田町2-10-3/営業時間:ザ・キャピトル バーは16:00〜24:00(23:30LO)/アクセス:地下鉄国会議事堂前駅・溜池山王駅直結
職業=ポール・マッカートニー 永沼忠明 × 『THE BEATLES 10』パーソナリティー カンケデビューから60年近く、いくつもの世代にわたって愛されてきたビートルズ。その魅力は今も色褪せないが、聴き方には変化もあるようだ。長年ファンと関わってきた2人が語る、“東京×ビートルズ”の軌跡。3月24日発売の散歩の達人POCKET『東京ビートルズ地図』に掲載している対談から、その一部をお届けします。
世界中のビートルズ・ファンがロンドンに着いたらまずアビーロードに向かうように、日本のビートルズ・ファンが東京に着いたらまず足を運ばなければならないのが、六本木の交差点から少し離れた路地に店を構えるライブハウス『ABBEY ROAD』だ。*2020年5月に移転。掲載内容は移転前(2019年8月取材当時)のものです。