実は自県に自信を持っている?

では、埼玉県民が自県についてどう思っているのかの意見をいくつか紹介しよう。

埼玉県民 埼玉県民

埼玉県民は穏やかな人が多いと思う。悪く言えば野心がない。それを裏付けるかのように、社長輩出ランキングでは47都道府県中いつも最下位、首相も輩出したことない。『ダ埼玉』だなんだといわれようと、いじられてうれしいくらいにしか思っていない。なぜザ・野心の街東京にくっついてるのにこうも違うんだ。埼玉は人の牙を抜いてしまうぬるま湯県なのかもしれない。(白岡市出身・女性)

たしかに埼玉県には「東京で成り上がろう!」というような人は少ないように感じる(そもそもすぐ近くだし)。

そして、ネタにされても笑っていられる余裕があるのは、実は「自分の県にそこそこの自信を持っているから」なのかもしれない……と感じる。特に「暮らしやすさ」に自信を持っている人は多いようだ。

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東京も近いし、家賃も都内ほど高くないし、適度に自然もあるしでなんだかんだ住みやすいとは思っている。社会人になるとともに都内で一人暮らしを始めた友人たちのなかには『家を建てるなら埼玉』と言う人も多い。(さいたま市出身・女性)

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本気で住みやすいと思う。イオンもホームセンターもあるし、いい塩梅のスーパーもある。コンビニに駐車場があるし、トイレも貸してくれる。20代の頃は吉祥寺に住んでたけど、家族で済むなら断然埼玉だと思ってます!(朝霞市在住・女性)

コメントの最初に「東京も近い」と出てくるのがやっぱり悲しいが、こんな感じで「埼玉県は住みやすいし実はいい場所」と思っている人は多い印象だ。

なお、上のさいたま市の女性回答者さんが、「学生の頃からしょっちゅう都内に繰り出していたのではと思われがちだが、普段の遊び場はもっぱら大宮」とも話していたように、埼玉県には若い世代が遊べるそれなりの繁華街もある。

普段から小馬鹿にされまくってるので、田舎者みたいなフリをしている人も多いが、「そこそこ都会だし」という余裕を持っている人は結構いると思う。

自然も結構あるぞ(海はないけど)

また「適度に自然がある」というコメントも多く集まった。

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都会も近いけど、すぐ近くでアウトドアな生活ができる。登山も川遊びもできる巾着田(埼玉県日高市)は『遠足の聖地』なんて呼ばれてるし。あと都内(23区)から帰ってくると空気のきれいさを感じる。(飯能市在住・女性)

筆者は飯能市の隣の入間市の出身だが、たしかに池袋から電車に乗って、実家の駅に降り立つと、空気が一段と澄んでいるのが体感でわかる(あと気温も2~3℃低い)。

埼玉の西側は登山に向いた山も多く、アウトドアの遊びを満喫したい人にはとってもいい場所だと思う。ただ、下記の人のコメントのように海はない。

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海がないことは自分たちでもネタにするし、よく比較される千葉県に対しても『千葉には海があるじゃないですか~』と下手に出ざるを得ないし、美味しい海産物があるのが羨ましい。なお埼玉県には県営の水上公園が4つあり、県民ながら海を求めているようで悲しい。(川越市出身・男性)

一方で県西部の丘陵~山岳地帯以外は、埼玉県はのっぺりした平地が続いている。

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埼玉は平坦なので、他の土地に行くと坂の多さで「違うとこ来たな~」と実感する。東京に住んでいた時の坂の多さ、奥様方の電動自転車率、ハンパねえと思ってました。(白岡市出身・女性)

以下は筆者自身が体験したエピソードだ。

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神奈川県在住の友人に「西武新宿線ってずっと平地で畑とか家ばかりだし、同じ景色が続くよね(笑)」と小馬鹿にされてムカついたことがある(実際にずっと平地)。ただ、神奈川県の海沿いの電車に乗ると、片側の窓からは山が見えて、もう片側の窓からは海が見えたりしたので、「こりゃ確かに負けた……」と思った。(入間市出身・男性)

やっぱりバカにしすぎは良くないぞ!

なお、「ダ埼玉」という言葉や『翔んで埼玉』の影響もあり、他県のみなさま方には「埼玉県はバカにしていい対象」というイメージがかなり広がっていると思う。そのイメージによって、こんな悲しい出来事も起こっている。

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出身地で人を見下すタイプの人(足立区と聞いたらすぐバカにするような人)と話していると、「このあいだ埼玉くんだりまで行っちゃいましたよー」「埼玉とか絶対に住みたくないですよね~」とか言われて、「あの、実は僕、埼玉県出身なんです」と言い出せなくなるときがある。打ち明けると面倒なので「ですよね~w」と適当に相槌をうって済ます。(春日部市出身・男性)

そして、そんな埼玉県民も、実はどこかで他県を見下しているのかもしれない。

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他県の人と埼玉県の話をしているとき、埼玉県を「北関東」に含められると若干イラっとする。でも国政選挙の選挙区では「北関東」に確かに入っていたりする。(和光市在住・女性)

ちなみに「北関東」に必ず含まれるのは茨城県、栃木県、群馬県の3県。「東京のすぐ上にあること」がプライドの拠り所の埼玉県民からすると、その3県と同じグループに入れられると「北じゃねえし!関東のちょうど真ん中だし!」という気持ちになってしまうのだろう(筆者もそうなる)。実際に「正直なところ群馬のことは下に見ている」(熊谷市出身・男性)という声もあった。

そのほか「都民からは『県民』という響きだけで笑われている気がする(被害妄想含む)」(越谷市出身・男性)、「一度も都内で暮らしたことのない埼玉県民は都内の一等地(渋谷、青山、赤坂あたり)に一人で行くことにひどく怯えている」(狭山市在住・女性)なんて声もあり、埼玉県民には根が深いコンプレックスを持っている人もいるようだ。

みなさんが埼玉県民のことを小バカにしつづけると、埼玉県民も自県に誇りを持てなくなったり、他県を小バカにして自尊心を保ったり……という不幸な連鎖を生むことになるのでご注意を。

そして埼玉県民のみなさんも、自虐するのもほどほどにしておきましょう(自戒を込めて)。

文・構成=古澤誠一郎 イラスト=中村こより

飲み会で「上京した時のあるある話(主に笑える失敗談)」で盛り上がられてしまうと、そこはかとない疎外感に包まれる。共感も出来なければネタもない!そう、私は東京生まれ東京育ちのシティーボーイ。全国46道府県出身の皆さんに言いたい! みんながみんな上京してきたわけではないんですよ。生まれた時から、あなた達に不味いと忌み嫌われる東京の水道水で産湯に浸かり、光化学スモッグ注意報が発令されるなか、コンクリートジャングルを走り回った少年時代。悪の誘惑しかない都会で青春時代を過ごし、やっと大人になったと思ったら「社会人になっても実家暮らしの奴は、自立していない半人前だ」という周囲からの冷たい視線を浴びるなんて思ってもいなかった。悔しいから実家を出たものの、実家まで15分の場所に引っ越したら「そんな距離では一人暮らしとは言えない!まだ半人前と一人前の間だ!」と謎の3/4人前扱いをされ、どうすりゃいいんだよ! と、そんなところにこの記事だ。・田舎者の上京ブルース 〜地方出身者に贈るメランコリックなエピソード集〜・【田舎者の上京ブルース2021】東京に暮らす地方出身者たちよ、ここに集え!ちょっとそこのあなた達、上京組だけで盛り上がるんじゃないよ。東京生まれの人生も結構ブルージーなんだぜ! と編集部N女史に訴えるも、自然児だった彼女は都会っ子=もやしっ子と定義してくる始末。悔しい! 俺たちにだって哀愁もあれば郷愁もあることを見せてやる!というわけで「田舎者の上京ブルース」に対するアンサーソング「シティーボーイ&ガールのトーキョーブルース」、奏でます。
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