日本映画に輝かしい歴史を残した映画人を追悼上映
惜しまれながら逝去された映画人の方々を、故人が関わった映画作品の上映を通じて追悼する本企画。
国立映画アーカイブ特定研究員の佐野亨さんは「芯の強い女性像を体現して多くの名匠に起用されたた久我美子、大作から喜劇まで幅広く活躍した西田敏行ら俳優たち、ロマンポルノで独自の個性を打ち出した小沼勝、時代劇ややくざ映画を数多く手がけた中島貞夫ら監督たち、各々の専門領域で力量を発揮した映画スタッフたち……日本映画の歴史に偉大な足跡を残した方々を偲(しの)ぶ機会です。ぜひ足をお運びください」と見どころを語る。
監督、出演者、制作者など、幅広い映画人が活躍した作品は、どれも改めて観ておきたくなる珠玉の作品ばかりだ。プログラムやスケジュールは公式HPにて確認を。
「久里洋二 短編アニメーション作品集」や「田名網敬一作品集」にも注目
切り立った鋭い描線と不条理とエロスに満ちた無尽蔵のアイデアで、日本のインディペンデント・アニメーションの可能性を切り開いた久里洋二。1960~70年代に前衛的な音楽家として活躍した武満徹、一柳慧、冨田勲や、詩人・谷川俊太郎ら異分野の才能とコラボレーションし世界に衝撃を与えた国際アニメーション映画祭での受賞短編作品が、「久里洋二 短編アニメーション作品集」としてまとめて上映される。
また、日本のアンダーグラウンドなアートシーンを牽引し、ジャンルを超越して精力的に活動してきた田名網敬一にスポットを当てた「田名網敬一作品集」も。デザイナーとして培った方法論や技術を援用して制作し、日本の実験映画に影響を与えた8作品が上映される。貴重な短編作品を一挙に観ることができる絶好の機会だ。
開催概要
「逝ける映画人を偲んで 2023-2024」
開催期間:
《第1期》2025年12月9日(火)~26日(金)
《第2期》2026年2月10日(火)~3月22日(日)
休館日:月
会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU(東京都中央区京橋3-7-6)
アクセス:地下鉄銀座線京橋駅から徒歩1分、地下鉄浅草線宝町駅から徒歩1分、地下鉄有楽町線銀座一丁目駅から徒歩5分、JR・地下鉄東京駅から徒歩10分
観覧料:一般520円、高校・大学生310円、小・中学生100円
※障害者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏050-5541-8600
公式HP https://www.nfaj.go.jp/film-program/yukeru202512/
取材・文=前田真紀 画像提供=国立映画アーカイブ





