テキスタイルが生み出す唯一無二の世界観

“surplus” 2003-04→a/w。
“surplus” 2003-04→a/w。

ブランド創設から30年にわたって、手仕事や職人との協業を大切にし、時を重ねて深みを増すデザインを積み重ねてきた「ミナ ペルホネン」。そのものづくりの根幹にあるのは、オリジナルのテキスタイルを中心とした素材からのデザインである。テキスタイルはブランドの設立以来インハウスのデザイナーによる手作業で図案作りが続けられ、天然素材を中心に、肌触りや服として身に纏ったときの表情を大切に、職人の技術を生かして制作されている。本展では、そうした‟運動”ともいえるものづくりのありかたを、「つぐ」という言葉が内包する多様な意味を通じて紹介する。

“one day” 2018-19→a/w。
“one day” 2018-19→a/w。

「つぐ」という言葉を通して触れる、ものづくりのあり方

“kivi” 2025-26→a/w Photo: Keita Goto(W)。
“kivi” 2025-26→a/w Photo: Keita Goto(W)。

それぞれの人にとっての「特別な日常服」を30年間にわたって紡ぎだしてきた「ミナ ペルホネン」。職人たちとの丹念な対話の深みから生まれるそれらの服は、デザイン、素材、染、織、刺繍、縫製、手ざわりが溶けあった姿でもある。

服を着るという日常的な動作が暮らしを大切にしようとする意識につながり、それが「私」を大切にすることそのものとなる。

「TSUGU」=つぐという言葉から何を思うのか? ミナ ペルホネンのものづくりを通して人や“もの”との向き合い方を改めて考えさせられる構成になっている。

“swing camellia” 2022-23→a/w 原画 Photo: sono (mame)。
“swing camellia” 2022-23→a/w 原画 Photo: sono (mame)。
刺繍工場での補修作業 手元風景 Photo: Yayoi Arimoto。
刺繍工場での補修作業 手元風景 Photo: Yayoi Arimoto。

開催概要

「つぐ minä perhonen」

展覧会告知ポスター(アートワーク:田中景子《スー ころん》)。
展覧会告知ポスター(アートワーク:田中景子《スー ころん》)。

開催期間:2025年11月22日(土)~2026年2月1日(日)
開催時間:10:00~18:00(入場は~17:30)
休館日:月(ただし1月12日は開館)・12月29日(月)~1月3日(土)・1月13日(火)
会場:世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園1-2)
アクセス:東急電鉄東急田園都市線用賀駅から徒歩17分または東急バス「美術館」行き終点下車歩3分。
観覧料:一般1700円、大学生・専門学校生・高校生800円、65歳以上1400円、中学生・小学生500円。
※身体障害者手帳などの手帳をお持ちの方500円、ただし小・中・高・大・専門学校生の障害者の方とその付添いの方(1名まで)無料。未就学児無料。

【問い合わせ先】
ハローダイヤル☏ 050-5541-8600
公式HP https://tsugu.exhibit.jp/

 

取材・文=前田真紀 画像提供=世田谷美術館