マンションが立ち並ぶニュータウンのスーパー銭湯
千葉県北西部の白井市、船橋市、印西市の3市にまたがる千葉ニュータウン。千葉ニュータウン中央駅は文字通りその中心部に位置し、周辺には大型商業施設が目立つ。駅前ロータリーを抜け、マンションが立ち並ぶ通りを行けば、スーパーマーケットの先に『真名井の湯 千葉ニュータウン店』が現れる。
灯籠を設置した入り口や瓦屋根をのせた建物は和の雰囲気を漂わせる。オープンは2004年12月。すで18年余の歴史をもつので街の顔としても定着し、常連客が大半を占める。駐車場が広いので広域からも訪れているようだ。
アトラクションバスを備えたあつ湯とぬる湯の交互浴
まずは内湯へ。露天側の窓が大きく取られ、天井が高いので開放感がある。大きな浴槽は2つに仕切られ、バイブラバスを備えたあつ湯とジェットバスを備えたぬる湯というシンプルな造り。ここではあつ湯とぬる湯の交互浴を楽しもう。
内湯に併設する遠赤外線タワーサウナは約90℃。5段あり定員は25名。たっぷり汗をかいたら水風呂へ。壁に備長炭を埋め込んだ備長炭水風呂で水温は16~17℃。備長炭の効果だろうか、水の感触が肌にやさしい。露天エリアにはベンチが置かれているので、サウナの後のととのい場所として利用するといい。
広々とした庭園風露天風呂で温泉を楽しむ
お楽しみの温泉は露天エリアの風呂で堪能できる。下総(しもうさ)温泉と名付けられた源泉は地下1500mから湧出するナトリウム-塩化物強塩温泉。源泉温度36.2℃pH7.6の弱アルカリ性泉だ。塩分が毛穴をふさいで汗の蒸発を防ぐため保温力が高く、湯冷めしにくいことから「熱の湯」ともいわれる。神経痛、関節痛、慢性婦人病、疲労回復などの効果を求めて訪れる客も多いという。
露天エリアは植栽を施した庭園風の造り。周辺に高層マンションが林立するため目隠しの塀に囲まれているが、首都圏トップクラスの広さをもつため圧迫感はない。温泉は源泉かけ流し風呂をはじめ、大露天風呂や大岩風呂、壺湯、2つの浴槽が並んだ親子壺湯など5つの風呂で楽しむことができる。
露天エリアには人気の高濃度炭酸泉もある。ぬる湯なのでテレビを観ながらゆっくりと長湯を楽しもう。季節の風も心地よく、植え込みの緑にも癒やされ、心からくつろいだ気分にさせてくれる。ベンチなどを利用し、ひと休みしながら温泉風呂と合わせてハシゴ湯を楽しみたい。
付帯施設も充実したニュータウンの癒やし処
湯上りのひと時をのんびり過ごすなら畳タイプ座敷の「食事処 秋桜亭(こすもすてい)」へ。和洋中さまざまな料理をそろえるが、「おすすめは天ぷらそばです」と教えてくれたのは副支配人の内山典昭さん。「喉越しのよさと、香ばしい天ぷらを味わってほしい」と話していた。
韓国式アカスリやカットサロン、ヘアサロン、マッサージなどの付帯施設も充実している。「風呂だけでなく、食事やマッサージ、ヘアカットなどさまざまなサービスを受けながら1日過ごされるお客様もいらっしゃいます」と内山さんが話されるように固定客も多い。こんなところにも街に溶け込んだ施設であることがうかがえる。
千葉ニュータウンの癒やし処としてかけがえのない存在になっている『真名井の湯 千葉ニュータウン店』。休日にはバリエーション豊かな風呂を楽しみに訪れる家族連れでにぎわっている。
取材・文=塙 広明、写真=真名井の湯 千葉ニュータウン店