人と植物の関係を多彩な作品から見つめ直す

アンリ・ルソー《散歩(ビュット=ショーモン)》1908年頃 『世田谷美術館』蔵。
アンリ・ルソー《散歩(ビュット=ショーモン)》1908年頃 『世田谷美術館』蔵。

四季折々の自然が楽しめる砧(きぬた)公園の一角にある『世田谷美術館』。森のような公園でゆっくりと散策を楽しみ、美術館でまた作品の森に入り込む。梅や桜が開花する早春の砧公園と「セタビの森」、ふたつの散策を楽しもうという企画展が開催される。

『世田谷美術館』のコレクションから出品されるのは、油彩、屏風、掛軸、版画、彫刻、工芸、写真、スケッチなど。ジャンルも多彩で、植物の表現の多様さをじっくり味わえる。

広報担当の杉村さんは「誰にとっても身近なテーマである植物は、小さなお子さまから大人の方まで楽しむことができます。アンリ・ルソーや北大路魯山人など、『世田谷美術館』を代表する定番コレクションに加え、今回展示の約5割が初公開作品というのも見どころの一つです」と語ってくれた。

北大路魯山人《雲錦大鉢》1940年 『世田谷美術館』蔵。
北大路魯山人《雲錦大鉢》1940年 『世田谷美術館』蔵。
荒木経惟《花曲》1997年 『世田谷美術館』蔵。
荒木経惟《花曲》1997年 『世田谷美術館』蔵。
向井潤吉《不詳(風景)》制作年不詳 『世田谷美術館』蔵。
向井潤吉《不詳(風景)》制作年不詳 『世田谷美術館』蔵。
塔本シスコ《春の庭》1990年 『世田谷美術館』蔵。
塔本シスコ《春の庭》1990年 『世田谷美術館』蔵。

子供たちの作品からもパワーをもらおう!

会場にはアートの普及活動に力を入れてきた『世田谷美術館』ならではの、子供たちの作品もずらり。世田谷区内の小学校とのコラボレーションによる、子供たちが制作した1200点以上の植物作品が展示される。

生命エネルギーにあふれる作品から、きっとパワーをもらえるはずだ。

体験や参加イベントで緑の惑星の一員になろう

毎週土曜「ジェームズ・タレル《テレフォン・ブース》体験」

本展出品作品、光のアーティストとして知られるジェームズ・タレルの《テレフォン・ブース》。ひとりずつ作品の中に入り、約10分間移り変わる光を浴びる作品を実際に体験できる。会期中の毎週土曜13~16時、各日13名。参加資格は18歳以上。イベント予約サイトより要申し込み。

参加コーナー「みんなでつくるセタビの森」

会期中毎日10~18時(最終日4月13日はイベントのため~15時)、1階企画展示室で参加コーナー「みんなでつくるセタビの森」が開催される。思い思いに葉っぱを描いて、展示室の壁一面にセタビの森を出現させよう。

展覧会見どころ案内「セタビの森の歩き方」(手話通訳付き)

3月1日(土)13時30分~15時、講堂にて本展担当学芸員・東谷千恵子のガイドによる展覧会見どころ案内「セタビの森の歩き方」が開催される。

開催概要

「世田谷美術館コレクション選 緑の惑星 セタビの森の植物たち」

開催期間:2025年2月27日(木)~4月13日(日)
開催時間:10:00~18:00(入館は~17:30)
休館日:月
会場:世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園1-2)
アクセス:東急電鉄田園都市線用賀駅から徒歩17分または東急バス「美術館」行き終点下車3分。
入場料:一般500円、大学生・専門学校生・高校生400円、65歳以上400円、中学生・小学生300円。
※身体障害者手帳などの手帳をお持ちの方300円、ただし小・中・高・大・専門学校生の障害者の方とその付添いの方(1名まで)無料。未就学児無料。

【問い合わせ先】
世田谷美術館☏03-3415-6011
公式HP  https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00222

取材・文=前田真紀  画像提供=世田谷美術館