江戸時代から伝わる3つの祭りが同日開催
群馬県南部に位置し、高崎市や伊勢崎市などと隣接する玉村町。そんな小さな町では毎年2月11日に「早春の三大祭り」という一大イベントが行われている。上新田地区では氏子の安泰と五穀豊穣、悪魔祓いを祈願して「稲荷神社獅子舞」が、樋越地区ではその年の豊作を予祝する田遊びの神事「春鍬(はるくわ)祭」が行われる。そしてもうひとつが上福島地区の「すみつけ祭」だ。いずれも江戸時代から伝わる伝統行事で、玉村町では3つの祭りをめぐるバスツアー(2026年はすでに募集終了)も企画している。
「すみつけ祭」の起源は、江戸時代の元禄年間(1688~1704)といわれ、300年以上の歴史を誇る。当時疫病が流行した際に、鍋を持っていて転び、その墨が顔についた女性だけが病気にならなかったという言い伝えから墨を顔につけるようになった。墨をつけられた人はその年、風邪や悪病にかからず無病息災に過ごせるといわれている。
地区内の練り歩きが復活!
祭りは、埼玉県加須(かぞ)市にある玉敷神社から御神体と天狗(猿田彦)の面を借り受けるところから始まる。「玉敷神社との関係は定かではないのですが、昔は歩いて2泊3日かけて御神体と天狗面を取りに行っていたようです」と教えてくれたのは玉村町教育委員会生涯学習課文化財係の永井さん。借りてきた天狗面をつけて「ボンゼン」(幣束)と御神体を守る「木剣」を持った人を先頭に、御神体を持つ人、太鼓を担いで打ち鳴らす人、顔に墨を塗りつけた大人や子供たちが行列となって練り歩く。
もともとは一行が上福島地区の家々を朝から夕方まで回って、輪切りの大根につけた墨を人々の顔に塗りつけていくというのが通例だった。コロナ禍以降、5年ぶりの開催となった2025年は上福島公民館の敷地内で縮小して行われた。2026年は各家を回ることはしないが、地区内の練り歩きが復活し、上福島公民館の敷地内のほかに利根川の土手沿いを練り歩く。
「今年は利根川の土手沿いを練り歩くことが決定し、少しずつコロナ禍前に戻りつつあります。一年間元気に過ごせるように、墨をつけにぜひいらしてください。公民館では地区の人たちによる豚汁の振る舞いも行われます」と永井さん。希望すれば町民でなくても顔に墨をつけてもらえるので、真っ黒な顔で一年間の無病息災を祈ろう!
開催概要
「すみつけ祭」
開催日:2026年2月11日(水・祝)
開催時間:8:45~12:00
会場:上福島地区(群馬県玉村町上福島)
アクセス: JR高崎線新町駅から車約20分
【問い合わせ先】
玉村町生涯学習課☎0270-30-6180
URL:https://www.town.tamamura.lg.jp/docs/2023020200029/
取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供








