まるで高級旅館のような趣の入り口に期待がふくらむ
『熊谷天然温泉 花湯スパリゾート』は、東京ドームの半分ほどに相当する約2万4000㎡という敷地面積を誇る埼玉県最大級の日帰り温泉施設。国道17号熊谷バイパス沿いにあり、大きな駐車場の奥に日本家屋風の建物が立つ。施設の周囲は緑に囲まれ、門にのれんを下げた入り口は高級旅館のようなたたずまいだ。
入館時に風呂利用のみの「入浴コース」か、風呂・岩盤浴・温活cafeが利用できる「温活cafeネストコース」のいずれかを選ぶ。ここは岩盤浴エリアが人気なので、ぜひ、「温活cafeネストコース」を体験してみよう。
左側にテラス、右側に食事処や寝ころび処、エステサロンなどに挟まれた長い廊下の先にリネンカウンターがあり、「温活cafeネストコース」利用の場合は、ここでタオルセット、館内着、大判タオルの一式を受け取る。脱衣所も広く、パウダールームにはドライヤーが8台ほど備えられ、基礎化粧品などのアメニティもひと通りそろっているので手ぶらでも心配ない。
埼玉県では最大量の温泉を使用した温泉浴槽は100%かけ流し
自慢の温泉は地下1500mから湧き出る自家源泉の単純温泉。源泉温度は約40℃あり、ほんのり漂う硫黄臭と黄褐色の湯が特徴。埼玉県が定めている温泉保護のための楊湯規制の最大量である毎分300ℓの温泉を使用し、温泉浴槽にはすべてかけ流しで使用している。
浴室の広さや風呂の種類は男女ほぼ同じ。内風呂は源泉100%かけ流しのあつ湯(加温あり)、高濃度人工炭酸泉、ジェットバス・電気風呂、水風呂の4種類。すべての風呂から庭と露天風呂が望め、広さを感じるとともに開放感がある。
内風呂に併設するタワーサウナは、男女いずれも90~100℃前後に設定した高温ドライサウナ。女性用には壁にサンゴを塗りこんだミストサウナの珊瑚蒸サウナもある。サウナというと閉鎖的な空間のところが多いが、ここではどのサウナにも庭園を望む窓があるのが特徴だ。
日本庭園を歩きながら湯巡りを楽しむ七湯露天回廊
広大な露天エリアは「七湯露天回廊」と名付けられ、木々が茂り小川が流れる庭園の中に7つの露天風呂が点在し、石畳や木製の回廊でつながっている。四季を感じる庭園の美しさを楽しみながら素足で歩く回廊が心地よい。
注目は「生源泉かけ流し 渓流の湯」。ヒノキの浴槽に地下1500mから湧き出た源泉が空気に触れずそのまま浴槽に入る、加水・加温・循環なしの文字どおり“生”の温泉だ。湧出時には40℃前後だが浴槽に注がれるときには37~39℃のぬる湯になる。黄褐色の温泉からは硫黄臭も感じられ、ヒノキ造りの風呂の風情とあいまって温泉情緒も満喫できる。
「渓流の湯」に隣接する壺湯もかけ流し(加温)。信楽焼きの壺風呂に身を沈めるとザザーッと音を立てて温泉があふれ出す。この風呂を独り占めにできるのだから、なんとも贅沢な気分だ。
一番大きな浴槽は夕張石で組んだ大岩風呂。日本庭園のど真ん中で入浴しているような趣があり、滝の音を間近に聞く野趣あふれる風呂だ。浴槽は2つに分かれており、大きいほうは井戸水の沸かし湯、小さいほうは源泉かけ流し(加温あり)。床に御影石の岩盤を敷いた寝湯はぬる湯の源泉をかけ流しているため、火照った身体のクールダウンに利用する人が多い。背中を流れる温泉が気持ちよく、つい眠りに誘われてしまいそう。
このほかは白湯となるが、微細な気泡がたっぷり含まれた湯が、まるで絹のように肌を優しく包み込むシルク風呂、岩を用いた背もたれと肘掛けに座り半身浴を楽しめる座湯などがある。
とにかく広い露天エリア。植栽や造形が美しい日本庭園の中で源泉かけ流しの風呂に身を沈めれば、温泉旅館で入浴している気分になる。温泉ファンには見逃せない施設といえるだろう。
岩盤浴とさまざまな休憩スペースがある温活cafeネストでまったり過ごす
この店で推奨している「温活cafeネスト」は、その名の通り平均体温をあげる「温活」をテーマにしたエリア。平均体温を上げることで免疫機能の働きや血流を良くし、病気や体のトラブルを回避することができるほか、老化抑制効果や美肌効果もあるという。温活cafeネスト650円(土・日・祝・特定日は750円)。
「温活cafeネスト」のメイン施設が8種類の岩盤浴。富士溶岩洞とヒマラヤ岩塩洞、薬宝洞、灼熱洞は男女共浴、七宝石洞は女性専用、低温ネスト洞は1階がカップルシート、2階が女性専用となっている。岩盤や温度によって効果が異なるので、じっくり時間をかけて楽しむといい。
ぜひ体験してほしいのが灼熱洞で行われる熱波ロウリュウだ。熱した富士溶岩にアロマ水をかけて蒸気を発散させ、スタッフがあおいで一人ひとりに熱波を送る。直接熱波を浴びるからすぐに汗が噴き出し、全身が汗でびっしょりになる。この爽快感は一度体験するとクセになる。12時・17時(土・日曜・祝日は12時・14時30分・17時)。
火照った身体は、低温の部屋にリクライニング式ベッドを並べた岩盤転座房や、室温5~6℃に設定されたオーロラクールダウン洞でクールダウンしよう。温冷を交互に行うことで温活も活発になり、身体の芯からリフレッシュできる。
ひと休みするなら熱帯性植物のウォーターヒヤシンスで編んだソファやベッドなどを置いた巣ごもりソファラウンジやハンギングチェアを置いた巣ごもりテラスへ。リラックスルームには66台のテレビ付きリクライニングチェアがあり、1万5000冊のコミック・雑誌・書籍を備えるコ-ナーや、電動マッサージチェアを設置したコーナー、コーヒーや紅茶などが飲めるコーナーなどもあり休憩場所もお好みで選べる。フリーWi-Fiも備えているので、スマホを持ち込んで自分だけの時間を過ごすのもいい。
和洋の食事処も大人の休日を満足させる本格的な料理で迎える
食事処はうどん・和食・居酒屋の『いろはのゐ』と、洋食・パンケーキ・カフェ&バーの『カフェ プルミエール』の2軒あり、いずれも専門店がテナントで入っているので料理内容もかなり本格的。食事だけの利用で訪れる人がいるのも、飲食施設の質の高さを裏付けるものといえる。
手もみ処(マッサージ)、アカスリ、ヘアーサロン、エステの「たかの友梨 BEAUTY CLINIC」などリラクゼーションの施設も整い、大人の休日を過ごすアイテムが勢ぞろいしている。
「2017年4月にオープンした、埼玉県最大級のかけ流し天然温泉です。源泉に浸かって日頃の疲れを癒やし、温活でデトックスしてください。レストランやカフェ、リラクゼーションも充実しているので一日いても飽きません。埼玉県北の地で、旅行気分とプチ贅沢な一日をお過ごしください」と支配人の岡村直樹さんが話す。
温泉と岩盤浴で温活をし、食事やお休み処、リラクゼーションで英気を養う。岡村支配人が話すように、『熊谷天然温泉 花湯スパリゾート』でプチ贅沢な一日を過ごせば、心身ともにリフレッシュできること請け合いだ。
取材・文=塙 広明、写真=熊谷天然温泉 花湯スパリゾート