店内にはボードゲームがズラリと並ぶ
店内は木の温もりを感じられる造り。手作り感満載で、カジュアルで気軽に入れる雰囲気がある。
まず目を引くのは入口付近に大量にあるボードゲーム。元々は普通の飲食店だったが、しばらくしてからオーナーの友人が持っていたボードゲームを置いていたという。「食事の合間に楽しんでもらえたら」という気持ちで始めたというが、現在は500種以上の世界のボードゲームが並ぶ。
これだけ数があるとどれが自分に合うのか迷ってしまいそうだが、店長の高田さん曰く「ボードゲームになじみがない人も多いかと思いますが、スタッフに“こういったボードゲームで遊びたい”と伝えていただければ、こちらで選ばせていただきます」といことなので安心だ。
ボードゲームは30分は無料で遊ぶことがでるのだが、本格的に遊びたいのならば30分250円、フリータイム8時間2000円(ワンドリンク制)、さらにはアルコール飲み放題2000円なども用意されている。
人気はゴボウの味と香りがするオムライス
看板メニューのオムライスは月替わりを含めて全6種類。なかでも、ごぼうポタージュオムライス870円は、『中野の逸品グランプリ2013』の食いしんぼ部門で第1位を受賞して以来の人気メニュー。『中野区認定観光資源』にも選ばれている。
オムライスにたっぷりとかかったややブラウンのソースは、ゴボウと牛乳、バターなどで作っている。一口食べてみるとゴボウの味と香りが広がり、その後にポタージュのクリーミーさを感じられる。ゴボウがメインの料理というのはあまり思いつかないが、しっかりとゴボウが主役といえるほどのインパクトだ。
フワッとしたオムレツに包まれているのはバターライス。コショウがしっかりと効いているので、ゴボウのポタージュの濃厚さにアクセントを与えていて食が進む。
付け合わせのゴボウの素揚げをはじめとした野菜もいい組み合わせになっている。
「開店の2011年当時はオムレツで包むタイプが少なかったので、昔ながらのオムライスを再現しました。店名の『kurumari』の由来はオムライスを“くるむ”からきています」高田さん。
ほどよい酸味と旨みが広がる赤ワイン煮
イタリアンを中心とした多彩な創作料理もおいしいと評判。
牛すじの赤ワイン煮込み790円は、常連さんにも人気のメニュー。約12時間じっくりと煮込むが、アキレス腱とメンブレン(横隔膜)の2種類を時間差で煮込んでいるので、トロトロとしたアキレス腱と柔らかなメンブレンの2つの食感を楽しめる。
ワインをはじめ、数々の野菜を煮込んでいるため、やや酸味があるソースに野菜の旨みが加わり、コクとうまみがあふれ出す。これはお酒ともピッタリだ。
高田さんは「時間と手間がかかるので、元々は月替りで出していたオムライスでしたが、好評のためレギュラーメニューにしました。裏メニューでオムライスにもできますので、一声かけて下さい」と笑いながら話す。
食事のみでもボードゲームだけでもOK
「食事だけでも、ボードゲームだけでもどちらでも結構です。カップルやグループなどでボードゲームで遊べば自然と会話が盛り上がるので、交流の場としても楽しんでいただけると思います。お一人で来店してもほかのグループと相席してボードゲームで遊ぶこともできますよ」と高田さん。
楽しいボードゲームとおいしい創作料理……。2つの柱がしっかりとしているので、地域の人たちに支持されるのだろう。
取材・文・撮影=速志 淳 構成=アド・グリーン