「全てをハイにする」とは??
「全てをハイにする」は、自粛期間中の“買い出し”を楽しむために思いついた遊びだ。「何に焼酎を入れると美味しいか」を考えながら、スーパーやコンビニへ行き、オリジナルの「〇〇ハイ」を作る。この遊びによって少し視点を変えるだけで、いつもの売り場が輝いて見え、どこへ行くのも立派な散歩。身も心もハイになれるのだ。
「全てをハイにする」の基本ルールは以下。
ルール①焼酎に入れたら美味しそうなもので割って飲んでみる
ルール②食べ物を粗末にしない
さくらマークがあればいい!リアル桜をよそにゴクゴク
芋焼酎「さくら白波」は、薩摩酒造の看板商品でもある「さつま白波」の兄弟分。前回、「神の河ハイボール」を記事にしたご縁で春のご挨拶として、うちに届いた。
今回はさくらマークが真ん中にあしらわれた、「さくら白波」の720mlボトルと「さくら白波」をベースに優しい甘さと炭酸を加えたリキュール「さくら白波 スパークリング」でお花見をはじめる。
芋焼酎「さくら白波」は、南薩摩で採れたさつまいもを原料に、日本酒などでも使用される黄麹で仕込んでいる。薩摩の芋焼酎と聞くと、ガツンと芋くさい香りや味わいを想像しがちだが、軽やかで優しい飲み口。すっきりとしたキレがあり、後味にほんのりと甘みを感じる。
そのままチビリとやってもおいしくて、花冷えの時期はお湯割かなぁ?と、もはや〇〇ハイを作ることから離れて、妄想が膨らむ。
続いて、「さくら白波 スパークリング」。こちらは「さくら白波」がベースのスパークリングドリンクで、もう“ハイになっている”と言っても過言ではない。
飲んでみた正直な感想は「あ、もっと甘いと思っていた」だった。これはポジティブな意味で、これまでトライした日本酒や焼酎がベースのスパークリングドリンクは、私には甘すぎる時があったのだ。このすっきり感を求めていたのかも。
瑠璃色のボトルを添えれば、グラスに注いだだけで写真映え。「さくら白波」も「さくら白波 スパークリング」もド真ん中に桜のロゴが入っていて、もはやボトルを眺めるだけで花見だ。散りはじめた桜をよそに、食卓の上にドカッとさくら白波が花ひらく。この時期になると切なさを感じる私だが、これで桜が散っても花見ができる。酒が飲める。サンキュー。
芋焼酎お湯割と春の味
完全なる言い訳だが、本当は桜の塩漬けハイをやりたかったのだ。でも売っていなかった。取材ついでに寄った新宿の百貨店も、赤羽のイトーヨーカドーも、阿佐ヶ谷の商店街にも。百貨店のお姉さんに「売り切れで、次回入荷未定なんです〜」と告げられ、季節の早さを感じた。かわりに、筍の煮つけと長芋の桜漬けを購入した。
芋焼酎のお湯割りを飲むときって、芋の香りがする蒸気がふんわり顔に当たって、なんだかホッとする。筍の香りや醤油の風味に重ねるようにして飲むと、やさしい旨味が重なりあって、春を感じる。長芋の桜漬けもほんのり桜の香りがして、喜びがふつふつと湧いてくる美味しさ。手に持っているのはお湯割りだが、間違いなく私はハイになっている。グイグイ進む。
桜の和菓子で酒を飲む
桜の塩漬けが買えなかったのを挽回しようとして、ちょっと桜の和菓子を買った。合わせるのはすっきりした味わいの茶葉を使った緑茶割り。事情を知らない人がみると、春のおやつタイムだ。
「さくら白波」と桜餅とさくらまんじゅうで、どうだ桜満開!桜の香りと塩味が緑茶割りによく合い、花見っぽくてほろ酔いのテンションになる。
デザート仕様のいちごハイ
締めのデザートに、すでにハイになっている「さくら白波 スパークリング」をいちごハイに。ただ、いちごをカットして入れただけなのにこのビジュアル。もきゅもきゅいちごを頬張りながら、あっという間に飲み干してしまった。
甘いものが好きな人は、ここにシロップやジャムを入れて、お好みで甘くするのもおすすめ。
かなりシンプルなドリンクなので、まだまだアレンジの余地がありそう。次はここに胡椒や山椒などのスパイシーなエッセンスを加えてみたいなぁ。
すっかりハイになって、春を堪能。毎年の花見はだいたい桜を見ずに酔っ払ってしまうけど、今年はセーフ!
あぁ、楽しかった。来年は桜の下で集まりましょうね。
文・撮影=福井 晶