じっくり見て回りたい学びと発見の場『丸善 丸の内本店』

1階はビジネス・資格のフロア。
1階はビジネス・資格のフロア。

商業ビル内の1~4階にあり、各階のエスカレーター横には「ミュージアムゾーン」として旬の本が並ぶ。一方、既刊も手厚くカバーされ、随所で小さなフェアが展開していて、回遊するだけでも新たな発見があって刺激的。目的買いにも衝動買いにも応えてくれる。

ミュージアムゾーンのフェア(取材時)。さまざまな視点の本が並ぶ。
ミュージアムゾーンのフェア(取材時)。さまざまな視点の本が並ぶ。
名作漫画の1巻を集めた棚が人気。
名作漫画の1巻を集めた棚が人気。

店員の中琴子さんおすすめ! 東京・日本橋関連本

『神田ごくら町職人ばなし』 坂上暁仁 著/リイド社

オムニバス形式で江戸の職人たちの暮らしが描かれる。セリフは少ないが描写が美しく読み応え満点。

『丸善 丸の内本店』店舗詳細

老舗の底力を感じる知の殿堂『丸善 日本橋店』

圧巻の文庫棚。小説からノンフィクションまでジャンルを問わず人気。
圧巻の文庫棚。小説からノンフィクションまでジャンルを問わず人気。

明治3年(1870)に開店した、丸善の原点ともいえる店。日本銀行や茅場町が近いため、金融・経済を中心としたビジネス書が売れ筋だが、幅広い層に人気なのは文庫。2階の「21世紀図書館」は、哲学や文学、自然科学など世界のロングセラーが揃う必見のコーナーだ。

1階入り口の日本橋アラカルトは旬の棚。
1階入り口の日本橋アラカルトは旬の棚。
百年書棚に残る本が揃う。
百年書棚に残る本が揃う。

店員の猪俣真利さんおすすめ! 東京・日本橋関連本

『東京Slowly² No.04』美味しい理由編集部 編

日本橋界隈のおいしいお店を美しい写真とともに紹介するガイドブック。日本橋料理飲食業組合公認。

『丸善 日本橋店』店舗詳細

本店を引き継ぎつつ独自路線を行く『八重洲ブックセンター グランスタ八重洲店』

ビジネス書の平台。
ビジネス書の平台。

東京駅八重洲口にあった本店が2023年3月に閉店したのち、2024年6月に開店。地下街唯一の書店として、ビジネス、文庫、文具雑貨などがコンパクトにまとまっている。平日は近隣で働く人、週末は観光目的の人と、多種多様なニーズをくみとる頼もしい存在だ。

地下街の通路に面して本棚が見える。
地下街の通路に面して本棚が見える。
本店閉店時に書いてもらった色紙。新本店は2029年に複合ビルへ出店予定。
本店閉店時に書いてもらった色紙。新本店は2029年に複合ビルへ出店予定。

店員の佐藤広大さんおすすめ! 東京・日本橋の関連本

『ドミノ』(グランスタ八重洲店 限定カバー)恩田 陸 著/角川文庫

恩田陸さんの傑作小説、当店だけの特別バージョン。東京駅を中心に繰り広げられるドタバタ劇。

 『八重洲ブックセンター グランスタ八重洲店』店舗詳細

ビジネス街を支えてきた老舗書店『紀伊國屋書店 大手町ビル店』

ビジネス書の既刊から新刊まで並ぶゾーン。祭壇のような美しさ。
ビジネス書の既刊から新刊まで並ぶゾーン。祭壇のような美しさ。

開店は1958年。紀伊國屋書店のなかでも2番目に長い歴史をもつ。2025年3月、ビジネス書に特化した店にリニューアル、経済・法律分野がより充実した。入り口付近には小説など文芸の棚もあり、近隣の企業や新聞社に勤める人たちの日々の支えとなっている。

ランキングは1週間ごとに入れ替えている。
ランキングは1週間ごとに入れ替えている。
新刊を揃えた日本文学の棚。
新刊を揃えた日本文学の棚。

店員の中野裕寛さんおすすめ! 東京・日本橋関連本

『俺たちの箱根駅伝』池井戸潤 著/文藝春秋

大手町といえば箱根駅伝の発着点。学生のランナーはもちろん、中継スタッフまでを描いた群像劇。

『紀伊國屋書店 大手町ビル店』店舗詳細

1冊1冊を大切に売っていく『紀伊國屋書店 Otemachi One 店』

充実の洋書コーナー。日本の漫画の翻訳版もある。
充実の洋書コーナー。日本の漫画の翻訳版もある。

2024年11 月に開店。同じビルで働く人をはじめ、近くのホテルに宿泊している海外からの旅行者、皇居ランナーなど、立地ならではのお客さんが訪れる。41坪と限られた売場面積だからこそ置く本は選び抜かれていて、求めている人の元へ確実に届く安心感がある。

ランナー向けの雑誌も豊富。女性誌も売れ筋。
ランナー向けの雑誌も豊富。女性誌も売れ筋。
会計はセルフレジのみ。スタッフも常駐。
会計はセルフレジのみ。スタッフも常駐。

店員の高橋素子さんおすすめ! 東京・日本橋関連本

『ドミノ』恩田 陸 著/角川文庫

東京駅周辺を舞台に登場人物たちが大騒ぎ。映画を観ているようなスピード感あふれる展開が文庫で。

『紀伊國屋書店 Otemachi One 店』店舗詳細

人形町と共に歩む地域密着店『文教堂 人形町店』

店長手作りのジャンル分けの札。見やすい工夫が満載。
店長手作りのジャンル分けの札。見やすい工夫が満載。

2002年の開店以来、ビジネス書を中心とした品揃えだったが、コロナ禍で児童書を増やし、休日は地元に暮らす親子連れが訪れるようになった。ビジネス街と飲食店街が混ざり合う下町にあって、暮らす人にも働く人にも欠かせない、地元に深く根ざしたお店だ。

ビジネス書は難度が高いものが売れ筋。
ビジネス書は難度が高いものが売れ筋。
『新参者』シリーズは人形町が舞台。
『新参者』シリーズは人形町が舞台。

店員の大塚由郎さんおすすめ! 東京・日本橋関連本

『すし本』岡田大介 著/大和書房

すし職人による、すしダネを楽しく学ぶハンドブック。コンパクトで、外国からのお客さんにも人気。

『文教堂 人形町店』店舗詳細

取材・文・撮影=屋敷直子
『散歩の達人』2025年6月号より