“ヨーロッパの田舎暮らし”がお店のコンセプト
古い日本家屋を改装したお店は、1階では自家製のパンやジャム、服、雑貨などを販売し、2階には自家製パンを楽しめるカフェがある、ライフスタイルショップになっている。
オーナーであるイタリア人のロンシャン・シルバさんが、故郷・イタリアでのおばあさんとの田舎暮らしの思い出を詰め込んだこの建物は、古い日本家屋を探して自分たちで内装を施したもの。
2階のカフェは、無造作に積まれた本が並ぶ本棚や、1つ1つ表情が違うアンテークのテーブルやイス、温かみのある光を照らすランプなどが配されている。おしゃれなのにクラシカルな空間は、初めて訪れたとは感じないどこか落ち着ける雰囲気だ。
商店街から少し入った場所でも、若い女性のグループがランチを目当てにひっきりなしに訪れる。このヨーロッパの鄙びた味わい深さを感じさせる空間で、みんなのんびり寛ぎながらランチを食べつつおしゃべりを楽しんでいた。
「お店のお客さんは、ほぼ女性ですね。幅広い年齢層の方がいらっしゃいますが、1番多いのは20〜30代の若い女性ですね。僕はいつも空いている時はお店のテーブルで仕事をしたり接客したりしているのですが、こういう雰囲気のお店で働けるのがすごく楽しいです」。
確かにオーナー自ら作り上げた店内の空間は、古民家にアンティークが置かれ古びてはいるが、ヨーロッパのおしゃれなエッセンスも併せ持っていて、意外とありそうでなかなかない心地良い雰囲気なのだ。
パンやスイーツ、服、コスメ、どれも自社で手作り!
1階には、洋服や香水などのコスメ、食器やキッチンツールなどの雑貨、パンやスイーツ、ジャムなどが所狭しと陳列されていて、どれも女子が好きな物ばかり。手にとって見ているだけで楽しめる。
「2階のカフェでごはんを食べた後は、1階で服や雑貨を見たりして楽しんだりできる、ライフスタイル全体を提案するショップになっています」と、松本さん。
1階で販売されている服は「THE FACTORY(ザ・ファクトリー)」という自社ブランドのもので、香水やオイルなどのコスメも「AMBIENTE(アンビエンテ)」という自社工場で手作りされているハンドメイド商品というから驚きだ。全て商品のプロデュースは、シルバさんが行っているという。
「シルバは昔ホテルで働いていたこともあって、カフェやパン、スイーツなどのメニューもほとんど彼が考えたんですよ。中には、シェフが考案したパンのメニューもありますが。また、シルバはジャムも自分で作っていて、本も出版しているんです」。
手先が器用でアイディアが思いつく人は、なんでも作れてしまうんだろうか。ここは、そのシルバさんの才能が余すところなく発揮されているお店だ。
おいしい朝ごはんやランチを食べて、1日を楽しく過ごして
6種あるランチメニューは、全てドリンクがセットで1500円。こちらの店名と同じ名前を冠したメニュー「ラ・ヴィア・ラ・カンパーニュ」は、5㎝以上もの厚切り食パンにミネストローネスープを染み込ませ、たっぷりチーズを載せて焼き上げたもの。大きめサイズなのでナイフとフォークで切り分けていただく、食べ応えたっぷりのメニューだ。
ふわふわ食感がたまらない、フォカッチャ324円。オリーブオイルをたっぷり塗って仕上げた本格派で、おかずにもスープにもよく合う飽きの来ない味わいだ。
真っ黒な外観が目を引く、クミヌム324円。生地に炭を練り込んで焼き上げているそうだ。お店ではランチタイムに、中に彩豊かな具材を挟んでサンドイッチとして提供しているそう。
「おいしい朝ごはんやランチを食べると、1日を楽しく過ごせると思うので、ぜひモーニングやランチで訪れて、自慢のパンを使ったメニューを食べて欲しいです」と、松本さん。
モーニングは、数種類のパン食べ放題とデリ、ドリンクのセットを1300円でいただけるそう。1日の始まりを、おいしいパンとともにこの空間で過ごすのも良さそうだ。中目黒で喧騒を忘れてのんびり過ごしたいと思ったら、この『LA VIE A LA CAMPAGNE』を訪れてみて欲しい。
構成=フリート 取材・文・撮影=西尾悠希