「酔いの宵」は「入りやすく出やすい」のがポイント
浅草観音裏とは、浅草のシンボル・浅草寺の北側、浅草3~6丁目を中心としたエリアを指す。観音様が祀られているお寺の背中側にあたるから「観音裏」というわけだ。
界隈は、江戸時代から続く花街でもあるためか、大きなビルがないせいか、小さな個人店が多い。店内が見えない、どんな店主とお客がいるかわからない、価格帯も不明……と、初めて扉を開けるにはちょっとハードルが高いかもしれない。
この限られたエリアに飲食店は約600軒あるという。これだけ密集しているのだから、店が存続していることは「おいしい」の表れだし、値頃だったり、人情味があったりと、せっかくいい店が多いのに。
そこで、飲食店の店主たちが自主的に「まずは暖簾(のれん)をくぐってもらわないと」と、はしご酒イベント「酔いの宵」を企画し、開催。
第1回目の2021年は参加店66店だったところ、年々、参加を希望する店は増え、第6回となる今回は113店にも上る。
各店で、イチオシフード+ドリンク1杯で1000円の「せんトラ」(1000円でトライアルの略)セットを用意しているのは、「使うお金がわかっていることで“入りやすく”、それだけで店を後にできる“出やすさ”」を実現するため。
もちろん、気になる通常メニューや「もう一杯」と別途注文することも可能だ。飲みすぎに注意し、無理のない参加を!
ツウなまわり方
参加方法は、事前申し込みや予約の手続きはなく、気になる参加店に来店し「せんトラ」セットを注文するだけだ。
まずまわりたい店を見つけるのに必須なのは、参加店に置いてある「冊子」と「MAP&スタンプ用紙」である。参加店一覧と各店の特徴、「せんトラ」セットの内容やイベント参加日時などが記されている(店によっては、期間中の数日のみ参加といったケースもある)。
ツウな飲ん兵衛は、事前に冊子とMAPをチェックし、情報を重ね合わせてコースをシミュレーション。自分の気になる店を効率よくまわることができる。
たとえ混んで入れないとしても、臨機応変に別の候補の店を訪ねてみるべし。なんせ、店はぎゅっと密集しているから、作戦変更は簡単だ。
まわっている客どうしで「いま、あのお店はすいていますよ」「どこどこのお店のせんトラセットが素晴らしすぎる!」なんて情報交換が自然に生まれる。そんな会話で盛り上がってはしごできるのも、「酔いの宵」の楽しさである。
「酔いの宵」グッズが当たるスタンプラリーも同時開催
イベント期間中、参加店で「せんトラ」セットを注文すると、「MAP&スタンプ用紙」にスタンプを1つ押してもらえる。スタンプ20店舗分で1口の応募となり、オリジナル景品が当たる抽選に参加できる仕組みだ。
「酔いの宵」特製ビールジョッキをはじめ、職人による質実剛健な帆布鞄をつくる浅草「犬印鞄製作所」のスマホポシェットなどが用意されている。スタンプラリーの参加ル―ルは、「参加店一覧マップ」を参照。
イベント第1回から幹事を務めてきた店舗の1つ、焼き鳥『ちゃこーる』の高橋久子さんは言う。
「数年前、たまたま浅草に出張に来てイベントに参加した方が、以来、毎年遠征してくださるようになりました。入りづらい店に入って新しい楽しみを見つけるのも、自然に人との交流が生まれるのも『酔いの宵』ならでは。食とお酒の組み合わせを楽しんで、いろんな店をまわってみてください」
波長の合う店に出合ったら、2回目は初めてよりたやすく暖簾をくぐれる。そこから常連になっていく、という楽しみが続くのだ。
開催概要
第6回 浅草観音裏「酔いの宵」
開催期間:2026年2月2日(月)~18日(水)
開催時間:店舗により異なる
会場:浅草観音裏エリアの飲食店 113店舗(東京都台東区)
アクセス:私鉄・地下鉄・つくばエクスプレス浅草駅下車
【問い合わせ先】
公式HP https://yoinoyoi.com/
取材・文=沼由美子 ※写真は主催者提供







