『KIBI'S BAKE SHOP』のオカメサブレ【ときわ台】

語りきれない想いを広げた翼に乗せて

手前からエディブルフラワーとホワイトチョコのオカメサブレ750円、フランボワーズ羽のオカメサブレ750円、定番のオカメサブレ450円。
手前からエディブルフラワーとホワイトチョコのオカメサブレ750円、フランボワーズ羽のオカメサブレ750円、定番のオカメサブレ450円。

モチーフは、店主の二見さわや歌さんが以前飼っていたオカメインコのキビちゃん。食べるのが惜しくなりながらも口に入れるとほろっと崩れ、きび砂糖の朗らかな甘みに癒やされる。埼玉県入間市の桂ファームから直送される卵から、卵黄だけを取り出して使っていることや、低温でじっくり火を入れるのが秘訣(ひけつ)。月1回工房を公開する際には、「工場見学」と、近所の小学生が体験に訪れることも。

『KIBI'S BAKE SHOP』店舗詳細

住所:東京都板橋区常盤台1-40-4 奥村マンション102 /営業時間:店頭販売は金~日・祝、毎月15日の10:00~16:00/アクセス:東武鉄道東上線ときわ台駅から徒歩9分

『越後鶴屋』のみたらし団子【西荻窪】

つるりとなめらかに舌の上を転がる

みたらし団子 パック入り(大)450円。昆布出汁の効いたたれも、一滴残らず平らげたい。
みたらし団子 パック入り(大)450円。昆布出汁の効いたたれも、一滴残らず平らげたい。

のれんに「杵つき餅」とあり、できたての大福を目当てに遠くからわざわざ足を運ぶ人も。近隣の学校に式典で配る紅白餅を卸すこともあるが、実は、地元の人たちにはみたらし団子も根強い人気。通常、団子はうるち米の新粉を使い、むちっとした歯応えを出すが、こちらでは餅粉をブレンドすることで、つるりとした食感に。たっぷり絡ませた醤油だれから、日高昆布の出汁が豊かに香る。

『越後鶴屋』店舗詳細

住所:東京都杉並区松庵3-38-20/営業時間:9:00〜18:00(売り切れ次第終了)/定休日:月(祝の場合は営業、翌火)/アクセス:JR中央線西荻窪駅から徒歩2分

『たいやき たつみや』のたいやき【下高井戸】

下膨れが福々しいおめでたいやき

たいやき1尾190円。鱗の形やヒレのラインまできれいに浮き出ている。お土産用の化粧箱100円。
たいやき1尾190円。鱗の形やヒレのラインまできれいに浮き出ている。お土産用の化粧箱100円。

愛嬌(あいきょう)のある表情につられ、手に取るとずっしり。しっかり固めに焼き上げた皮が香ばしく、中にはつぶあんがみっちり詰まっている。北海道十勝産のアズキを店内の釜で炊き上げたもので、甘さは控えめ。力強い滋味と素朴な香りが漂う。1968年にたいやきと甘味の店として開店し、現在は居酒屋を併設。そちらでは、常連客のリクエストによって生まれたたいやきの姿揚げが締めスイーツに。

『たいやき たつみや』店舗詳細

住所:東京都世田谷区赤堤5-31-1 池田ビル/営業時間:10:00~18:30過ぎ/定休日:火/アクセス:京王電鉄京王線下高井戸駅から徒歩3分

『菊見せんべい総本店』のめずらしせんべい【千駄木】

甘じょっぱい粉雪がふわり、舞う

めずらしせんべい1袋180g750円。食べ始めたら止まらなくなるので、袋がジッパー付きなのもいい。
めずらしせんべい1袋180g750円。食べ始めたら止まらなくなるので、袋がジッパー付きなのもいい。

団子坂で店を始めたのは明治8年(1875)。王道の堅焼きに対し「こればかり、何袋も買っていく人がいる」のがめずらしせんべいだ。5代目の天野善之さんいわく「昭和40年ごろ、先代が同業の仲間たちと考案したアイデア商品」らしく、サクッという歯触りと甘じょっぱい味わいが当時としては珍しかった。粉醤油、砂糖をまとい、それが口の中で粉雪のようにスッっと溶け、夢見心地。

『菊見せんべい総本店』店舗詳細

住所:東京都文京区千駄木3-37-16/営業時間:10:00~19:00/定休日:月/アクセス:地下鉄千代田線千駄木駅から徒歩2分

『忠三櫻本舗』のどらやき【篠崎】

そのふわふわの皮にむしろ包まれたい

手前から忠三銅鑼焼216円、紅茶とりんご248円、生クリームとアズキの生どら227円、リコッタ378円。
手前から忠三銅鑼焼216円、紅茶とりんご248円、生クリームとアズキの生どら227円、リコッタ378円。

「皮の概念が変わった、とお客さまに喜ばれました」と3代目の草薙里美さん。アズキの形を感じられるふっくらとしたつぶあんを、ふわっふわの皮で包み込む。丁寧に空気を含ませながら焼くのが肝心だと言い「気泡一つで質感が変わるので日々調整を重ねています」。洋風のもの、季節限定品など豊富なバリエーションの中から選べ、アイスのように楽しめる冷凍どらやきはまさに唯一無二。

『忠三櫻本舗』店舗詳細

住所:東京都江戸川区篠崎町2-11-1 ウィルスクエアビル1F/営業時間:9:00~18:00/定休日:水/アクセス:地下鉄新宿線篠崎駅から徒歩2分

『アルパジョン』のシュークリーム【梅ヶ丘】

あふれるカスタード、かぶりつけパイシュー

満腹deシュー379円。店頭には商品名に地名が入った焼き菓子も揃い、手土産探しにうってつけ。
満腹deシュー379円。店頭には商品名に地名が入った焼き菓子も揃い、手土産探しにうってつけ。

いっそ手で持って、サクッとしたパイ生地にかぶりつきたい。あふれんばかりのカスタードクリームは、その日に炊いたカスタードと、高脂肪の生クリームで作られ、フレッシュな甘い香りが鼻先でパッと開く。1984年、豪徳寺の「ル・サントノーレ」(閉業)の2号店としてオープン。以来、ひたむきに「街のケーキ屋さん」であり続け、日々のおやつや家族団らんのケーキを買い求める人でにぎわう。

『アルパジョン』店舗詳細

住所:東京都世田谷区梅丘1-22-7 中村ビル1F/営業時間:9:30~19:30/定休日:無/アクセス:小田急電鉄小田原線梅ヶ丘駅からすぐ

『按田餃子』の自家製調味料【代々木上原】

これがあればひと匙(さじ)で味が決まる

自家製調味料3点セット2203円。水餃子は豚と鶏に分かれ、鶏ベースの白菜と生姜(10個)1026円。
自家製調味料3点セット2203円。水餃子は豚と鶏に分かれ、鶏ベースの白菜と生姜(10個)1026円。

もちもちした厚手の皮が特徴の「按田餃子(あんだぎょうざ)」。独特の形状には、自家製調味料をのせやすいという利点もある。この調味料は「按田餃子のタレ」「味の要」「豆豉ミックス」の3種類あり、炒め物や、鍋パーティーで味変する場面でも役立つ。カレーのスパイスを多用した「味の要」はポテトサラダに足したり、マヨネーズやヨーグルトと混ぜて唐揚げのソースにしたり、アイデア次第で用途は無限!

『按田餃子』店舗詳細

住所:東京都渋谷区西原3-21-2/営業時間:11:00~22:00/定休日:無/アクセス:小田急電鉄小田原線・地下鉄千代田線代々木上原駅から徒歩1分

『STYLE'S CAKES & CO.』のタルト【神保町】

響く、ザックザク!これぞ幸福を呼ぶ音

手前から時計回りに、季節のフルーツの焼きタルト800円、バナナクリームタルト650円、フレッシュフルーツタルト800円、和栗のモンブランタルト800円。
手前から時計回りに、季節のフルーツの焼きタルト800円、バナナクリームタルト650円、フレッシュフルーツタルト800円、和栗のモンブランタルト800円。

こんがり焼き込まれたタルト台が、ザックザク。噛(か)み締めるたび、特製のクレームダマンドが勢いよく香り立つ。トッピングした旬のフルーツごとオーブンに入れる焼きタルトは、熱を加えることで旨味を増した果汁がタルト台に染み込み、やみつきに。ちなみに、店主の岩崎修さんのお気に入りは「定番のバナナクリーム」。頬張った途端、マスコバド糖のまろやかな甘みが伝わり、ついにっこり。

『STYLE'S CAKES & CO.』店舗詳細

住所:東京都千代田区神田小川町3-16-6/営業時間:12:00~売り切れ次第終了/定休日:水・土・日・祝/アクセス:地下鉄神保町駅から徒歩4分

『佃煮処 湯葢(ゆぶた)』の佃煮【稲荷町】

引き継いだ伝統を厳選素材と共に炊く

3色パック各900円。手前はあさり佃煮・切いか・しそわかめ。奥はちりめん山椒・しそ昆布・まぐろ角煮。
3色パック各900円。手前はあさり佃煮・切いか・しそわかめ。奥はちりめん山椒・しそ昆布・まぐろ角煮。

素材を生かした程よい甘さ、適度な辛さは、2017年に閉店した名店「鮒金」から引き継いだ味。約15年間の修業の末、井上真太朗さんが立ち上げた店には、常時25種類ほどの佃煮が並ぶ。ラインアップは時季によって異なり、伝統的なものから変化球までずらり。3色パックはちょっとした手土産にもおすすめで、ご飯のお供はもちろん、しそ昆布ならチーズと組み合わせればワインにもぴったり。

『佃煮処 湯葢』店舗詳細

住所:東京都台東区北上野2-1-1/営業時間:10:00~18:00(土は~17:00)/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄銀座線稲荷町駅から徒歩9分

『向島 松むら』のいなり寿司【曳舟】

シャリも愛も満載!下町のソウルフード

折り詰め(いなり5個/のり巻き4切)1000円。いなりは自分用のおやつにもいい。1個140円~。
折り詰め(いなり5個/のり巻き4切)1000円。いなりは自分用のおやつにもいい。1個140円~。

地域の祭りや花火大会があると、多いときにはいなり寿司が4000個以上も売れるので、早朝から従業員総出で作業するそう。油揚げもシャリも、のり巻きの干瓢(かんぴょう)もすべて同じ4升炊きの羽釜で炊き上げる。皮はジューシーでありつつ、さっぱりと切れ味よく整えられ「私自身、これを食べて育ちました」と2代目の嶽本信吾さん。シャリはお彼岸を境に、秋冬は五目飯、春夏はケシの実入りに替わる。

『向島 松むら』店舗詳細

取材・文=信藤舞子 撮影=泉田真人
『散歩の達人』2025年12月号より