ICと酒々井プレミアム・アウトレットの中間にあるスーパー銭湯
『酒々井温泉 湯楽の里』は木づくりのレトロな銭湯をイメージした施設が特徴で、近代的な設備にも定評がある。
『湯楽の里』は、他にも『喜楽里』などをあわせて関東圏に22店舗を展開するスーパー銭湯。なかでも千葉県には5店舗あり、知名度も高い。
酒々井と聞いても千葉県以外の人にはあまりなじみがないかもしれない。いわゆる難読地名の一つで、「しすい」と読む。2013年4月に酒々井プレミアム・アウトレットが開業したことで酒々井の名が知れるようになり、知名度もぐ~んとアップした。
『酒々井温泉 湯楽の里』は、東関東自動車道酒々井ICと酒々井プレミアム・アウトレットを結ぶ中間点に位置し、それぞれ車で1分という立地にあることからマイカーでの利用が大半を占める。
内湯の楽しみは高濃度炭酸泉とロウリュウサウナ
入館料はタオルなどが付かないシンプルコースと、フェイスタオル、レンタルバスタオル、レンタル館内着付きのゆったりコースの2種類。滞在時間や過ごし方によって選ぶといい。
内湯のメイン浴槽は高濃度炭酸泉。炭酸ガスが溶け込みやすい37℃前後のぬる湯に設定されているので、入浴するとほどなく肌に細かい気泡がまとわりつく。体内に取り込まれた炭酸ガスは全身の血管を拡張し、血液の循環をよくする効果があるという。15分ほどの入浴が効果的なのでのんびりと浸かろう。熱めの湯が好みなら3槽あるジェットバスへ。隣には押し、もみ、たたきを繰り返す電気風呂もある。
内湯に併設されたロウリュウサウナでは1時間ごとに熱したサウナストーンに水をかけ、瞬時に立ち昇る蒸気の熱波によって発汗を促すオートロウリュウを実施している。たっぷり汗をかいたら水風呂でクールダウン。露天エリアにリラクゼーションチェアがあるので、ここで外気浴をすれば気分爽快!
源泉かけ流しの露天風呂に浸かり田園風景を眺める
露天エリアに出れば開放的な田園風景が広がり、天気が良ければ遠くに富士山も見える。まずはこの広大な風景に感動する。露天には東屋がある高見の湯と屋根付きの寝ころび湯があり、いずれの風呂でも温泉を楽しめる。
この温泉は2015年6月に地下2000mから湧出した含よう素-ナトリウム-塩化物強塩泉。茶褐色の温泉は太古の海水が長い時間をかけて地層の中で熟成されたもので、保温効果が高く湯冷めしにくいことから「熱の湯」ともいわれている。
高見の湯は上下2段になった岩風呂で源泉かけ流し。41〜42℃の適温なのでゆったりと湯船に浸かりながら田園風景を眺めれば、最高の癒やしの時間になるだろう。
寝ころび湯の温泉はろ過循環式。背中を流れる温泉がいい感触で、本当に寝てしまいそう。女性用の寝ころび湯にはクレイパック(泥パック)も備えているので、毛穴汚れ除去などの効果を試してみよう。きっと肌がすべすべになるはずだ。
湯上がりはリクライニングチェアで休み、名物のカレーうどんに舌鼓
湯上がりは44台のリクライニングチェアを設置したお休み処へ。大きな窓に映る緑あふれる景色も癒やしの効果を与えてくれる。リクライニングチェアにはコンセントが付き、無料wifiも完備。これなら自由にスマホで遊べる。
漫画・雑誌コーナーやゲームコーナーもあり、ボディケアやアカスリ、エステなどの美容施設も充実しているので、思い思いに1日ゆっくり過ごせそうだ。
湯上がりのビールや食事なら「本家さぬきや」へ。定食や丼ものなど幅広い料理をそろえるが、自慢は店名からも想像できる自家製うどん。なかでも名物になっているのが20種類のスパイスを使って作るカレーうどん810円。メニューを見ればイチオシなのがよくわかり、館内のポスターなどでも告知していることもあって多くの客が注文している。
「酒々井ICから車で1分、酒々井プレミアム・アウトレットのすぐそばにあるのでショッピング後でもお気軽にお立ち寄りいただけます。ぜひ当店で日頃の疲れを癒やしてください」と話す主任の日暮優希さん。その言葉どおり、『酒々井温泉 湯楽の里』の一番のメリットは、人気アウトレットから近いことと、ICからのアクセスに恵まれていること。アウトレットと組み合わせれば1日遊べるレジャーコースになる。
『酒々井温泉 湯楽の里』は、全体的にややコンパクトな造りなので休日は風呂が混雑したり、お休み処のリクライニングチェアも順番待ちになることもある。これも人気の高さゆえのこと。だから混雑しそうなときは、時間を見計らって出かけるようにするといい。休日の夕方は混雑することが多いので、早い時間の利用がおすすめだ。
取材・文=塙 広明 写真=酒々井温泉 湯楽の里