明治初期から続く山車祭り
所沢の秋の一大イベント「ところざわまつり」は、各町会が所有する山車の曳行(えいこう)を中心とした祭り。その起源は明確ではないが、各町会に残る山車の購入や制作年代から推測すると明治初期ごろではないかと考えられている。明治後期には旧所沢町の鎮守・所澤神明社の秋の祭礼(9月15日)で山車が集まったと伝えられている。現在は神明社の祭礼とは切り離され、文化の継承を目的として「ところざわまつり」が開かれている。
各町会が所有する山車は全部で12台。なかでも明治初期の作といわれる元町本町、有楽町、御幸町の山車はそれぞれに見事な彫刻が施されていて、市の指定文化財にもなっている。2026年は総勢10基の山車が登場し、11~16時の間は山車を自由に曳き廻す「自由行動」が繰り広げられる。そして、夕闇が迫る16時からの「統一行動」では山車が一斉に動き出し、金山町交差点から所沢駅西口までの大通りを行き来する。
山車と山車が出合うと、「曳(ひ)っかわせ」がスタート。山車同士が向かい合わせになり、お囃子(はやし)を激しく競い合う姿は迫力満点だ。「所沢駅西口交差点をはじめ、交差点は山車が複数集まるポイント。多いときは4、5基集まることもあり、一堂に山車を見ることができますよ」(ところざわまつり実行委員会)。
軽快で力強い、所沢生まれの祭囃子
伝統ある山車とともにこの地に受け継がれているのが「重松(じゅうま)流祭囃子」だ。所沢生まれの古谷重松(じゅうまつ)さんが編み出した囃子の流派で、幕末から明治初期にかけて所沢を中心とする多摩地域に広まった。決まった音符はもたず、口伝を反復練習するといい、ジャズのような即興性とテンポの良さが特徴。所沢の山車祭りに欠くことのできないこの祭囃子にも注目だ。
山車の曳き廻し以外に、大通りでは子供オープニングマーチや民踊流し、神輿の練り歩きなどが日中行われる。「今年は姉妹都市であるアメリカ・ディケイター市の記念訪問団がやってきて民踊流しにも参加します。ほかにも所沢商工会議所青年部による市民交流ステージなど見どころ満載です!」と、ところざわまつり実行委員会。所沢駅西口ロータリーでは所沢プロぺ商店街の自慢のグルメが集まる「ガチ旨グランプリ2026」も開催され、街全体が祭りムード一色に。街をくまなく歩いて、さまざまな催しを楽しもう。
開催概要
「ところざわまつり」
開催期間:2026年10月11日(日)
開催時間:10:30~21:00
会場:所沢市中央地区内各通り一帯(埼玉県所沢市)
アクセス:西武鉄道池袋線・新宿線所沢駅すぐ
【問い合わせ先】
ところざわまつり実行委員会事務局☎04-2922-2196
URL:https://www.tokorozawa-cci.or.jp/matsuri/
取材・文=香取麻衣子 ※画像は(C)2025 所沢市より提供







