マーファにあり続けるアートと展示の関係性とは
革新的なアイデアと作品によって、アート、建築、デザインの分野で影響を与え続けたドナルド・ジャッド。生涯を通してアートと芸術表現の重要性について訴え続けたジャッドは、恒久展示(パーマネント・インスタレーション)というアイデアを展開した。1973年からテキサス州にある町、マーファで土地を購入しはじめ、1994年に亡くなるまで、この地で自身を含む作家の作品の恒久的な設置を続けたという。
本展は、1950年代に制作された初期の絵画作品にはじまり、1960~90年代の立体作品、さらにジャッドがマーファに残した空間について、ドローイング、図面、映像、資料を通して紹介するもの。作品や資料を通して、展示を「その場限りのパフォーマンスにしてはならない」という、ジャッドのアートと展示が持つ完全性に対する強い信念に触れることができる。
空間に対するジャッドの哲学と実践が垣間見られる作品の数々
1950年代後半、抽象表現主義や同世代の作家の作品から影響を受けて絵画の制作からアーティストとしての活動をスタートさせたジャッド。風景のような具体的なものを対象としながらも徐々に画面が抽象化し、自然界の形や色彩が強調されていく絵画作品が登場する。一部の絵画は日本初公開となる。
1960年代には絵画から離れ、立体作品の制作へと向かったジャッド。1960年代半ば~1970年代の作品に加え、10個のユニットが垂直に設置される「スタック」と呼ばれる作品(1990年代の作例)などが展示される。
さらに、1978年に『ワタリウム美術館』の前身にあたる「ギャルリー・ワタリ」での個展「ジャッド展」での資料やカタログ、その際に収蔵された作品やドローイングなども登場。
マーファの地に思いを馳せながら、彼の足跡をたどることができる。
開催概要
「ジャッド|マーファ展」
開催期間:2026年2月15日(日)~6月7日(日)
開催時間:11:00~19:00
休館日:月(2月23日・5月4日は開館)
会場:ワタリウム美術館(東京都渋谷区神宮前3-7-6)
アクセス:地下鉄銀座線外苑前駅から徒歩7分・地下鉄表参道駅から徒歩9分
入場料:一般1500円、大人ペア2600円、学生(25歳以下)、高校生・70歳以上の方・身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳お持ちの方、および介助者(1名)1300円、小・中学生500円
【問い合わせ先】
ワタリウム美術館☏03-3402-3001
公式HP http://www.watarium.co.jp/jp/exhibition/202602/
取材・文=前田真紀 画像提供=ワタリウム美術館







