『セイコーミュージアム 銀座』時計の歴史は人類進化の歴史そのもの[銀座]
2020年、墨田区から創業地の銀座に移りリニューアルオープン。自社製品のみならず国内外で集めた時計を1万2000点以上収蔵する。特に250点ある和時計は日本有数のコレクション数とか。テーマに分かれたB1~5Fのフロアを回れば、時を告げる仕組みの進化や精度への追求を知ることができる。
“日本初”&“世界初”のオンパレードに「セイコーの歩み=時計の歴史」だと思わずにはいられない。
『セイコーミュージアム 銀座』詳細
『世界のカバン博物館』世界50カ国から集結! 個性あふれるカバンの世界[浅草]
バッグメーカー「エース」が1975年に開館したのはカバンに特化した世界唯一の博物館。併設する創業者の記念館のコレクションと合わせたその数は、世界約50カ国、700点ほど。
大ぶりで工業的なアメリカ、華美で皮革製造技術の高いヨーロッパなど、土地柄が個性となって表れていて楽しい。素材も多彩でシマウマにウナギ、サケなどの珍革も! 著名人からの寄贈品も多く、好奇心をくすぐられる。
『世界のカバン博物館』詳細
近代消防のシンボルを全国各地で救出中! 『送水口博物館』[新橋]
消火時にポンプ車から建物内に水を送るための送水口。関東大震災を機に普及したが建物の老朽化に伴い今や消失の一途。そんな1970年代前半頃までに設置されたオールド送水口を、かつてのメーカー社長である村上善一館長が自ら救出・保存する。
現在の展示品は東京、横浜、京都などの25現場。展示台も手作りで、設置状況まで極力再現している。かたちや色、銘板や鎖や蓋を見比べ、触れて、堪能しよう。
『送水口博物館』詳細
『凧の博物館』驚きのバラエティー! まさに空飛ぶアート[三越前]
1977年に創設させたのは、無類の凧好きだった老舗洋食店『たいめいけん』初代・茂出木心護。2代目・雅章氏がコレクションを充実させ、2024年現在100点ほど展示する。
古いものでは大正時代の凧絵があるが、「凧は紙と竹と米(糊)でできているのでなかなか昔のものは残らないんです」と担当の福岡正巳さん。アジア、中東、南米の凧も多く、デザインも形状も実にバラエティー豊か。空に映える飛ぶアートだ。
『凧の博物館』詳細
『太皷館』叩けばもっと親しめる古今東西の太鼓[田原町]
和太鼓を製造販売する『宮本卯之助商店』が1988年に開館。世界各地の太鼓、打楽器を一堂に公開する世界初の博物館だ。収蔵数は徐々に増え、2024年現在約900点のうち100点ほどを常時展示。祭礼や芸能だけでなく神との交信、富の象徴などさまざまな太鼓の役割を通して文化や民族性に触れられる。
うれしいのは大半の展示品を実際に叩けること! 叩けば音や響きを体感でき、太鼓がもっと身近になる。
『太皷館』詳細
取材・文=下里康子 撮影=山出高士
『散歩の達人』2023年12月号