露天エリアで、温泉と炭酸ガスの効果がある風呂に浸かる
日頃の運動不足を感じながら、富士見坂の急な勾配を登る。わずかな距離だったのは救いだった。
まるで高級旅館のような日帰り温泉施設の一番の自慢は、黒褐色をしたナトリウム-炭酸水素塩温泉。地下1500mから湧出する温泉は、ややとろみがあり、美肌効果が高いという。
まずは露天エリアで入浴へ。
人気の炭酸琥珀湯(R)では、医療でも活用されている中空糸膜を通した炭酸ガスが天然温泉に溶け込んでいる。湯船に浸かれば、炭酸ガスが肌にまとわりつき、温泉の美肌効果と相まってつるつるになる。しばらく浸かっていると、炭酸泉の効果か、体の芯からポカポカしてくる。
贅沢に温泉を楽しむならば、源泉掛け流し風呂・岩風呂がおすすめだ。ほかにも、信楽焼のつぼ湯や空を眺めながらゆったりできるうたた寝湯などもあり、青空の下で入浴すれば、気分も爽快だ。
さらに、女湯には潤い美肌湯と立ち湯が備わっている。潤い美肌の湯は、ナノレベルの温ミストが全身を包み込む。まるで雲の中にいるようになり、角質層への働きや発汗作用が上がり、ほっこりリラックスできる。
立ち湯は1m20cmの深さがあり、立ったまま入浴ができる。指圧のようなマッサージ効果があるので、腰回りの血行がよくなり、引き締め効果や腰痛に効くと注目を浴びている。
ロウリュが行われるサウナのほか、女性限定の塩サウナも好評
一面ガラス張りの広々とした内湯ではさまざまな機能浴が楽しめる。温泉が満ちる湯船やジェットバスなどがある。温まった体が水流によって刺激されて、コリがほぐれそうだ。
内湯にはサウナを完備。
フィンランド式サウナではロウリュを実施されているので、ぜひ体験したい。熱したサウナストーンにアロマ水がかかれば、もうもうと水蒸気が上がり、熱波が襲ってくる。全身で受け止めれば、疲れも一気に吹っ飛んでしまいそうだ。アロマ水は週替わりなので、何度訪れても楽しい。
女湯にはスチーム塩サウナがある。低温サウナのため、体の負担が少なく、副交感神経に作用することでリラックス効果や睡眠効果が期待できる。また、塩の成分が肌から浸透することにより、温熱効果が高まり血流を改善してくれる。双方が相まって美肌や疲労回復、健康増進にも効果的だ。
関東最大級ともいわれる岩盤浴エリアでリラックスタイムを
大浴場を満喫したら、地下にある岩盤浴エリアへと向かう。ここには温度や鉱石が異なる広々とした6種類の岩盤浴があるそうだ。さらには時間制限もなく、自由に出入りできるのもうれしい。
利用は中学生以上、料金は820円(岩盤浴専用着・マット付き)。
まずは「天」から体験してみる。細胞を活性化してくれるというゲルマニウム陶板が敷き詰められていて、その上にゴロンと寝転がる。ナノレベルという細かな温ミストに全身が包まれれば、まるで雲の中にいるよう。じんわりと汗をかいてきて、心身ともにリラックスできる。
ほかにも、天然岩塩の「塩」やパワーストーン・薬宝玉石の「潤」、ほてった体をクールダウンできる「氷」などがある。鉱石によって美容や健康など、各種効能があるので、体と相談して利用したい。
自慢の豆冨料理やリラクゼーションなどを楽しむ
『宮前平源泉 湯けむりの庄』が特に力を入れているのが、心音で食べられる料理の数々。社員の中尾裕香さんは「グランドメニューは年に4回、20品程度入れ替えています。こだわり抜いたメニューをご堪能下さい」と話す。
選りすぐりの食材を使った豆冨料理を中心に、心温まる和のおもてなしを感じられる。おすすめの「作りたて手前仕込み豆冨」740円を注文。目の前で豆乳とにがりを合わせて仕上げてくれる。大豆の濃厚な風味や香りが感じられ、思わずビールを頼んでしまった。
食事以外の過ごし方も充実している。手もみ処やあかすり、エステなどの癒し処を備えている。お休み処にはテレビ付きのリクライニングチェアが、1階と地下1階合わせて118席。女性専用スペースもあるので、気兼ねなくくつろげる。有料の女性専用個室も好評だ。
中尾さんは「ぜひ来館していただき、癒やしを感じていただければと思います。心身ともにリラックスしてください」と話してくれた。
取材・文=速志 淳 写真=宮前平源泉 湯けむりの庄