村上作品の世界が広がる階段本棚。

ライブラリーは地上5階、地下1階建てで、一般利用は2階までが可能となる。地下1階のラウンジでは村上春樹氏ゆかりのピアノや家具、世界各地で上演された『海辺のカフカ』の舞台装置などが展示され、併設のカフェとともに開放的な空間でくつろげる。

忠実に再現された「村上さんの書斎」。

とりわけおすすめしたいのは、1階のギャラリーラウンジとオーディオルーム。デビューの1979年から2021年までの村上作品(ほぼ初版本!)をはじめ、日本で刊行された作品のみならず、村上氏による翻訳作品などが自由に閲覧できる空間だ。包みこまれるような座り心地のコクーンチェアなど、選びぬかれた家具とともに、音楽と読書体験を楽しむための仕掛けが満載。

上質な音響でレコードやCDを聴きながら、ゆっくり読書ができるオーディオルーム。
2階のスタジオでは、今後ラジオ収録が行われる可能性も!?
併設のカフェ『橙子猫(オレンジキャット)』では、ライブラリーオリジナルブレンドのコーヒーが味わえる。

村上氏はこの場所が「新しい文化の発信基地になるとともに、大学と街の人々がまじりあう環境になってくれれば」と期待を込める。同館のテーマは「物語を拓こう、心を語ろう」。この秋は、心ゆくまで没頭できる文学空間へ足を運んでみては。

9月に行われた内覧会では、村上春樹氏(中央)も登壇。

「早稲田大学国際文学館(村上春樹ライブラリー)」詳細

住所:東京都新宿区戸塚町1-104/営業時間:10:00~17:00(カフェの営業は土・日・祝は~15:00)/定休日:水/アクセス:地下鉄東西線早稲田駅から徒歩7分

取材・文・撮影=吉岡百合子(編集部)
『散歩の達人』2021年11月号より