全国でもめずらしい屋台歌舞伎

埼玉県の北西部にある秩父郡1市4町のひとつである小鹿野町。毎年4月の第3土曜とその前日の金曜には、一年で最もにぎわう小鹿神社の例大祭「小鹿野春まつり」が行われる。主役はなんといっても、2台の笠鉾(かさぼこ)と2台の屋台。「小鹿野町の笠鉾はかなり大きく、花飾りをまとっているのでボリュームもあり迫力満点です」と教えてくれたのは小鹿野町商工観光課の齊藤さん。

一方の屋台は、前夜祭にあたる17日(金)の夕方には歌舞伎の舞台に大変身。両サイドに張り出し舞台や花道が組まれて、町民たちによる屋台歌舞伎の上演が行われる。上演されるのはこの地に受け継がれてきた「小鹿野歌舞伎」で、春日町の屋台では「白浪五人男 稲瀬川勢揃之場」、上町の屋台では子供歌舞伎「恋女房染分手綱重の井子別れ之場」の演目を鑑賞することができる。豪華絢爛な屋台で演じられる様子は実に幻想的だ。

17日(金)の夕方には屋台歌舞伎が上演される。街中の道路を封鎖して大きな舞台が組まれる様子は圧巻だ。
17日(金)の夕方には屋台歌舞伎が上演される。街中の道路を封鎖して大きな舞台が組まれる様子は圧巻だ。

“金棒突き”の女の子たちにも注目!

18日(土)は、朝9時から4台の山車がそれぞれ市街地を曳き廻される。山車には「金棒突き」と呼ばれる華やかな衣装を身にまとった女の子たちが、金棒をシャンシャンと鳴らしながら先導する。「この金棒突きの女の子たちが山車にマッチしているので、ぜひ見ていただきたい。山車ごとに衣装も異なるのですが、華やかで春らしい風情が味わえますよ」と齊藤さん。これに秩父屋台囃子(ばやし)が加わり、祭りは大いに盛り上がる。

4台の笠鉾と屋台は「曳き揃え」といって12時ごろに春日町広場に、18時ごろに小鹿神社に集合するので、一度にそろって見られるチャンスだ。特に夕方は辺りが暗くなって明かりが映えるので、きれいな写真が撮れるとカメラを構える人が多いのだとか。鳥居をくぐった後は1台ずつ急な坂を引き上げられ、ダイナミックなシーンを見学することもできる。

豪華絢爛な山車や町民たちが演じる屋台歌舞伎が見どころの「小鹿野春まつり」。「秩父夜祭に比べると人数は少ないけれど、元気な掛け声が響きわたり町が一体となって盛り上がりますよ」と齊藤さん。小鹿野町の春の風物詩を見に、秩父地域に足を延ばしてみては。

小鹿神社に4台の山車が集合した様子。提灯に明かりが灯り、迫力満点!
小鹿神社に4台の山車が集合した様子。提灯に明かりが灯り、迫力満点!

開催概要

「小鹿野春まつり」

開催期間:2026年4月17日(金)・18日(土)
開催時間:9:00~21:30
会場:小鹿神社、市街地(埼玉県小鹿野町小鹿野)
アクセス:西武鉄道西武秩父線西武秩父駅、秩父鉄道秩父駅からバス「小鹿野町役場」下車すぐ

【問い合わせ先】
小鹿野町商工観光課☎0494-75-5060
URL:https://kanko-ogano.jp/2026/03/harumtauri/

 

取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供